影絵劇 竹取物語 第一幕
推奨BGM 【南澤大介 アシタカせっ記】
昔々、今から千年以上も前のこと。
まだ、京の都にミカドがおわしました頃のことでございます。
ミヤコのはずれに、竹取の翁と呼ばれる者がおり、野山に分け入り、竹を採って色々な道具を作って暮らしておりました。
ある日のこと、翁は竹林の中で、根元が光る竹が一本あるのを見つけました。
不思議に思って近寄ると、竹筒の中に三寸ほどのかわいらしい女の子が座っておりました。
(翁)やあ、何てかわいらしい人だろう。きっと、私の子におなりになるはずの人のようじゃ。
こう言って翁は家に連れ帰り、妻と二人で大切にお育てしました。
それからというもの、竹をとりに行くたびに、節の間に黄金が入った竹が見つかるようになり、翁は次第にお金持ちになり、有力者になりました。
娘はすくすくと成長し、やがて美しい姫になりました。
翁は神主を呼び、なよ竹のかぐや姫、光り輝く姫という名をつけてもらい、三日間、宴会を開き、管弦の遊びをしたそうです。
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推奨BGM【カーネーション】
ハワイ生まれのポケットサックス(オリジナルは竹)
かぐや姫の美しさは都でたいそう評判となり、姫を妻にしたいと思う男達が次々と現れました。中でも有力貴族の御曹司五人が、特に熱心に通ってきました。
(五人の御曹司)
「翁よ、かぐや姫をワシの妻にもらい受けたい。」威張りくさって
「何を言うか、私が先に申し込んだのじゃ。」ワンテンポ緩い
「姫に送った和歌では、ワシが一番優れているはずじゃぞ。」すっとぼけた感じ
「まてまて、ワシこそが姫にふさわしい。」アホなくせにプライドだけ高い
「何を言うか。姫はワシを好いておるのじゃ。そうじゃろ、翁よ」自称イケメン
(翁)「ワシの命は今日、明日とも知れぬから、このようにおっしゃって下さる貴公子のどなたかに決めてお仕えしてはどうじゃ。
(姫)もっともです。でも、どなたも優れた方ばかりで、お一人に決められません。私の願いを叶えて下さるかどうかで、お仕えするかどうかを決めることにしましょう。
こう言ってかぐや姫は五人の御曹司達に、言い伝えでしか聞いたことのない宝物を持ってくるよう、難題を要求しました。
五人の求婚者達の中には、探すふりをして偽物を作って持ってくる者、怪我をする者、中には命を落とす者もいて、誰一人持ってこられる人はいなかったのです。
こうして五人の御曹司達は都の笑いものになり、面目を失ったそうです。
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