1−1位置図 1−2地形地質概要 1−3偏光顕微鏡写真集 1-4《まとめ》.岩石写真とその特徴1 1−5《まとめ》岩石写真とその特徴2 1-6調査結果のまとめと考察 (参考)岩石区分図

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斑岩類4

先ほどの貫入岩はやや下流の川中にも見られた。下の写真は黒っぽい岩石の中に白い斑岩を取り込んだもので、右側境界部分は直線的で明瞭なのに対し、左側は境界が不明瞭で混合しているようだ。 
右の写真のスケッチ。走行は東西から東北東、傾斜は垂直。番号は岩石番号。 (上の写真を上手方向から撮った写真)
ペン先が斑岩と灰黒色岩(火砕流堆積物)との境界。
上の写真より10mほど北東に見られた斑岩に貫入している灰黒色岩(火砕流堆積物)。幅は30cm、小断層で変位しているが、走向はN42 °E、85°N.。岩脈に対し直角方向に小さな亀裂が多数走る。(走向はN50 °W、55°E.)
岩石No.21(9829042)-石英斑岩
25×オープン 25×クロス
(肉眼観察)暗紫灰色。細・中粒の結晶が認められる。灰色や暗色、紫色、それらの混合した色などまだら模様を呈する。これは灰黒色眼と斑岩との混合しているためか?また、明灰色の2cmほどの岩片を取り込んでいる。No.22(921608)のような明瞭な黒色ではない。白っぽい色は長石の粗粒な結晶のようにも見える。
(顕微鏡観察)
 組織は石基が主に細粒結晶からなり、中粒結晶や1mm程度の斜長石の斑晶が点在する。細粒結晶は半自形〜多形の斜長石と他形の石英からなり、量的には半々程度の割合である。岩石片もかなり多く含んでいるとみられる。
 写真のオープンでは大きな結晶粒がみられ、その間に隠微晶質な基質が見られるが、クロスでは大きな結晶粒はみられず、隠微晶質な基質や細粒結晶が広がっている。つまり、オープンでみられる白っぽい拡がりは岩石片と考えられる。岩石片の結晶と基質の結晶が全く同じなのだ。
岩石は石英斑岩、あるいは花崗斑岩といえるだろう
採取岩石の写真 (推定岩石名)石英斑岩


岩石No.20(9829043)-火砕流堆積物?(岩脈)
上10、下25×オープン 上10、下25×クロス
(肉眼観察)黒色岩と白色岩との境界。薄片は黒色岩。黒色岩の基質は肉眼で識別不可。黒い基質の中に細粒の結晶が散在する。白色岩は硅質な基質で、大小いろいろな結晶を含んでいるようである。
(顕微鏡観察)
組織は石基が隠微晶質で、その中に細〜中粒の結晶が非常に多く散在し、石英の斑晶もある。また、石英斑岩とみられる岩片や石英の結晶からなる岩片も多く含んでいるようである。結晶は石英が多く、次いで斜長石。基質は流離構造を示している。石英斑岩に似た火砕流堆積物と見られる。
 写真上は中央部の黒い部分とその上の細長い結晶が岩石片、下の写真はその拡大。
 岩石は石基が隠微晶質なので半深成岩と見られるが、非常に多くの細〜粗粒の結晶が散在していることから火砕流堆積物とした。
採取岩石の写真 (推定岩石名)火砕流堆積物


岩石No.19(9829041)-石英斑岩
10×オープン 10×クロス
(肉眼観察)
明青灰色。のっぺりした硅質な基質に0.1-1mm程度の透明な斑晶が点在する。
(顕微鏡観察)
組織は隠微晶質な石基の中に、自形の斜長石や融食を示す石英などの細〜粗粒な多くの結晶を含んでいる。但しカリ長石は明瞭には認められなかった。隠微晶質な基質は干渉色が薄暗くガラスを含んでいるのかもしれない。熔結した感じはない。結晶粒は多く、岩片も含む。変質鉱物が多く変質が進んでいる。
 写真は中央部の明るいのが2個とも斜長石、その右上に三角形の岩片が認められる。基質は隠微晶質な結晶。
採取岩石の写真 (推定岩石名)石英斑岩

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