菊 キク

イエギク 栽培菊 園芸菊  の育て方








菊とは  
菊の育て方/栽培のヒント
菊の増やし方  さし芽 株分け 種まき
菊の害虫や病気
株の更新は必要か? 
花芽分化とは? 

キクのイラスト 




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当サイトは 菊の栽培に興味のある<初心者>の方を対象にしています。

菊 とは?  ー  イエギク 栽培菊 園芸菊

キク科キク属 。  一般に 「菊」 とよばれているものには野生種はありません。
菊とは狭義で 栽培菊 イエギク 園芸菊 などと呼ばれているものをさします。  
英語名:  chrythanthemum 略して mum ですが florists' daisy も使われるようです。

とても日本的な花という印象ですが 中国で5−6世紀に 二種類の野菊の交配によって生まれたとされ  平安期に日本に渡来したとされます。     しかしこの説は支持する方々がやや多いというだけで 決定的なものでもないようです。
日本にはノジギクなど固有のキク科キク属の野菊が幾つか自生し それらに起源があると主張される研究者も少なからずおられます。
現在のイエギクには 先端の花首の付き方 葉の形状など 日本の特にノジギク固有の特徴を色濃く持つものも多く ノジギクの遺伝子が混入したことは 確かです。    こうしたノジギクとの交雑種は 小菊だけではなく 仏花や切り花用の中型の菊にまでも至っています。
中国からの渡来のもの 日本の野菊が起源になったもの のどちらか一方が祖先であるというのではなく  両者は簡単に交雑することもあって 両者が入り混じって改良されて ゆき今日の ”日本のイエギク群” が形成されてきたとするのが妥当です。    こうした過程から日本の菊は中国のものとは別物になっ てゆきました。

ヨーロッパには幕末から明治期に 日本の菊 がもたらされました。  中国の菊も持ち込まれたのですが評価が低く  日本の菊のみがもてはやされて様々な品種が生み出されてゆくことになりました。
現在では 菊は本場の日本よりもむしろ 欧米での方が評価が高く バラ  カーネーションと並んで 世界三大切花   ともいわれるほど大きな存在になりました。   その気品のある美しさが高い人気を博しているのです。   欧米各地で菊フェスティバルも よく催されています。
なお欧米では日本で 中菊 とよばれているサイズのものが最も菊の美しさを発揮するものとして愛好されていることを知ってください。
日本にもヨーロッパで改良されたものが mum のついた名でよく輸入されていますが 元は日本の菊であったことを知らず 西洋菊 として 別種のものと思っている方々が多いようです。 

最近では かっこよいカタカナ名の西洋種の花々のみを愛好し 日本古来の花たちを粗末に考える方々が多くおられるのは残念な ことです。   園芸専門家と称する人達までが 洋花かぶれ な方々が多いのは残念です。
日本から世界にもたらされ その美しさで人々を驚かせて西欧で園芸種に改良されていった花々は少なくありません。
菊以外に2−3の例をあげますと ヤマユリ (百合の女王カサブランカを生み出す)  アジサイ(西洋アジサイを生み出す)
ツツジ/サツキ(azalea アザレアとなる)等があります。  
誇りを持って日本発で今や世界の花である <菊  Kiku クリサンセマム> を育てて頂きたいものです。


日本で見られる菊はおおまかに分けて次のようになります。
大菊   ・・・   花径10センチクラスのもの。  
中菊   ・・・   切花 仏花などにされる最も一般的なもの。
小菊   ・・・   花径1−3センチの小さなもの。 

西洋菊 ・・・    ヨーロッパで改良されたもの。
スプレー菊  ・・・ アメリカに渡って改良されたもの。 上部で数多くの花を咲かせる。   また 秋以外の春や夏にも開花するものもある。

当ページでは最も一般的な 「中菊」 「小菊」 「スプレー菊」 に或る程度共通した 育て方 などについて記述します。 
大菊 はごく限られた人達のみに愛好される特殊な菊なのでここでは省略します。

菊の育て方  (菊の栽培のヒント) 
日当たりが良く 水はけ 風通しの良い場所に植えます。  ことに日照は大切で 一日最低2−3時間、 出来れば半日ほどは得られる場所を選びます。 
菊類は酸性土壌での生育が適切なので コンクリートのそばなどアルカリ性の強い場所はなるべく避けます。    やむを得ない場合は 鹿沼土などで 弱酸性化 すると元気に育ちます。
それ以外では特に土壌はえらびませんが 腐葉土を混ぜることをお勧めします。

肥料はいわゆる 三要素(窒素 リン酸 カリ)をバランス良く含んだ良いものが市販されています。 緩効性(ゆっくり効くもの) のものを月に一度くらい与えます。 
肥料は与えすぎると 株が巨大化して水分が十分行き渡らず 下の方の葉が枯れやすくなるのでご注意ください。

人工照明があまり明るく当たる場所は 花芽をつけないことがあるのでなるべく避けてください。  理由は後述します。   

鉢植えの場合も育て方は同じですが 草丈が高くなり過ぎないように注意を払ってください。   高さを抑えるために 摘心や切り戻しをするのも方法です。 
なお 露地栽培 鉢栽培をとわず夏場は水不足にならないように配慮します。  水不足になると多くの葉が枯れてしまいます。 


摘蕾  (てきらい)
中菊(切花や仏花用)など一株に1−2個のやや大きい花が欲しい場合は 摘蕾をします。  
<摘蕾とは>
多すぎる蕾を摘んで 花の数を制限すること。

摘心
全く反対に多くの花を咲かせたいなら 摘心 をします。  特に多くの花が求められるスプレー菊の場合は摘心が必須です。  小菊の場合も花数が求められるようなので 摘蕾をせず 摘心をします。
<摘心とは> <摘芯とは>
成長芽といわれる先端の芽を摘み取ることです。   すると側芽が2−3本発芽してきてそのぶん2−3倍ほど花の数が多くなります。    キキョウなどと同じですね。  

切り戻し
上記の摘蕾 摘心 とはニュアンスは違いますが 株が大きくなり過ぎたら夏季に思い切って 茎や枝を短く切ってしまうやり方です。    しかし株が矮小化し過ぎるなど失敗も多いので初心者にはあまり推奨できない という意見があります。


害虫
菊科は害虫がつきにくい植物なのであまり神経質になる必要はないものの 主に下記の害虫がつきます。
   アブラムシ ・・・ ゴマ粒大の害虫で群がって汁液を吸う。  スミチオン DDVP といった薬品が園芸店で売られています。
   ダニ (花 葉) ・・・ 葉裏につく微小なクモ類。 ケルセンという薬品が売られています。
   ネキリムシ ・・・ 2−3cmのガの幼虫で土中にひそんで茎を食い荒らします。 土をかき分けて捕殺します。
他に キクスイカミキリ という4−5月頃に飛来し 芽の先端から数センチ下に噛み傷を作り タマゴを産み付けて芽先を萎れさせる害虫があります。  やられたら萎れた部分やや下 から切り捨てます。  ネットなどをかぶせるしか予防方法はありません。    

菊の病気 ・・・ 長くなるので別ページに  → 
<菊の病気>のページへ 

 
菊の増やし方  (ノジギクなど野菊も同じ)
(1)  株分け。 
(2)  春にやや育ってからの さし芽。   
(3)  種まき。  12−1月に種を採取し 4月下旬ー5月に蒔きます。 

<株分け>
秋に花が終わると普通は茎を根元でカットします。  すると季節はずれの晩秋に周囲から新芽が出ることがあります。    これを 冬至芽 といいます。
この 冬至芽 を親株から切り離して植えつけます。   根は少しついた状態であればじゅうぶん育ちます。   (冬至芽は出ない場合もあります)
もしくは春になって新芽が芽生えた頃に 根を幾つかに分割するかたちで植えつけます。  
しかし菊を増やすのに 株分けはあまり推奨しない という意見が多くあります。  
菊の寿命自体が短い上に 親株の病気を引き継いだりするからです。 要するに栽培菊の場合 株分けはあまり良い増やし方ではないとされています。
ただ 芽つけの失敗は少なく 必ず年内に花を咲かせるという利点はあります。
なお ノジギク など野菊の場合は株分けは一つの良い方法です。

<さし芽> (さし木)(挿し木)
増やし方として さし芽(さし木) がいちばん適切とされています。  この方法だと菊を新しく生まれ変わらせるからです。
時期は芽が育って茎の長さが15センチ以上に伸びてからで 5月頃が最適です。  15センチ以上ならいくら伸びてもかまわないので秋までは挿し芽は可能です。   しかし6月以降の夏場は葉からの水分の蒸発が多くなり 茎の揚水能力が追いつかず葉や芽が枯れやすくなるため 成功率はかなり下がります。
方法は下のイラストを参考にしてください。

ノジギクのさし芽



成長芽 といわれる茎の中心部を 先端から7−8センチ以上の長さで切り取ります。  短すぎるとうまく根ずきません。    先端を切られた茎にはまた新しい芽(側芽)が育ちますので心配はいりません。   
切り取った芽はなるべく早くさし芽にし水を十分与えます。  直ぐに挿す限りは  水揚げ を行う必要はありませんが心配なら二時間ばかり してください。  
≪ダンゴ挿し≫ 
しかし菊は種類が多く 中には生命力の弱いものもあり 以上で述べた方法ではダメな場合が少なからずあります。    その場合を考慮し 失敗の少ない挿し芽(挿し木)の方法として ダンゴ挿し という方法があります。 
  CLICK → 
ダンゴ挿しの方法

当初はビニールポットで日陰で育て 徐々に陽に当ててゆき  一ヶ月以上たって根が十分成長してから移植するのが無難です。  園芸業者でもないので 一ポット当たり一輪だけ にするほうが安全な移植に適します。
移植時に茎が万一折れてもそのまま植えてください。  根があるかぎり必ず新芽が出てきます。
<註>  すでに花の咲いた菊は理論的には挿し木にはできません。  しかし花や蕾を全部切り取って しまうとその菊はまだ成長中と錯覚を起して根を生ずる場合があります。   成功率は低いのですが 良い花を咲かせて いる切り花を約10センチずつに切って試してみてはいかがでしょうか。   その場合大きすぎる葉は半分ほどに切り 肥料をあまり含まない きれいな土にさしてみます。
<種まき>
面倒に思われるかもしれませんが意外に簡単です。
<方法の一例> ・・・ビニールポットに園芸用土を入れて湿らせ 枯れた花をすりつぶして適当に蒔き 5ミリ程土をかぶせます。
そっと水遣りをするうち 一週間ほどでたくさん発芽してきます。   葉が3−4枚になってから ピンセットなどでそっとつまみ ゆったりした場所に植え替えます。 
或る程度育った後は急速に成長し さし芽をしたものを追い抜いてしまいます。
菊は寒さに強い植物ですが 種の発芽のためには 15−20℃と温暖な気温が必要です。 地域によりますが 4月中旬ー5月中旬と限定されます。
なお種まきについては 初心者向けに方法の一例を述べたイラスト付のメモを作成していますので自信の無い方はごらんください。 
  クリック →  <菊類の種まき方法の一例>

元気の良い株なら一ヶ月間は楽しめます。  
冬になり株が枯れてきたら根元からカット(切り戻し)をして 春の新芽の芽生えを待ちます。  (先に述べたように 冬至芽 が出る場合があります)。 
根は成長しますので翌春は前年より多くの芽生えがあります。  (地下茎を伸ばして自己増殖し  株はだんだん大きくなってゆきます。) 
どの方法で育てる場合でも 二年目以降は株が大きくなる場合のことを考えて 30−40センチ以上離して植えてください。
ただし 下で述べるように菊の場合は 株を毎年更新した方が良いという意見が多いのです。   つまり植えっぱなしではなく 年ごとに株をいちから作りなおす ということなのです。




株の更新は必要か?>

野菊ではなくイエギクの場合は さし芽(さし木)などで株を年々更新するほうが良いといわれます。   また必須ともされます。
古株になると
    花が小さくなったり
    先祖帰りして別の花に変わったり
    病気にかかりやすくなったり
などといった理由があるからです。   菊に限らず こうした障害は人が品種改良をしてきた植物に特有の問題です。 
株分け があまり推奨されない理由はここにあります。
一年ごとに株を更新していくかどうか  は栽培される方の判断や考え方によるのですが・・・。

花芽分化

花芽分化 とは細胞群が株を成長させる方向(栄養成長期)から 花芽をつける方向に変わることをさします。   菊類は 短日植物 といって昼間の長さが一定より短くなる時期に花芽分化が始まります。
秋の彼岸頃が境目になります。
ついでながら 花芽分化がおきるまでは さし芽 が可能です。
人工照明があまり明るく当たる場所は夜が訪れないため 花芽分化が起きないことがあるので なるべく避ける必要があります。
逆に人工照明を利用して花期を調整することが専門家などによって行われます。  栽培に慣れたらチャレンジしてはどうでしょうか?
ただし 春咲 夏咲をさせるスプレー菊 の場合はこの概念は少し違ってきます。  この菊の場合 あまり色んなケースがあるので今回は省略します。

中菊 小菊 スプレー菊 の育て方をおおまかに述べてきましたが 実際には菊の種類によって違った対処が必要な場合が多くあると思われます。    最も大切なのは栽培される方それぞれの経験による適宜な判断であることをご理解ください。



日本発の菊は 今では世界中の人達に愛され賞賛されるに至った素晴らしい花卉です。   誇りを持って美しく気品の高いこの花を育てて頂きたいものです。  



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