旧型トロリーバスの世界 |
上海/ 中国 |
撮影: 2002/10, 制作: 2014/12, 改訂: 2019/12 |
2002年の訪中時には、静安寺のほかに老西門の[11]路や浙江北路の[15]路などに乗車することが出来ました。これらの系統では前作でご紹介した上海客車製の旧型車、SK5105GPが走っていました。一方、目抜き通りを走るメインの系統、[20]路には新車の導入が始まったところでした。 |
Shanghai trolleybus in 2002 Laoximen 夜の老西門です。見知らぬ土地でおそるおそる三脚を立てて、長時間露光しました。 現在[11]路には停留所ごとに充電するスーパーキャパシティーバスが走っています。また、この場所は拡幅されてしまったため、当時の面影はありません。 |
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老西門は「上海県城」と呼ばれる旧市街地にあります。その歴史は千年も昔に遡るそうですが、明代になって倭寇の襲撃から街を守るために円形の城壁が作られました。 今は城壁はありませんが環状の道路が残っていて、循環系統の[11]路が走っています。次の地図をご参照下さい。 |
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「上海城市交通図」(部分) 2002年, 上海科学技術出版社発行 |
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地図の上部にある人民路とその延長の中华(中華)路で構成される環状道路が、昔の城壁に沿って造られています。有名な 観光地、豫園もこの旧市街地にあります。老西門の文字が中華路と復興東路の交差点に青字で示されています。 左上の鉄道は1995年に開業した地下鉄1号線、右下は当時計画中の4号線です。 |
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Zhejiang Beilu ところ変わってここは浙江北路です。屋根の上に出窓が張り出したユニークな店舗兼住宅の前を、[15]路のトロリーバスが走っています。 |
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とにかくごちゃごちゃした街並で人が多く、撮影している者にはお構いなしです。これは度重なる失敗の末にやっと撮れた1枚。 |
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この先にある海寧路は拡幅中で、[15]路は上り下りとも浙江北路を走っていました。現在とは経路が大きく異なります。 |
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浙江北路を南に下って蘇州河を渡ったところです。市内は高層ビルが建ち並ぶようになりましたが、この区間は今も昔のままで、お勧めの撮影ポイントです。走っているのは[14] 路、上海で最も古いトロリーバスの系統です。 |
Xizang Zhonglu ここは北京東/西路、新閘路、及び西藏中路が交わる五叉路の交差点です。北京西路から東進してきた[19]路が西藏中路へ入って行くところです。尚、現在の[19]路はそのまま北京東路へ直進しています。西藏北路は拡幅されて大きく変貌していますが、後ろの青ガラスのビルは現在も残っています。 |
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上掲の写真と同じ場所です。今度は西へ向かう[15]路が西藏中路から出てきました。 2階建て車両で運行されていた路線バスの[916]路も、なつかしい光景です。 |
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交差点の反対側から撮影しました。北京西路から右方向、西藏中路へ向かう[15]路です。 |
Xinzha Lu 五叉路から新閘路を西へ500mほど行ったところです。近くに地下鉄1号線の新閘路駅があります。当時この区間を走る[19]路は東行きの系統だけで、西行きは北京西路を走っていました。 |
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Jiujianglu Waitan 最後にご紹介するのは、九江路外灘の[20]路ターミナルでです。黄浦江に沿った外灘の表通りから1筋入ったところにあります。 バックに見えるのは東方明珠タワー、1994年竣工のテレビ塔です。 |
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周辺には租界時代の建物が多数保存されていて、戦前にタイムスリップしたような雰囲気が漂っています。中国建設銀行の看板がある背景のビルは、日本の旧三井銀行、右端は旧三菱銀行で、いずれも1934年に建てられました。 車両は申沃客車製の新車、SWB5105 KGP-3の2号車です。 |
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夜の九江路外灘です。明珠タワーが近くに見えますが、黄浦江の対岸にあります。バックに見える明るいビルは、旧露清銀行です。 この車両は上海客車製のSK5115GP -3で、[20]路の主力型式でした。 |
「上海城市交通図」(部分) 2002年, 上海科学技術出版社発行 外灘周辺です。人民公園で地下鉄1号線と2号線が交差しています。「河南中路站」と書かれているのは、現在の南京東路駅です。2号線の地上が南京東路歩行街になったため、[20]路のトロリーバス路線が九江路に移設されています。また、人民公園を貫いて九江路が延長されていることも分かります。 蘇州河が東西に湾曲しながら流れていますが、その北側に浙江北路があります。西藏中路の五叉路や、[19]路を撮影した新閘路の場所も示されてますので、併せてご参照下さい。 |