[14]路 (1) |
上海/ 中国 |
撮影: 2008~2015年, 制作: 2015/9, 改訂: 2019/12 |
上海トロリーバス[14]路は、黄浦区の東新橋と虹口区の江浦路/中山北二路とを結ぶ9.4kmの系統です。英商上海電車公司によって、1914年11月15日に開業しました。2014年に開通100周年を迎えています。アジアでは最も古いトロリーバス路線で、また現存する路線としては世界で一番古いものです。ここでは前編として南側の路線をご紹介します。 開業当初の路線は、鄭家橋(現延安東路/福建中路)~老閘橋(現福建中路/北京東路)の間、わずか1.1kmでした。南側のターミナルは1953年に老西門まで延長されましたが、1988年に延安路の隧道工事に伴い、現在の東新橋に変更されています。 北側の路線については、後編をご覧下さい。 |
上海科学普及出版社発行、「上海城区交通図」(部分)の上に、2012年当時の[14]路の経路を記入しました。 [14]路の経路は複雑です。両端のターミナルにあるループ以外に、途中に3箇所上下線が異なる道路を走る区間があります。 |
南側のターミナルに近い部分の拡大図です。上下線はまったく異なったルートを走っています。 ①が起点の東新橋で、ここから下りルートは福建路を北上します。③から④にかけてが北京東路で、④で河南北路に入ります。 一方、上りのルートは、⑥の七浦服飾城を経由して、⑦で浙江北路を南下、蘇州河を渡り、湖北路を通って東新橋に至ります。 |
Shanghai trolleybus route 14 ① Dongxinqiao [14]路の起点、東新橋です。ターミナルは広東路/湖北路のビジネス街にあります。かつて[22]や[28]路のターミナルがあった「広東路外灘」から東へ1kmほどの地点です。左上奥に見える王冠型の屋根は、ウェスティンホテル(威斯汀大飯店)です。 (2010/7/23) |
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同上、東新橋で出発を待つ[14]路です。この先、すぐに左折して福建中路を北に向かいます。 |
② Fujian Zhonglu/ Nanjing Donglu 福建中路は途中で南京東路の歩行者天国と交差します。トロリーバスが人混みを縫って、歩行街を横断して行きます。 (2014/7/24) |
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南京東路を越えて北京東路に至る区間は、多くの商店が並ぶ活気に満ちた街です。すぐ近くの南京東路が観光客向けなのに対して、こちらは飾り気のない庶民の街という感じがします。 (2012/12/25) |
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③ Fujian Zhonglu/ Beijing Donglu 北京東路の交差点に入る[14]路です。敢えて逆光で撮影することで、ごちゃごちゃ感を表現してみました。 |
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上掲の場所です。このあたり一帯には、機械工具や電子部品を専門に扱う商店が軒を連ねています。 |
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④ Beijing Donglu/Henan beilu 北京東路/河南北路の交差点です。[14]路はこの角を左折します。 開業から2年後の1916年に、この場所まで延伸されました。背景の建物は、[19]路の巻でご紹介した旧国華銀行です。 |
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⑤ Haining Lu/Sichuan Beilu 河南北路を北上した下りの[14]路は、海寧路で右折します。ここは、その先にある海寧路/四川北路のバス停です。 架線の高さが低いので、トロリーポールが後ろへすらりと伸びています。このようにリヤビューが絵になるのも、トロリーバスならではの魅力です。 (2008/10/28) |
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⑥ Shanxi Beilu/Qipu Lu ここからは、上りルートをたどります。上りの[14]路は七浦服飾城を通ります。この場所は[25]路の前編ですでにご紹介しましたが、山西北路/七浦路にバス停が設けられています。 |
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七浦服飾城の敷地を貫く山西北路を南下する[14]路です。背景の巨大な建物の中には、何百軒もの衣料問屋が入居していて、迷路のようになっています。 |
七浦服飾城を出て天潼路へ右折する[14]路です。以前ご紹介した[25]路は、この場所で左折します。 背景には「老虎窗」(ドーマー窓)のある住宅が見えます。オールド上海の街並が続く、小生railbusのお気に入りの場所です。 (2011/1/16) |
⑦ Xijiang Beilu/ Qufu Lu 後方が浙江北路/曲阜路の交差点です。上りの[14]路は、ここから浙江北路を南下して、蘇州河を渡ります。この区間には[15]路も走っています。 |
強固なトラスで組み立てられた浙江路橋を[14]路が渡って来ます。外灘にある白渡橋とよく似た構造の橋で、上海でトロリーバスが通る唯一のトラス橋です。まさに[14]路のハイライト地点と申せましょう。 |
⑧ Xijiang Beilu/Beijing Donglu 橋の南側の浙江北路にも古めかしい街並が残っています。写真は北京東路の交差点で信号待ちをしているところですが、画面を横切って多くの人や車が通るため、何度も撮り直した末の1枚です。ここは2002年にも訪問した思い出の場所です。 (2012/12/25) |
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⑨ Hebeilu/Nanjing Donlu 上海時装商店の前で、再び南京東路の歩行街を横断します。このビルは1917年に建てられてますから、まもなく築100年を迎えます。 (2010/7/24) |
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上掲と同じ場所です。左の建物は永安百貨店で、こちらは1918年の創建です。冒頭の写真もここで撮影しました。 [14]路はこの先、湖北路を経由してターミナルの東新橋へ向かいます。 (2012/12/25) |
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最後にニュースをお届けします。 今まで[14]路の上り線は、七浦服飾城~天潼路~浙江路橋を経由していましたが、左記の通告にあるように、上り下りとも河南北路~北京東路を走行するようになりました。小生railbusのお気に入り区間だっただけに、まことに残念です。[25]路も同様に服飾城を通らなくなりました。 |
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2015年4月18日改正による新しい[14]路のルートです。 濃い青色が変更後のルート、水色が廃止区間です。 変更の理由は、浙江路橋の大修理です。この影響は[15]路のルートにも及んでいます。工事が完了した後に、元のルートが復活するかどうかは未定です。 ※工事完了後に浙江路橋を通るルートに戻りました。しかし、残念ながら服飾城は通りません。 [14]路 後編へ続きます。 |
References: |
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7% E5%85%AC%E4%BA%A414%E8%B7%AF |
http://www.shtong.gov.cn/node2/node2245/node4516/node 55031/node55107/node55123/userobject1ai42388.htmll |