フィステーラの道 (Camino de Fisterra)

 

1. 概要

    スペインの西岸にあるフィステーラ岬は、聖ヤコブ(スペイン語名:サンティアゴ)の遺骸がエルサレム
    から流れ着いた場所としてサンティアゴ巡礼路の最終地点となっています。
    フィステーラとは地の果て(El Finis Terre)という意味であり、陸地が終わり、荒々しい海が始まって黄泉
   の国へ人々を誘う場所とされています。
   中世から多くの巡礼者がサンティアゴ巡礼の旅の仕上げとして此処を訪れ、海の遙か向こうにエルサレムが
   見えると考えて来ました。
    フィステーラ岬はサンティアゴから約90Kmの距離で、徒歩で3日間を要しますがサンティアゴ市内から
   バスを利用すれば一日で往復する事が出来るのでバスを利用する人が多くなっています。
   また、フィステーラ岬から北に30Kmのムシア(Muxia)には温泉もあり、フィステーラ岬から回る巡礼者
   もいます。

 

       Map Fisterra

 

2. 各行程の内容 (各ETAPAの概要と私の巡礼記)

  2.1 サンティアゴ市内にて  2008年10月13日(月)晴れ

    昨日、サンティアゴへ到着した軽い興奮がまだ残っているが、明日から最後のルートになるフィニステラ岬
   まで歩く準備をする事にした。
    まず、クレデンシャル(Credencial)を手に入れなくてはと思って巡礼事務所で聞くと、ガリシア州の旅行
   事務所(Oficina de Turista)行けと言われたので近くにある事務所へ行くと、Camino de Finisterraの
    クレデンシャルは特に無いので、ノートでも良いから途中でスタンプを押して貰い、最後のフィステーラの
   Albergeで巡礼証明書を貰えるとの事で、事務所のレターペーパーにスタンプを押してくれた。
   (Camino de Finisterraのクレデンシャルは翌日にネグレイラ(Negreira)のAlbergeで貰う事が出来たが、
    サンティアゴ迄に使用したクレデンシャルを続けて使っても良いとの事です。)
   昨日は日曜日であった為に教会は大勢の観光客で一杯であったが、今日はそれほどでも無くゆっくりと内部を
   見学し、サンティアゴさんの肩に触れることも出来た。 
     教会前広場では巡礼者がTVインタビューを受けているのも見かけたが、一緒に歩いた巡礼仲間は既にバスで
   フィステーラへ往復してきた人が多かったので今日は2、3人を見かけた程度で、既にサンティアゴを離れて
   しまった様である。
   明日からの歩きを考えて早々に夕食を済ませ、ホテルへ戻ることにしした。

 

オブラド色 インタビュー
   S-1  大聖堂の回廊から広場     S-2  巡礼者のTVインタビュー  


  


  2.2 ETAPA1   Santiago de Compostela ~ Negreira へ (21.26km)

      Santiago de Compostela ― Carballa ― Alto de Vento ― Ponte Maceira ― Negreira

 

      サンティアゴ巡礼路のフィニステラへの道(Camino de Finisterra)は、オブラドイロ広場(Plaza de
    Obradoiro)から始まります。 
     広場からパラドール(Hostal los Reyes Catolicos)脇の坂道を下りオルタス通り(Rua das Hortas)を
    進み、Campas surの公園から巡礼路へ入ります。 
    キンタナス(Quntanas)は林の中で、此処を抜けてロショス川(Rio de Roxos)の橋を渡るとAlto de Vento
    の村があります。 (Messon Alto de Ventoがある)
      暫く村の中を進みAlto do Mar de Obllas(272m)まで、やや急な登り坂になりなります。 
    ここから石橋の美しいマセイラ橋(Ponte Maceira)に下ります。 
    巡礼路はネグレイラ(Negreira)への自動車道路へ出ますが旧道を通って巡礼像の建つNegreiraの町へ出ます。
    Negreiraのチャンセラ広場(Paza de A Chancela)には石造りの建物や城壁も残され、歴史を感じさせる町並
    みとなっています。Albergeは町の中心部からフィニステラへの巡礼路を1km程度歩いた高台にあります。

 

    私の巡礼記 Ⅰ  2008年10月14日(火) 曇り後晴れ

     Santiago de Compostela (8:10)― Ventosa(10:40)― Ponte Maceira(12:15)
       ― Negreira(13:30

     日が短くなったのか曇りの為かホテルから朝8時でもやや薄暗いオブラドイロ広場に出て大聖堂に挨拶を
    して フィニステラ巡礼路を歩き出す。 直ぐ前に2,3人の巡礼者を見つけてやや安心し、後をついて行く
    ことにした。
     サンティアゴまでの巡礼路と異なり、巡礼路を示す矢印の標識が少ないので交差点などではどちらに行けば
    よいか判りにくく何度か通勤の地元の方に道を尋ねながら歩く。
    Campas surから巡礼路は自動車道路から離れ住宅地を通る道となった。 
    天気は曇りなのか霧が出ているのか雨は降りそうにないが見通しのきかない道を歩き標識もから巡礼路に
    入ると急に賑やかな市内を抜けた様に村道となり、思いの他アップダウンの多い道となった。 
      天気は曇りなのか霧が出ているのか雨は降りそうにないが見通しのきかない道を歩き標識もFinisterraと
    Muxiaへの距離が書かれたものが1Km後毎にあるので安心して歩ける様になった。
    巡礼者もサンティアゴまでの巡礼路と違って静かだが途中にBar等も少なく、寂しい気がする。
    Alto de Mar de Ovellasから林の中を下ると、素晴らしい石橋のPonte Maceiraへ出た。 
    ここまで休みを取らずに歩いたので写真を撮り暫く休憩とする。 橋の手前にBarがあったが残念ながら営業
    をしておらずザックから水とお菓子を出して食べることにした。
    暫くすると自動車道路へ出て自動車道路を歩き出すと、後ろから村の人がNegreiraは左だと怒鳴ってくれ
    巡礼路へ戻ることが出来た。
    Negreira市内は思いの外賑やかで大きなMercadoもある。 町のBarで昼食後Albergeへ行くと2Fの
     2部屋にベットがそれぞれ12程度しかなく管理人も不在で適当に選んで荷物を下ろす事にした。 
     Albergeの庭にはテントが3張あり3時頃に到着した巡礼者はベットが確保出来ずテントに移り始める事に
    なった。
     4時頃になると管理人の叔母さんがベビーキャリアで子供を連れて現れ受付を始めてくれたが、この頃に数人
    の巡礼者が到着したがテントも満員になり近くの宿を紹介され町中へ戻る人も出始めた。
    夕食は町中まで行かなければならないが今日はレストランが休みとの事で、皆さんMercadoで食料を買って
    戻り、1Fのテーブルで一緒に賑やかに食事をした。
     NegreiraのAlbergeに泊まった巡礼者はテントに寝た人を含め30名程度であったが、夏の最盛期では大変
    だと思い、夕食時も皆で明日のOlveroiaの宿泊は大丈夫かなと話しあった。

 

ポンテ橋 Maceira
  S-3   Ponte Maceira   S-4  Ponte Maceiraの家並み
道標2 巡礼像
  S-5  Finisterra / Muxiaへの道標   S-6  Negreiraの巡礼像
Nedreira NegreiraのAlberugue
  S-7  Negreiraの市内   S-8  NegreiraのAlberge

  

  

 2.3  ETAPA2  Negreira ~ Olveiroa へ (33.24km)

     Negreira ― A Pena ― Vilaserio ― Sta. Marina ― Vilar do Castro ー Olveiroa


     Negreira から Olveiroaまでは、33.24kmの距離があり標高差は300m程度でさほどでもないがアップ
    ダウンも多い長い行程である。
     NegreiraのAlbergeから自動車道路に並行する山道を歩き、2Km程で道路に出る。 
    Zasの村から巡礼路に入り林の中を歩くが、脇道も多くやや判りにくい箇所があるが道標はしっかり1Km程度
    の間隔で立っているので安心出来る。
    A Penaを過ぎると再び自動車道路に出てVilaseiroを通過するが、この付近は所々に畑もあり明るく気持ちの
    良い風景が広がっている。
     Pereira方面へ行く道路と交差するが、直ぐに村道へ入り川を渡ってSta.Marinaへの道を左手に取って歩く。
    Sta.Marinaの集落もそれほど大きくはなく、これを過ぎて再び自動車道路に出ると直ぐ前のA MolaにBarが
    あるが、このルートで唯一のBarで昼時に丁度良い。
    Barから500m程度進むと右手のVillar do Castroへの登り坂へ向かう道標があり、約30分程度で集落に着く。
    集落の裏手から山道を越えてLagoの村へ下るが、この付近は巡礼路が明確でなく山道を迂回する村道を通った
    方が分かりが良いと思う。(但し、道標は無い。)
     Lagoから1時間程度でOlveiroa方面への自動車道路へ出て、40分程度でOlveiroaの村の入り口に着くが、
     Albergeは左手の集落への道に入った処にあり、直ぐ近くにはBarを併設しているHostalがあり休憩や夕食
    に利用が出来る。
    Albergeは数カ所の石造りの古い建物に別れ、古いが雰囲気の良い部屋になっている。


    私の巡礼記  Ⅱ  2008年10月15日(水) 晴れ

     Negreira (7:40)― Zas (8:15~9:15)― Sta.Marina (12:40 ―
                            Lago (14:45 ― Olveiroa (16:30)

    
     今日は33Kmもあるので早めに出発しようと、まだ暗い7:40にAlbergeを出た。 
    ヘッドランプをつけて山道を過ぎ自動車道路へ出てZas付近の集落へ入ったが小さな広場で道が数本に分かれ
    ている。 
    方向を示す矢印が無かったが一方の道の家に貝のマークが貼ってあるのでそちらへ歩き出すと、Albergeで
    一緒だったカナダ人が戻って来て道標が無いので間違いではないかと言うので、再度広場へ戻り確認したが
    道路上にも矢印のようなペンキが書かれていたので一緒に再度歩き出した。 
    しかし、暫く歩いても道標が無く、誤りであったと気がついたが自動車道路へ出たので再度巡礼路が判るかと
    歩き出した。 
     丁度パトロール中の警察官が通りかかったので道を聞くと全く反対方向であるとの事で暫く戻り、やっと
    巡礼者が歩いている道路へ出たがZas付近を一週した事になり1時間程度のロスをしてしまった。
    そこからは、道標を確認しながらで判りにくい箇所は無かったが、サンティアゴまでのCamino de Farances
    と異なり矢印も少ないので注意が必要だと思う。
     林の中を抜けてVilaserio付近まで来ると晴れてきて雰囲気も明るく、やっと落ち着きを取り戻して歩ける
    様になった。
    Sta.Mariaから自動車道路へ出ると、やっとBarがあり数人が昼食を取って休んでいたので一緒にBocadilloを
    食べて、ここからOlveiroaまでは、まだ3時間程度かかるのではないかと話をした。
     Villar do Castroまでは、やや登り坂になっているが牧場もあり見晴らしの良い村であった。 
    村の集落の裏手から村道を歩くが、山越えの巡礼路を見失いそのまま迂回路でLagoまで歩くことにしたが道標
    は無く、誰も人がいないのでまた間違いではないかと不安になってきたが、下り道で湖が見え地図と確認が
    出来た。
    約1時間程度でLagoの集落に着き、再び道標が見つかって安心したが、Olveiroaへの自動車道路へ出るまで、
    さらに1時間程度かかり、やはり距離があるのがつらい。
    それでも、16:30頃にAlbergeへ到着する事が出来て宿泊のベット数も多いので今日は快適に寝ることが
    出来そうである。 
    Finisterraまでの難関を通過した気がして気が楽になったが、夜半から雨が降り出し、時々目が覚めて聞く
    雨の音に明日の準備を考えながら寝た。

 

Logoへの下り道 OlviroiaのAlbergue
  S-9  Lagoへの下り道から湖を見る   S-10  OlveiroaのAlberge
Oreia 犬も宿泊
  S-11  Albergeの隣のBar   S-12  Albergeで犬も休憩


   
   2.4(a)  ETAPA3-a   Olveiroa ~ Cee  へ   (17.91km)

        Olveiroa ― Hospital ― San Pedro Martir ― Cee


      Santiago de CompostelaからFinisterraまでは、約90Kmで通常は3日間コースとなっています。 
     しかし、OlveiroaからFinisterraの町にあるAlbergeまでは約30Kmで最終のFinisterra岬までは
     さらに3kmあるので、OlveiroaからFinisterra岬まで行って町のAlbergeまで一日で戻るのは難しい
     (夕日を見る為に行く人もいるようです。)ので、ここでは途中のCee又はAlbergeがあるCrcubion
      までを一日とし、翌日にFinisterra岬を往復してFinisterraのAlberge泊まりとするのが無理のない
     予定と考えられます。
      OlveiroaのAlbergeを出て村道を歩き、谷になっている箇所へ降りてHospitalまで行きます。 
     HospitalからFinisterra方面とMuxiaへのルートが別れ、Finisterraへは原野に近い台地状の巡礼路を
     歩きます。 
      途中にはBarはおろか、人家も無い原野が約15Km程度続き最後のCeeに下る処でやっと大西洋を望む
     事が出来ます。 
     坂道を下りCeeの自動車道路へ出ると造船所やリゾート的なHotelも現れFinisterraが近くなって来るの
     が感じられます。
      Ceeの町にはHotelやHostalも数件有り、レストラン等も多く有るので宿泊には便利ですが、Alberge
     はCeeから2km程度Finisterra方面へ歩いたCorcubionへの巡礼路中の山側にあります。


     私の巡礼記  Ⅲ 2008年10月16日(木) 雨のち曇り

     Olveiroa(8:15)― Hospital (9:50)― Cee (13:20)

    
      昨夜からの雨は止まず、久しぶりにレインコートを着て雨を覚悟でAlbergeを出発する。 
     昨日は道を間違えてロスも多かったので朝の暗い時間は、数人の巡礼者と一緒に歩く事にした。
     Hospitaまでは一旦谷へ降りて橋を渡り、再び登り直すと自動車道路へ出た。
     ここにBarがあり皆さん一旦レイコートを脱いで朝食とする人が多いが、Barの小母さんはここから
     FinisterraまでBarもないので昼食のBocadilloやコーラ等を買って行けと商売上手である。
      再び雨の中を歩き出し、直ぐにFinisterraとMuxiaへの分岐点に着く。 
     ここで何人かはMuxia方面へ別れるが歩いている巡礼者も少なく数人を見送ったのみであった。
     自動車道路を離れると畑も高い森林も無い原野になり、何処までも続いている気がする。 
     休む場所もないので3時間程度雨の中を必死にあるいたが、やがて雨も小降りになり空も明るくなって
     きた。
      暫く歩くと前方で大声がするので何かと思っていると、前方が開け崖の下についに海が見えた。
     数人の巡礼者が写真を撮っているので、私もやっと写真を撮る為にザックをおろした。
     8月31日にフランスのルルドを出発して47日目になるかと思うが、ついに大西洋を望むところまで
     歩き通す事が出来たと思うと、サンティアゴの大聖堂前のオブラドイロ広場に出たときよりも大きな
     感動があった。
      木の上にカメラを置いて記念撮影をしていると、次第に雲が切れてきてFinisterra岬まで良く見える
     ようになってきたので、レインコートをザックに入れてCeeへの坂道を下った。
     Ceeの町は漁港と造船所もあり賑やかで、明日は晴れそうなので今日はここで泊まることにした。
     道路沿いにあり、巡礼者割引のあるホテルにザックをおいてレインコート等を室内に干して昼食とする。
      ホテルの食堂には一緒に歩いてきた巡礼中もいて、今日はここで泊まってしまうのかと冷やかされたが
     お互いに最終地が近いので和やかに一緒にビールを飲んで別れた。
     テレビの天気予報で明日の天気は晴れるとのことで安心して寝ることが出来た。

 

大西洋を望む Fisterra岬の遠望
  S-13  大西洋を望む   S-14  Finisterra岬を遠望




 2.4(b)  ETAPA3-b  Cee ~ Faro de Finisterra  へ (15..27km)

      Cee ― Corcubion ― Sardineiro ― Finisterra ー Faro de Finisterra

     CeeからFinisterra岬(Faro de Finisterra)は殆どがバス道路を歩くルートになっていますが、大西洋
    の海岸の終端であるフィニステラ岬(Faro de Finisterra)を望みながら歩く道は最後のルートにふさわしい
    道と言えます。
     Ceeの町からCorcubionまでは15分程度で、バス道路から山沿いの道に入ります。一旦バス道路を渡る
    とCorcubionのAlbergeがありますが、ここからは海を望むことが出来ません。
    坂道を下り、バス道路へ出るとSrdineiroの町を通ってまた山道に入ります。 この下り坂から岬を直ぐ近く
    に望むことが出来ますがバス道路を歩いても、Miradorを言われる観望の公園がありますのでいずれの道を
    歩いても良いかと思います。 
     Miradorから海岸への崖を下りFinisterraの町まで砂浜の散歩道を通って町中へ入ります。
    町から岬までは約40分(3Km)ですが岬が直ぐ近くに見えながら、なかなか着かない気がするのではない
    かと思います。
     Faro de Finisterraには巡礼路の最終地を示すモニュメントもあり眼下には大西洋が広がって、まさに
    地の果にふさわしい光景が広がります。
     Finisterraの町へ戻るとAlbergeはバス停の直ぐ隣にあり、サンティアゴからバスで来た巡礼者で賑わい
    ます。  この区間の巡礼証明書(Composterano)もAlbergeの受付で発効してくれます。


    私の巡礼記  Ⅳ  2008年10月17日(金) 晴れ
     Cee (8:30)― Corcubion (8:45) ―Sardineiro (10:15)― Finisterra (11:00)
                 ー Faro de Finisterra(11:50) ー Finisterra (14:00)



     いよいよ、最終日になった。 昨日の雨も夜半には上がり星も見えていたので安心して朝食を取り出発
    する。
    Corcubionから山道に入ると同じくCeeから出発した若いカップルの巡礼者に出会う。
    CorcubionのAlbergeは小規模な建物で、巡礼者も見かけなったが坂を下り自動車道路へ出ると数100m
    程度先に前を歩いている人も確認できる様になった。 Sardineiroの町から一旦山道を登る事になって
    いるが登り口が確認できずそのまま自動車道路を歩くと30分程度で公園と展望台になっているMiradorに
    着く。
    ここからのFinisterra岬の展望は素晴らしく、真っ青な空と紺碧の太平洋を望む絶好の最終日となった。
    巡礼路はこの公園の先に降りて来る道が確認できたが、どちらの道を通っても岬を望む展望は良いと思う。
    ここから海岸への崖道を下り、別荘風の家が何軒かあって砂浜の海岸に出ると波打ち際の散歩道で観光客や
    ここからサンティアゴへ戻る巡礼者と何人かすれ違うが、時々砂浜へ降りて久しぶりに海の感触を楽しみ
    ながら町へ向かった。
    Finisterraの町で到着したら飲む為に缶ビールを買って持って言うつもりであったが、朝早いためか開いて
    いる店はまばらで、しかたなくスポーツドリンクで我慢することにした。
    町中から岬までは約3Kmであるが、やや登り坂の自動車道路で、岬の灯台が見えながらなかなか近付か
    ないので気持ちだけが焦る。
    なんとか12時までには着きたいとサンティアゴからバスで到着した巡礼者と一緒に途中を休まず最後の
    道を歩きついに11時50分最終地のFinisterra岬へ到着した。
    靴のモニュメントがある場所で巡礼者のグループが巡礼用具を燃やしていたが多くはバスや車で来た
    観光客で巡礼路の最終地としては観光地の一角の様で残念な気がしたが、灯台の先の眼下から大西洋が広が
    りこれで巡礼路を歩くのも終わったと思うとサンティアゴ大聖堂へ到着した日よりも感慨が深かった。
    観光客にお願いして何枚かの写真を撮り、昨年に外秩父ハイキング大会完歩記念にもらった帽子をここで
    燃やす事にしたが、残っている日の中に帽子を投げ込んだら観光客の女性が「何故燃やしてしまうのです
    か?」と聞いてきたので、「今日で巡礼者(Peregrino)が終わり旅行者(Torista)になるので不要になっ
    た。」と答えたが気持ちを理解してくれたと思う。
    1時間程遊んで、Finisterraの町へ戻る途中で何人かの巡礼者に出会ったので、「Buen Camino ,
    Ultiomo 2Km」(最後の2Kmです)と声をかけるが、"Buen Camino"もこれで最後になった。
    Finisterra港の前にあるレストランで念願のパエリア(Paella)とビールで乾杯し、家族や友人に写メール
    を送った。 
    これまで多くの山歩きをしてきたが今回ほど充実した達成感は初めてであり、早くも出来れば別なルート
    で歩きたいと考えながら数人の巡礼者とAlbergeの受付を待った。

 

道標3 Miradorからの岬
  S-15   Finisterraへ向かう道路   S-16  MiradorからFinisterra岬
Fisterra岬への道路 岬の灯台

  S-17  町からFinisterra岬へ向かう道路

  S-18   Finisterra岬の灯台
 巡礼用具を燃やす 最終地の十字架
   S-18   巡礼用具を燃やす   S-19   巡礼路最終地の十字架
0KMポスト 港にて
   S-19   0Kmポスト   S-20   Finisterra港にて


   

                                                 貝2


 3. Camino de Finisterraの全体的な印象

    サンティアゴ市内からは、歩く人も少くなり巡礼路には1日50人程度であったと思うが、Negreiraの
   Albergeはベットの収容人員が24名であり午後の早い時間で満員になってしまうので夏の最盛期には宿泊に
   苦労するのではないかと思います。(注)
    巡礼路は1Km程度にキロポストがあるので判りやすいが、道路に矢印などは少なく道を間違えないように
   するのに注意が必要です。 また、以外にアップダウンのある原野の道で2日目、3日目は30Km以上に
   なるので思ったより手強いルートでした。
    余裕があれば、Muxiaへ周りゆっくりと海岸ルートを楽しむのも良いと思います。
   多くの人がサンティアゴ市内からバスで往復していますが、最後のルートを徒歩で歩きFinisterra岬に着く
   感慨は、また一塩の喜びを得られると思います。

    (注)2010年に市内に私営(Privado)のAlbergueが開設しました。

 

                                               以上

 

                                                                                                     貝2