うるうるのホームページ ヴィエリチカの地下宮殿
ヴィエリチカ岩塩坑内にある地下礼拝堂

ヴィエリチカ岩塩坑

ポーランド第2の都市クラクフのすぐ郊外にあるヴィエリチカという町にポーランドでもうひとつ有名な世界遺産である 「ヴィエリチカ岩塩坑」に入った。ここは3000万年前に海だったところが干上がってできたと言われていて、 12世紀ころから採掘が始まり、その塩が当時のポーランド王国の財政を支えるほどである。

ヴィエリチカ岩塩坑入口

4層構造の珍しいエレベータ(8人の部屋が4つ縦につながり、地上では4層いっぺんに乗れるが、地下では1層ずつ 少しずつエレベータを微調整して4回に分けて乗り降りするそうだ)で、地下1階(といっても地下64m)まで向かう。 鉱山用のエレベータなので、網の向こうには掘った穴が直接見えている状態である。エレベータを降りた後、 歩いてどんどん深い方向へ向かっていく。坑道は広めで圧迫感はほとんど感じなかった。坑道の壁はもちろん 塩で、なめるとしょっぱかった。所々に広い空間があり、 当時の職人が塩で彫った彫刻や、当時の設備(馬で岩塩運搬装置やトロッコを動かしていた)が復元されていた。
塩の壁 コペルニクス像
壁はもちろん「塩」 職人が彫った「コペルニクス塩像」
女王像
この地の伝説を描いた塩の像 当時は人か馬の力で運び出す

圧巻は、地下に作られた巨大な空間にある礼拝堂で、天井からは塩で作られたシャンデリアが吊るされて いたり、周囲の壁にはキリストの生誕や最後の晩餐などが岩塩で彫られていた。これらも当時の職人が仕事の合間に 作ったそうである。この空間だけは撮影は有料で、係員にお金を払って証明のシールを服に貼ることで 撮影が可能である。 ちなみに、サラリーマンのサラリーは「塩」を表す言葉だそうで、昔はそれほど塩や貴重だったようだ。

キリスト生誕 最後の晩餐
塩で彫られた「キリストの生誕」 「最後の晩餐」

その後もどんどん深い方向へ進んでいくが、途中にはお土産コーナーなどの休憩場所やチャペル、バーなどもあった。 実際に歩いたのは2キロほどだそうだが、入れない部分を含む坑道の総延長は300キロくらいあり、クラクフからワルシャワまでの距離に匹敵するそうだ。 見学での一番深い箇所は約地下135mくらいのところで、そこから先ほどのエレベータ(地下2階?)から地上に 上がり、見学を終了した。
ちなみに、岩塩坑は年間を通して気温が一定で「サナトリウム効果」と呼ばれる癒しの効果があるようで、 それまでずっと頭が重い状態が続いていたのが、入ってしばらくするとその重みがすっかり取れた。どうやら その恩恵に与れたみたいだ。