なかにし礼氏を惜しむ

2020年12月23日に氏は逝去したという、82歳。歌謡曲の世界で、ひときわインテリジェンスを持った方であった。数々の作詞の中で、特に印象深いのは奥村チヨが歌った、「恋の奴隷(1969年)」だ。2番の「右と言われりゃ 右むいて とても幸せ~」というくだりである。何ともアナーキーな香りがあって、激しく揺さぶられた。小説家としても、「長崎ぶらぶら節」や「赤い月」などの作品を残した。氏の自由や平和を希求する背の伸びた姿勢は、いつまでも私たちの心に残るだろう。

2021年01月04日