人形劇 五頭龍と弁天姫 第四幕
背景、 こがね色の稲穂。
BGM【秋祭り】
下手から神輿や村人が踊りながら上手へ抜けてゆく。 ゆっくり20~30秒ほどかける。
五頭龍と弁天、下手から寄り添って、あたりを見回しながら舞台中央に登場。
BGMフェイドアウト。 背景下げる。
(五)「今年の稲刈りも無事終わったようじゃな。」
(弁)「ええ、あなたのお働きがあったからこそですわ。」
「本当によく村人たちのためにお尽くしになりましたわ。」
(五)「うむ、そうじゃな。われらもよく働いてきたものじゃ。」
五頭龍、数歩先へ進み、振り返り、弁天を見る。
BGM【嫌いにならないで】
(五)「妻よ、ワシの命はもうすぐ尽きる。」
「そなたに別れを告げる時が来たようじゃ。」
弁天、息をのみ。
(弁)「あなた、こんなに早く、もう逝ってしまわれるのですか。」
「私は嫌でございます。」
(五)「妻よ、悲しむことはないのだよ。 ほら、ご覧。向こう岸のあの辺りに 、ワシは小山となって、そなたを見守ることにしよう。」
しばらく見つめ合い、五頭龍、突然苦しみだす。
BGM【俺はもうだめかもしれない】
(27秒) 時間いっぱい使い、しっかり語ること。
(五)「ワシはいつでもそなたのそばにおる。それを忘れてはならぬ。」
「妻よ、いとしい我が妻よ、さらばじゃ。」
五頭龍 息絶える。
(弁)「あなた。五頭龍様ー。」
背景、江ノ島から対岸を望むシーン。しばらく背景画だけを見せる 。
BGM【忘れてしまったことを拾いに】
曲は最後まで流す。
弁天、中央より少し下手側に立ち、対岸の小山を見ている。
江ノ島の対岸に小山と化した五頭龍は、弁天姫との約束を守り、その後も人々を災害から守り、いつしか五頭龍大神とあがめられるようになりました。
30秒あたり。
村の古い言い伝えによれば。 時折、対岸の小山を見つめ立ち尽くす。
弁天姫の姿を見た者がいたそうな。
BGM【拍子木】
おわり。