[20]路 (1) |
上海/ 中国 |
撮影: 2010~2013年, 制作: 2015/9, 改訂: 2019/12 |
上海トロリーバス[20]路は、長寧区の中山公園と黄浦区の九江路外灘とを結ぶ、全長7.7kmの路線です。上海の中心部を走っていますので、ご覧になったり、乗車された方も多いと思います。 [20]路は英国企業の上海電車公司によって、1928(民国17)年9月に開業しました。当初の区間は兆豊公園(現中山公園)~静安寺でしたが、1939(民国28)年に東側が外灘まで延長されています。その時のルートは、愚園路~烏魯木斉路~南京路~陝西路~威海路~福州路を経由していました。外灘の終点は「海関」、つまり税関前でした。 一方南京路には、同じ上海電車公司によって1908(光緒34)年2月に開業した、有軌電車(路面電車)がありました。1963年8月にこの路面電車が廃止され、トロリーバスの[20]路が代替路線として、経路を変更して南京路を走るようになりました。その後1999年に南京東路が歩行街になったため、現在は九江路を走っています。 すでに[20]路については、1980~2000年代初期の写真を披露しています。これからその後に撮影した写真を、3回に分けてご紹介して行きます。今回は外灘付近をご案内しましょう。 |
上海科学普及出版社発行、2010年版「上海城区交通図」(部分)の上に、[20]路の経路を緑色のラインで記入しま した。ルートのほとんどが、地下鉄2号線に沿って走っています。 |
「腾讯地图」の上に、外灘付近のトロリーバスルートを記入しました。 緑: [20]路 黄: [14], [19]路 茶色は現在使われてないトロリー線の遺構です。江西中路のトロリー線は南側が延安東路で切れていますが、2000年代初期には老西門まで繋がっていました。 |
Shanghai trolleybus route 20 Nanjing Donglu (Waitan) 外灘にある終点のループを、四川中路から南京東路へ右折する[20]路です。1999年に南京東路は河南中路以西が歩行者天国になりました。このためトロリーバスは九江路経由になりましたが、この区間は昔のままです。 (2012/12/25) |
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Zhongshan Dongyilu (Waitan) 1992年に、黄浦江に沿って走る中山東一路からトロリー線が撤去されました。現在は、わずかに[20]路を転回するためのループが残っています。 (2012/12/24) |
外灘は上海を代表する観光地で、租界時代に建てられた貴重な歴史的建造物が、見事なまでに保存、活用されています。 背景は1906年に建てられた和平飯店の南館、旧パレスホテルです。外灘で最も古い建物の一つで、蒋介石と宋美齢が結婚式を挙げたことで知られています。 |
[20]路は中山東一路を1ブロック南へ走って、招商銀行の角を右折、終点の九江路へ向かいます。冒頭の写真もここで撮影しました。 |
←終点の九江路外灘です。周辺は銀行や証券会社が並ぶ金融街です。背景に見える明珠タワーは、黄浦江の対岸にあります。 (2010/7/23) |
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←[20]路には上海申沃客車製の車両が使われていました。 ↑左掲の社番KGP-316号の製造銘板です。 型式SWB5105KGP-3、2003年7月製造が読み取れます。出廠編号316をそのまま社番にしており、大変興味深いものがあります。 |
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Shanghai trolleybus route 20 Jiujiang Lu Waitan 九江路外灘から西の方向へ出発するところです。 |
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上りの[20]路が九江路の終点から出てきたところです。下り便はこの角を左へ曲がって、ループを一周します。背景の赤煉瓦は安利大楼、1937年創建のオフィスビルです。 (2012/12/24) ↓下掲の2枚も同じ場所で撮影しています。 右の角は、1916年建立の旧徳華銀行です。 (2010/7/23) |
Jiujiang Lu/ Jiangxi Zhonglu 九江路を一筋西へ進むと江西中路の交差点に至ります。 ↓この角に1869年に建てられた聖三一基督教会があります。租界時代を象徴する英国国教会の礼拝堂です。ちなみに「三一」とは、三位一体(trinity)を意味します。オフィス街に囲まれていますが、ここだけは静寂な緑に包まれています。 (2012/12/24) |
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教会の前の九江路を走る[20]路の後ろ姿です。比較的狭い道路に石造りや煉瓦の建物が並んでいて、大変趣きのある風景が続きます。 |
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同じく九江路/江西中路の交差点です。2階部分にアーチのある石造りのビルが素晴らしい雰囲気を醸し出しています。 よく見ると狭い江西路に、複線の架線が残っています。かつて[16]路と[17]路が走っていたトロリー線の遺構です。 |
上掲トロリー線の遺構は、南京東路の一部と江西中路に残されています。その場所は、前掲の「腾讯地图」をご参照下さい。 この写真は北京東路/江西中路の交差点です。2条のトロリー線が左の北京東路へカーブしているのが見えますが、これは旧[16]路のルートです。また、2005年まで北京東路には[21]路も走っていましたが、その架線は撤去されています。 背景のビルは1921年に建てられた寧波の四明銀行です。湾曲したコーナーにバルコニーがあるユニークな建築物です。 |
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Jiujiang Lu/ Henan Zhonglu 拡幅された河南中路を横切る[20]路です。このあたりでも後方に明珠タワーが見えます。 (2010/7/23) |
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同じく河南中路の交差点で西を見ています。背景のガラス張りのビルは宏伊国際広場、その奥がショッピングモールの353広場です。前身は中国系百貨店の中国国貨公司で、九江路から南京東路歩行街まで続く巨大な建物です。 ※353広場は2014年5月に悦荟 (Yuehui: MOSAIC)に改名しました。 |
References: |
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7 %E5%85%AC%E4%BA%A420%E8%B7%AF |
http://www.shtong.gov.cn/node2/node2245/node4516/node 55031/node55107/node55123/userobject1ai42388.html |
http://www.shtong.gov.cn/node2/node4/node2249/node 4412/node17439/index.html |
http://www.mosaic-mall.com/dyna/index/home |
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A3%E4%B8%89%E4% B8%80%E5%A0%82_%28%E4%B8%8A%E6%B5%B7%29 |