友人たちの著作

プラスチック金型の基礎

著者:伊藤英樹氏(技術士応用理学部門)日刊工業新聞社(2011.1)

登場する主人公が上司・先輩との対話を通してプラスチック製品の設計の勘所を学ぶ。身の回りにはプラスチックでない製品を探すのが難しいくらいなのに、学校ではプラスチックのものづくりを学ぶことはない。会社に入って初めて「金型」なるものにお目に掛かり、パーティングやアンダーカット、ウェルドラインと言われても何のことやらさっぱりわからない。射出成形によるプラスチック設計について、基礎から量産までを対話形式で道案内いたします。(2020年著者)

プラスチック製品設計の基礎

著者:伊藤英樹氏(技術士応用理学部門)日刊工業新聞社(2016.3)

登場する主人公が上司・先輩・後輩との対話を通してプラスチック製品の設計の勘所を学ぶ。 前著「プラスチック金型の基礎」の続編。全体は2部構成となっている。1部ではプラスチックの基礎(金型・材料・成形)、成形不良、品質評価、原価などの設計に必要な知識を学ぶ。2部では「注文を取る」ところから「量産開始」までの設計に必要となる具体的なアクションを、実践的に学ぶ形式となっている。前著では新人だった主人公が、新たな新人へ指導する設定も興味深い。(2020年著者)

詳解 振動工学

著者:武田信之(技術士機械部門、工学博士) 共立出版(2010.1)

著者はその人柄にふさわしく、きわめてまじめで硬いテキストを執筆した。実は私も機械工学を勉強した者であり、企業で振動の問題を解析したこともあった。さて久しぶりの専門書を学生の気分で開いた。するとどうしても難しい数式も出てくるのだが、ストーリーとしても読める構成であり、読者のそれぞれの教養に応じて理解できるように配慮されている。(2011年紹介者)

 

The Madman, The Marathoner

著者:Junita Teschendarf (2010)

私の尊敬するDon Mcnelly氏(1920~2017)の人生、そして彼の人生を豊かにしたマラソンを描きつくそうとしたノンフィクションの力作。著者(愛称Nita)はDonと同じニューヨーク州ロチェスター市に住む。執筆中にDonとの交友や来日時の様子などの問いかけに答え、私も少しは貢献できたと思う。生涯マラソンという夢を共有する年上の友人の物語。「はじめに」に私の拙い一文がある。  (2010年紹介者)

その後2016年の年末にNitaから連絡があり、急遽渡米して快適な養老院で夫婦で暮らしているDonに、10年ぶり位に再会できた。そして残念ながらDonは翌年2月に96歳で亡くなった。彼の生涯マラソンは744回。89歳までマラソンを走った。 (2020年紹介者)

 

 

The McNelly Family Cookbook

著者:McNelly family(私家本、2006年)

表紙はEllen McNellyであり、Don McNelly氏の母である。かつて氏は母の手作りアイスクリームのことを話してくれた。「たらいいっぱいに氷を満たして、塩をがばっと入れる。かき混ぜるとどんどん冷たくなるので、そこでボールを冷やして中でクリームをぐるぐるとかき混ぜるんだ。これがたまらなく美味いんだなあ。」と80年前のOhio州Brookvilleの農場に思いを馳せた。

そんな料理上手だったEllenのレシピを子供や孫たちが記録した、家族の宝の本である。Appetizers,Soups,Side Dishes, Main Dishes, Sweets & Breads(もっとも記載数が多い),Piesと共にとっておきの思い出話から構成されている。(2010.9紹介者)

60歳で夢を見つけた

著者:増井光子(紀伊国屋書店、2005.4)

よこはま動物園ズーラシア園長の増井光子さんの自伝。出版の10年ほど前に、友人のDon McNelly氏と訪問し、しばし歓談をさせていただいた。Donも地元のCeneca Park Zooの園長(ボランティア)であったことがあり、その勢いでノーアポで扉を叩いたのだった。

増井さんはエンデュランスラン(乗馬による長距離トレイルラン)を愛好し、この人馬一体の競技は経験が大切、私にも優勝の可能性があると力説していた。また馬の働き場所を作り、大好きな馬の繁殖につながるのだと。我々がマラソン愛好者であることから、彼女の貴重な夢を語ってくださった。

ところが2010年7月に英国で、競技中の事故で急逝した。73歳であり、残念なことだった。Donからは、大好きなことをしていたのが、せめてもの慰めとのメッセージが届いた。(2010年紹介者)

JIS対応 機械設計ハンドブック

著者:武田信之氏(技術士機械部門、工学博士) 共立出版(2014.1)

たった一人で機械設計のハンドブックを書き上げるという、驚異の力作である。大変な情熱を維持して、数年がかりで脱稿したという。機械工学の分野は実に幅が広く、材料、材料力学、機械力学、機械製図と機械要素(これが実に多い)、熱工学、流体力学、さらに電気を含んでいる。全730ページ。(2020年紹介者)