その1 昭和48年退院時の生活マニュアル 本筋へもどる 第1部 || その名もファロー四徴症 || 疾患の経過と現在 || 児童・生徒・学生として || 社会人に成り損ね|| 第2部 || ドレガ◆ワタシノ◆エラブミチ? || 迷い道く〜ねくね〜 || Road to "Last Chance!?" || 活かさない || |
ここでは、昭和48年(1973年)左鎖骨下動脈を使ってのブレロックシャント手術したあとに、看護婦さんが手書きで作ってくださった子育て注意事項を紹介します。 当時の私の状態にあわせて、食事や入浴といった日常のことから、社会性を育てるという子どもの発達心理的な側面までを、やさしい言葉で丁寧に書いて下さっています。 ここに書かれている内容は、古いので現在の解釈とは違っているかもしれませんし、個人個人食べて良いもの、食べてはいけないものなどありますから、一概に、心臓病の手術を終えたお子さんに当てはまるものではありません。 それでも、何かヒントになるところがあるかもしれないということと、私のイキルミチ記録の一つとして(これを書いて下さった看護婦さん、ありがとうございます。私は元気にしてますよ〜ってな意味も込めて。)録っておきたい思い、掲載しました。 | ||||
SNOWちゃんと、御両親のために退院おめでとうございます!幼いながら、病気と必死にたたかっているSNOWちゃんがご家族の保護のもとに病気に負けることなく成長して行かれますように、退院後の日常生活で気をつけていただきたい点を中心に挙げてみました。 これからのSNOWちゃんのために少しでも役立てば幸いです。 日常生活の注意点は?1.食事について 2才5ヶ月の子どもが自分の体を維持していくために1日に必要とされるカロリーは、1100〜1400カロリーです。でも、SNOWちゃんの場合は、食べる量が少ないし激しい運動もありませんから、体力をつけていくために1000calを目標にしてはどうでしょう。 現在の食事の摂取量では約700カロリーくらいだと思います。 SNOWちゃんは1回の食事の量が少ないので、今までのようにおやつで補ってください。おやつは何でも結構ですが蛋白質をできるだけ多くするという意味で牛乳、たまごを使ったもの(クッキー、プリン、カステラ、ちゃわん蒸し、果物を利用したゼリーなど)工夫してみてはどうでしょうか。 また、食事の直前にはさけた方がいいです。
2.水分について 心臓病の人にとって水分摂取量と尿量とのバランスは重要なバロメーターとなります。それは、心不全といって心臓の働きが低下してくると水分摂取量に比較して尿量が減少し体がむくんでくる状態の発見につながるからです。そうなると赤信号です。 SNOWちゃんの場合は普段からどちらも少ないのですぐに異常と結びつけることはできませんが、普段から気をつけて見ておいてください。 個々で行っている水分とは純粋に水として飲む量だけではなく、食事、おやつなどに含まれている分もすべて加えたものです。
3.運動について 今回の手術は今までよりも心臓から肺に行く血液量を増やして、酸素の含まれた血液が身体各部に少しでも多く運ばれるようにするというものです。けれども病気そのものが治ったわけではありませんから、急激にSNOWちゃんの運動量が増えるとか行動範囲が広くなるということはあまりありませんが、徐々に外へ出て遊べるようにもなります。 歩ける時間や距離、また遊びの範囲などはSNOWちゃんが自分の身体に無理のかからない程度に自分で会わせていくと思います。 ですから、ここでは、SNOWちゃんが不慮の事故などにあうことのないように、安全な環境をつくってあげて下さい。 4.入浴について 熱すぎるお湯、冷たすぎるお湯を避けて短時間できりあげましょう。その他はこれまで行ってきたようにして結構です。 第1回目の入浴は、浴槽につからずに身体を洗い流す程度。5分くらいできりあげましょう。 第3回目くらいから、ゆっくり10数えるくらい浴槽に入ってもいいです。やはり5分以内にしましょう。 そして徐々に入浴時間と回数を増やしていくことです。 週2回くらいから始めて、3回、4回、毎日、と慣らしていきましょう。 2ヶ月くらいで毎日は入れるのを目安にしましょう。 風邪を引かないように注意! 正常な発達と成長のために用事にとって生活の中での遊びの占める位置は非常に大きなものです。特にこれからのSNOWちゃんは年令からいっても遊びの中から多くのことを経験し身につけていく途上にあります。けれども外に出て他の子どもたちといっしょにはしりまわったりすることのできないというハンディキャップがSNOWちゃんにはあります。子どもは自分と同年代の仲間と遊びの中で接するうちに社会性を身につけていきます。そして、それは。ひとりの人間として成長していく上で非常に重要なことです。 そこで、御両親と家族の豊かな愛情とアイディアが必要です。遊園地を散歩したり、外界との接触を多くして上げることも良いでしょう。また、近所の子どもを家に招いていっしょに遊ぶ機会をつくってあげることも良いでしょう。 また、これからは、ままごと、電車ごっこ、人形ごっこなどきっと思い出があると思いますが、その○○ごっこという遊びが多くなる年令ですし、絵本を見たり、はさみやクレヨンを使っての遊びにも興味を示していく年令です。その時々に応じて、SNOWちゃんが健全に成長して行かれるように守ってあげて下さい。 風邪を予防しましょう!普段から体力をつけることです。十分な栄養と休養と保湿に心がけて下さい。 そして「かぜだな」と思ったら、ひどくならないうちにかかりつけの小児科を受診しましょう。 何事も予防が第1。そして早期発見、早期治療です。 | ||||
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