[19]路 |
上海/ 中国 |
撮影: 2008~2013年, 制作: 2015/5, 改訂: 2019/12 |
上海トロリーバス[19]路は、普陀区の普陀路/江宁路と楊浦区の唐山路/通北路とを結ぶ11.3 kmの系統です。英国の上海電車公司の手によって、1926年に開業しました。当初は宜昌路(普陀路の近く)~人民路でしたが、1950年に昆明路まで延長され、ほぼ現在の姿になりました。1972年に西側の終点が澳門路に変更されていますが、現在の終点は普陀路にあります。また2004年に、東側の終点が通北路まで延長されています。 |
上海科学普及出版社発行、2007年版「上海城区交通図」(部分)の上に、2010年当時の[19]路の経路を記入しました。①普陀路、②泰興路、③天潼路、④唐山路、⑤通北路の順に、ご紹介します。 |
Shanghai trolleybus route 19 Putuo Lu ① 西側の終点、普陀路のターミナルです。江寧路から西へ入ったすぐのところにあります。左にある緑色のボックスが、運行司令所です。 (2010/7/29) |
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マンションが林立する現在の姿からは想像できませんが、戦前この付近は綿紡績の工場地帯で、日本の内外棉会社を筆頭に、巨大な工場がいくつもありました。 旧上海県城の人民路との間に、トロリーバスの路線が設定されたのは、工員輸送のためと思われます。 |
Kangding Lu ② 江寧路と泰興路の間は、東行きが康定路、西行きが武定路をそれぞれ経由します。 写真は康定路。近くには教会があり、古い街並が続く、落ち着いた雰囲気の通りです。 (2013/12/23) |
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Taixing Lu 泰興路を北上する[19]路を逆光で撮影しました。 武定路の交差点付近です。 |
上掲と同じ場所、こちらは順光で捉えました。 |
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東行きの[19]路が泰興路から出てきて、広い新閘路へ左折するところです。 |
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Henan Beilu ③ 北京東路/河南北路の北西角にある乾通金属大楼、 1933年に竣工した旧国華銀行です。 (2012/12/25) |
河南北路を下る[19]路が蘇州河を渡るところです。背景に七浦の服飾城が見えます。 |
河南北路/天潼路の交差点です。ここから[19]路は、画面奥の天潼路を走ります。 ※七浦服飾城や天潼路のこの付近については、上海トロリー散歩(5) で[25]路をご紹介しています。 |
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Tiantong Lu 天潼路にある上海市郵政総局のビルです。 1924年に建てられました。現在は、郵政博物館が併設されています。流れるような達筆は、江沢民氏の揮毫です。 |
天潼路/四川北路です。 背景は1934年創建の新亜大酒店ですが、近くで見ると、とてつもなく大きな印象を受けます。[25]路の終点がこのビルの裏側にあります。 (2013/12/23) |
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天潼路/乍浦路の北西角にある飄鹰(Piaoying)大酒店です。1929年に建てられました。 天潼路から乍浦路へ右折するためのトロリー線が写っています。かつて[25]路の終点が乍浦路にあったときの名残です。 |
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天潼路一帯は、戦前に米国租界となっていた場所です。また、その周辺の虹口地区は列強の共同租界になっていて、日本人も多数生活していました。外灘ほど有名ではありませんが、往時の姿を残す歴史的建築物が、多数保存されています。 (2008/7/14) |
天潼路/乍浦路から呉淞路(Wusong Lu)方向を見ています。北側に古い3階建ての住宅が続いています。 (2013/12/23) |
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呉淞路を南下してきた[19]路が、右折して天潼路へ侵入するところです。背景に写っている高架道路は、蘇州河をまたぐ呉淞路閘橋です。外灘と虹口地区を結ぶ大動脈でしたが、2010年に外灘隧道が完成して撤去されました。この結果、外白渡橋付近の歴史的景観が大きく改善されました。下掲の地図をご参照下さい。 現在この交差点に立つと、実に広々としています。 (2008/7/14) |
2007年版の地図では、南北に走る吴淞(呉淞)路が蘇州河を越えて外灘の中山東一路に繋がっています。 |
→ | 2014年版の地図では、吴淞路は蘇州河で行き止まりになっていて、点線で示す隧道が出来ています。 |
Tangshan Lu ④ 唐山路/高陽路のバス停です。唐山路には[25]路も走っていますので、ここはすでにご紹介した、おなじみの場所です。 (2010/7/29) |
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唐山路/公平路を走る[19]路です。この先を入ったところが、2004年以前の終点になります。 (2008/7/14) |
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Zhoushan Lu 2004年11月まで、[19]路の東の終点は昆明路/海門路でした。その場所は下海廟の門前で、現在はバス路線[155]路の発着場になっています。 写真は、舟山路に残っているトロリー線です。転回用に使っていたと思われます。 上海の各地には、このように使われなくなったトロリー線が、随所に残っています。 |
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Tongbei Lu ⑤ 唐山路から保定路を上り、周家嘴路を東に進むと、終点の通北路に着きます。この場所は周家嘴路から南に入ったところですが、唐山路の一部です。行き止まりの道路で、広場のようになっていています。 ※通北路からは、廬浦大橋行きの[17]路が出発していますが、残念ながら2007年にディーゼル化されました。 (2010/7/29) |
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唐山路/通北路のターミナルを出発して周家嘴路(Zhoujiazui Lu)へ出て行くところです。 車両は、杭州客車製HZGWG100Kで、2006年製です。正面のライト配列がツリ目になっているのが特徴です。バンパーのところにH0A-001の記号が見えます。H0Aは会社の型式(社番)で、その1号車です。 |
References: |
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%85%AC%E4%BA%A419%E8%B7%AF |
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E6%BB%A9%E9%9A%A7%E9%81%93 |