《Franken/Mutant》
《Fish 基本形》 は ある数字が 2つ以上の行(列)[base set]で配置可能なマスが その行(列)と同じ数の列(行)[cover set]に限定されると その数字が配置できないマスが見つかるものでした。 それらの 行(列)は”大マス”を含んだ領域であっても,その数字が配置できないマスが見つかることがあります。 行・列に 大マスを含む場合を ”Franken”, 行・列・大マス が複雑に組み合わさったものを ”Mutant”と呼びます。 このページでは 領域の数が 3つであるものについて説明します。
3つの 行・列 が関係した 《Fish 基本形》は 三人の賢い見張兵排除(Swordfish)です。
練習問題へ
《Fish 基本形》の テクニック”三人の賢い見張兵排除(Swordfish)”では base sets,cover sets は 3つの行・列 でした。 各々の sets は,行,列 だけでなく,大マスも含めた 任意の領域 であっても 同様の排除が成立することがあります。 base sets・cover sets が任意の3領域であるものを ”乱戦賢い三見張兵排除” と名付けて説明します。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 1]
base sets に 大マス が含まれる例題です。利用する排除のテクニックは Franken Swordfish と呼ばれます。
数字1 が,配置可能なマスは
行1 では,行1列1,行1列5
行8 では,行8列1,行8列2,行8列5
大マス4 では,行5列2,行6列1
です(base sets:行1,行8,大マス4)。
これら 7つのマス は,3つの領域 列1,列2,列5(cover sets) に含まれます(カバーされています)。
もし,これら3つの領域(列1,列2,列5)のマスで base sets に含まれないマス(例えば 列2 の 行7列2)に 数字1 が配置されると, その領域(列2)で base sets に含まれるマス(行5列2,行8列2)には 数字1 は配置できません。 すると, cover sets の残りの領域(列1,列5)2つだけの中に,base sets である3つの領域(行1,行8,大マス4)で 数字1 を配置する 3つのマス(行1列1または行1列5 と 行6列1 と 行8列1または行8列5) を確保しなければならなくなり 矛盾を生じます。
よって,cover sets(列1,列2,列5)では,base sets に 含まれないマス には 数字1 を配置できないことがわかります。
ダウンロードいただいたソフトでは,
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 1 行 7 列 2
排除数字は
行 1, 行 8, 大マス 4 (base sets)で配置可能なマスに同一のものがなく,
それらすべてが 列 1, 列 2, 列 5 (cover sets)でカバーされているので
cover sets では base sets に含まれないマスには配置できない
と,表示されます(新たに得られた排除情報以外は表示しません)。
テクニック”お山の大将”により,行7列2 の 数字6 が確定します。
複数の base set の領域に同じマスが含まれていても構いませんが,当該数字が配置可能なマスは 必ず 1つの base set にだけ 含まれます(複数の base set には含まれません)。
ダウンロードいただいたソフトでは 数字が配置可能なマスが3つか2つに限られる 行,列,大マス の配置可能なマスを黄色く塗りつぶした ペンシルマーク を表示可能です。 数字1 の例は ここ をクリックしてください。
(発展と補足で後述するように,乱戦賢い三見張兵排除では 当該の数字が base set の領域で 配置可能なマスの数が3つまでではなく,4つ以上 でも排除が成立する可能性があります)
ペンシルマークを利用しても,乱戦賢い三見張兵排除 が適応できるかどうかを確認することは 根気のいる作業になります。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 2]
次の例題に対して 行・列・大マス を複雑に検討して 排除する数字を決定してみます。ここで解説する排除のテクニックは Mutant Swordfish と呼ばれます。
数字8 が,配置可能なマスは
行3 では,行3列5,行3列9
列4 では,行1列4,行2列4,行5列4 *)
列7 では,行1列7,行5列7
です(base sets:行3,列4,列7)。
これら 7つのマス は,3つの領域 行5,大マス2,大マス3(cover sets) に含まれます(カバーされています)。
もし,これら3つの領域(行5,大マス2,大マス3)のマスで base sets に含まれないマス(例えば 大マス2 の 行1列5)に 数字8 が配置されると, その領域(大マス2)で base sets に含まれるマス(行3列5,行1列4,行2列4)には 数字8 は配置できません。 すると, cover sets の残りの領域(行5,大マス3)2つだけの中に,base sets である3つの領域(行3,列4,列7)で 数字8 を配置する 3つのマス(行3列9 と 行5列4 と 行1列7または行5列7) を確保しなければならなくなり 矛盾を生じます。
よって,cover sets(行5,大マス2,大マス3)では,base sets に 含まれないマス には 数字8 を配置できないことがわかります。
ダウンロードいただいたソフトでは,
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 2 列 5
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 2 列 6
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 5 列 1
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 5 列 6
排除数字は
行 3, 列 4, 列 7 (base sets)で配置可能なマスに同一のものがなく,
それらすべてが 行 5, 大マス 2, 大マス 3 (cover sets)でカバーされているので
cover sets では base sets に含まれないマスには配置できない
と,表示されます(新たに得られた排除情報以外は表示しません)。
テクニック”お山の大将”により,行2列6 の 数字6 が確定します。
*) 数字8 が 行9列4 に配置できないことは, 列4 では,行2列4 と 行5列4 の2つのマスには,数字8,9 の2つしか配置できないことからわかります(二都物語排除)
この例題は base sets を 列4,列7,大マス1 cover sets を 行1,行2,行5 とした Franken Swordfish によって 数字8 が 行2列5,行9列5 に配置できないことを発見しても解き進めることができます (ここ をクリックしてください)。 cover sets に 大マス を含めた Franken Swordfish(base sets:行3,行4,行6 cover sets:列5,列9,大マス4)と考えても,同様に排除される数字が見つかります。確認してみてください。
[名称”乱戦賢い三見張兵排除”の由来]
”賢い見張兵排除”では,守備線,連絡路は,縦横(行と列)整然としていました。まだ戦闘は起こっていません。 いざ戦闘が始まって乱戦状態になると,拠点から監視している場所は縦横入り乱れ(行列の混在),拠点の直近の場所(大マス)しか守備できないかも知れません。 拠点間の連絡路も縦横入り乱れ,直近の場所にしか連絡が取れなくなることもあります。 それでも兵を拠点に賢く配置した守備体系を採れば,拠点以外の連絡可能な場所は兵を配置しなくても管理下におけます。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の発展 と 補足]
発展1)関連する領域の数 関連する領域の数を 3つ から 4つ(乱戦賢い四見張兵排除:Franken Jellyfish, Mutant Jellyfish),5つ(乱戦賢い五見張兵排除:Franken Squirmbag, Mutant Squirmbag),・・・ と増やしても排除が成立する可能性があります。
発展2)base sets で 当該の数字が配置可能なマスの数
大マスが関連する場合,当該の数字が配置可能なマスの数が3つまでではなく,4つ以上 でも排除が成立する可能性があります。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 1]の図から配置されている数字の一部を削除しています。
例1 と同様に,base sets は 行1,行8,大マス4,cover sets は 列1,列2,列5 です。
大マス4では 数字1 が配置可能なマスの数が 5つ あります。 それでも base sets(行1,行8,大マス4) で 数字1 が配置可能なマスは,列1,列2,列5(cover sets) にカバーされています。 この場合でも,Franken Swordfish(乱戦賢い三見張兵排除)が成立して,数字1を 行7列2 に配置できないことがわかります (その他 行2列1,行2列2,行2列5,行3列5,行4列5,行5列5,行6列5 にも 数字1 を配置できないことがわかります)。
この図から初級のテクニックだけを使って手を進めると,数字3 に関して base sets を 列1,列5,大マス9,cover sets を 行1,行8,行9 とした”乱戦賢い三見張兵排除”が適応できる局面が現れます。問題図 をクリックしてください。
発展3)Finned/Sashimi Franken/Mutant Fish
見張塔過多排除(Finned/Sashimi) と同じく base set で配置可能なマスが cover set に完全にカバーされずに余分にあっても, 数字の配置が排除されるマスが見つかることがあります。
二市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant X-Wing),三市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant Swordfish),四市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant Jellyfish)と名付けています。 市街戦(乱戦)になっても,余分なマスから排除されるマスを狙いうちできることを意識しています。
ダウンロードいただいたソフトでは,発展1)で領域の数が 5以上 のものはプログラムしていません。
[練習問題 ”乱戦賢い三見張兵排除”]
解答の途中で テクニック”乱戦賢い三見張兵排除” が必要になる問題です。
一番左の問題は 問題局面に直接 テクニック”乱戦賢い三見張兵排除” が適応されます。
一番右の問題は テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”を2回利用します。
問題図をクリックすると,正解と解答過程の一例が表示されます。
《Fish 基本形》 は ある数字が 2つ以上の行(列)[base set]で配置可能なマスが その行(列)と同じ数の列(行)[cover set]に限定されると その数字が配置できないマスが見つかるものでした。 それらの 行(列)は”大マス”を含んだ領域であっても,その数字が配置できないマスが見つかることがあります。 行・列に 大マスを含む場合を ”Franken”, 行・列・大マス が複雑に組み合わさったものを ”Mutant”と呼びます。 このページでは 領域の数が 3つであるものについて説明します。
3つの 行・列 が関係した 《Fish 基本形》は 三人の賢い見張兵排除(Swordfish)です。
練習問題へ
《Fish 基本形》の テクニック”三人の賢い見張兵排除(Swordfish)”では base sets,cover sets は 3つの行・列 でした。 各々の sets は,行,列 だけでなく,大マスも含めた 任意の領域 であっても 同様の排除が成立することがあります。 base sets・cover sets が任意の3領域であるものを ”乱戦賢い三見張兵排除” と名付けて説明します。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 1]
base sets に 大マス が含まれる例題です。利用する排除のテクニックは Franken Swordfish と呼ばれます。
数字1 が,配置可能なマスは
行1 では,行1列1,行1列5
行8 では,行8列1,行8列2,行8列5
大マス4 では,行5列2,行6列1
です(base sets:行1,行8,大マス4)。
これら 7つのマス は,3つの領域 列1,列2,列5(cover sets) に含まれます(カバーされています)。
もし,これら3つの領域(列1,列2,列5)のマスで base sets に含まれないマス(例えば 列2 の 行7列2)に 数字1 が配置されると, その領域(列2)で base sets に含まれるマス(行5列2,行8列2)には 数字1 は配置できません。 すると, cover sets の残りの領域(列1,列5)2つだけの中に,base sets である3つの領域(行1,行8,大マス4)で 数字1 を配置する 3つのマス(行1列1または行1列5 と 行6列1 と 行8列1または行8列5) を確保しなければならなくなり 矛盾を生じます。
よって,cover sets(列1,列2,列5)では,base sets に 含まれないマス には 数字1 を配置できないことがわかります。
ダウンロードいただいたソフトでは,
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 1 行 7 列 2
排除数字は
行 1, 行 8, 大マス 4 (base sets)で配置可能なマスに同一のものがなく,
それらすべてが 列 1, 列 2, 列 5 (cover sets)でカバーされているので
cover sets では base sets に含まれないマスには配置できない
と,表示されます(新たに得られた排除情報以外は表示しません)。
テクニック”お山の大将”により,行7列2 の 数字6 が確定します。
複数の base set の領域に同じマスが含まれていても構いませんが,当該数字が配置可能なマスは 必ず 1つの base set にだけ 含まれます(複数の base set には含まれません)。
ダウンロードいただいたソフトでは 数字が配置可能なマスが3つか2つに限られる 行,列,大マス の配置可能なマスを黄色く塗りつぶした ペンシルマーク を表示可能です。 数字1 の例は ここ をクリックしてください。
(発展と補足で後述するように,乱戦賢い三見張兵排除では 当該の数字が base set の領域で 配置可能なマスの数が3つまでではなく,4つ以上 でも排除が成立する可能性があります)
ペンシルマークを利用しても,乱戦賢い三見張兵排除 が適応できるかどうかを確認することは 根気のいる作業になります。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 2]
次の例題に対して 行・列・大マス を複雑に検討して 排除する数字を決定してみます。ここで解説する排除のテクニックは Mutant Swordfish と呼ばれます。
数字8 が,配置可能なマスは
行3 では,行3列5,行3列9
列4 では,行1列4,行2列4,行5列4 *)
列7 では,行1列7,行5列7
です(base sets:行3,列4,列7)。
これら 7つのマス は,3つの領域 行5,大マス2,大マス3(cover sets) に含まれます(カバーされています)。
もし,これら3つの領域(行5,大マス2,大マス3)のマスで base sets に含まれないマス(例えば 大マス2 の 行1列5)に 数字8 が配置されると, その領域(大マス2)で base sets に含まれるマス(行3列5,行1列4,行2列4)には 数字8 は配置できません。 すると, cover sets の残りの領域(行5,大マス3)2つだけの中に,base sets である3つの領域(行3,列4,列7)で 数字8 を配置する 3つのマス(行3列9 と 行5列4 と 行1列7または行5列7) を確保しなければならなくなり 矛盾を生じます。
よって,cover sets(行5,大マス2,大マス3)では,base sets に 含まれないマス には 数字8 を配置できないことがわかります。
ダウンロードいただいたソフトでは,
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 2 列 5
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 2 列 6
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 5 列 1
▼乱戦賢い三見張兵排除 排除数字▼ 8 行 5 列 6
排除数字は
行 3, 列 4, 列 7 (base sets)で配置可能なマスに同一のものがなく,
それらすべてが 行 5, 大マス 2, 大マス 3 (cover sets)でカバーされているので
cover sets では base sets に含まれないマスには配置できない
と,表示されます(新たに得られた排除情報以外は表示しません)。
テクニック”お山の大将”により,行2列6 の 数字6 が確定します。
*) 数字8 が 行9列4 に配置できないことは, 列4 では,行2列4 と 行5列4 の2つのマスには,数字8,9 の2つしか配置できないことからわかります(二都物語排除)
この例題は base sets を 列4,列7,大マス1 cover sets を 行1,行2,行5 とした Franken Swordfish によって 数字8 が 行2列5,行9列5 に配置できないことを発見しても解き進めることができます (ここ をクリックしてください)。 cover sets に 大マス を含めた Franken Swordfish(base sets:行3,行4,行6 cover sets:列5,列9,大マス4)と考えても,同様に排除される数字が見つかります。確認してみてください。
[名称”乱戦賢い三見張兵排除”の由来]
”賢い見張兵排除”では,守備線,連絡路は,縦横(行と列)整然としていました。まだ戦闘は起こっていません。 いざ戦闘が始まって乱戦状態になると,拠点から監視している場所は縦横入り乱れ(行列の混在),拠点の直近の場所(大マス)しか守備できないかも知れません。 拠点間の連絡路も縦横入り乱れ,直近の場所にしか連絡が取れなくなることもあります。 それでも兵を拠点に賢く配置した守備体系を採れば,拠点以外の連絡可能な場所は兵を配置しなくても管理下におけます。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の発展 と 補足]
発展1)関連する領域の数 関連する領域の数を 3つ から 4つ(乱戦賢い四見張兵排除:Franken Jellyfish, Mutant Jellyfish),5つ(乱戦賢い五見張兵排除:Franken Squirmbag, Mutant Squirmbag),・・・ と増やしても排除が成立する可能性があります。
発展2)base sets で 当該の数字が配置可能なマスの数
大マスが関連する場合,当該の数字が配置可能なマスの数が3つまでではなく,4つ以上 でも排除が成立する可能性があります。
[テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”の例 1]の図から配置されている数字の一部を削除しています。
例1 と同様に,base sets は 行1,行8,大マス4,cover sets は 列1,列2,列5 です。
大マス4では 数字1 が配置可能なマスの数が 5つ あります。 それでも base sets(行1,行8,大マス4) で 数字1 が配置可能なマスは,列1,列2,列5(cover sets) にカバーされています。 この場合でも,Franken Swordfish(乱戦賢い三見張兵排除)が成立して,数字1を 行7列2 に配置できないことがわかります (その他 行2列1,行2列2,行2列5,行3列5,行4列5,行5列5,行6列5 にも 数字1 を配置できないことがわかります)。
この図から初級のテクニックだけを使って手を進めると,数字3 に関して base sets を 列1,列5,大マス9,cover sets を 行1,行8,行9 とした”乱戦賢い三見張兵排除”が適応できる局面が現れます。問題図 をクリックしてください。
発展3)Finned/Sashimi Franken/Mutant Fish
見張塔過多排除(Finned/Sashimi) と同じく base set で配置可能なマスが cover set に完全にカバーされずに余分にあっても, 数字の配置が排除されるマスが見つかることがあります。
二市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant X-Wing),三市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant Swordfish),四市街戦狙いうち排除(Finned Franken/Mutant Jellyfish)と名付けています。 市街戦(乱戦)になっても,余分なマスから排除されるマスを狙いうちできることを意識しています。
ダウンロードいただいたソフトでは,発展1)で領域の数が 5以上 のものはプログラムしていません。
[練習問題 ”乱戦賢い三見張兵排除”]
解答の途中で テクニック”乱戦賢い三見張兵排除” が必要になる問題です。
一番左の問題は 問題局面に直接 テクニック”乱戦賢い三見張兵排除” が適応されます。
一番右の問題は テクニック”乱戦賢い三見張兵排除”を2回利用します。
問題図をクリックすると,正解と解答過程の一例が表示されます。