EDWARD SIMON
今回の教訓
その1、ジャズ友のいうことは素直に耳を傾けるべし
その2、良い演奏にはメンバーの相性というのが確実にある
その3、いいアルバムを中古でゲット出来ると更に気分が良い
"SIMPLICITAS"
EDWARD SIMON(p), AVISHAI COHEN(b), ADAM CRUZ(ds), LUCIANA SOUZA(vocals: F)
ADAM ROGERS(g: F,J), PERNELL SATURNINO(percussion: @,E,G)
2004年5月 スタジオ録音 (CRISS CROSS JAZZ 1267)
JAZZ批評 376.で紹介した"UNICITY"が2006年録音の最新盤だった
このアルバムは遡ること2年前の2004年録音
AVISHAI COHENの参加がキーになっている
* * * * * * * * * *
例によって、星3.5以下のアルバムを4枚買い取りに出した。そして、その買取価格で2枚の中古をゲット。そのうちの1枚がこれ。
以前、ジャズ友の推薦があって、このアルバムを購入しようとした時に、折りよくと言うべきか折り悪くと言うべきか、先の"UNICITY"が発売になったので新譜の方を購入した。
その"UNICITY"は星4.5であった。
幸いにも今回はこの"SIMPLICITAS"を中古で1500円ほどでゲットできた。ほとんど新品同様で、えらく得した気分だ。
@"OPENING" ドカーンと17秒。
A"INFINITE ONE" 繊細にして心地よいシンバリングにも耳を傾けたい。このドラマーは僕には初耳のドラマーだが、なかなかいいね。良く歌うドラマーだ。
B"NOT SO UNIQUE" 力強いCOHENのベース・ソロが凄い。テクニックも凄いが音も凄い!
C"YOU'RE MY EVERYTHING T" 8分46秒のこの曲だけのために購入したとしても損はないだろう。このアルバムの極めつけ。ブラッシュがサクサクと音を立て、太いベースがストレートな表現で良く歌っている。特に4分過ぎからのAVISHAI
COHENのウォーキング・ベースは実に気持ちが良くて躍動感満載だ。2000年にはCICK
COREAのオリジナル・メンバーとして"PAST,PREZENT & FUTERES"(JAZZ批評 5.)を吹き込んでいるが、今回はテクニックだけに溺れず、本来のベース・ワークを見せてくれた。同じように4ビートを刻んでも、躍動感がまるで違うっていうことはドラムスの世界でもよくあることだ。このAVISHAI
COHENとADAM CRUZの相性はとても良い。"UNICITY"のJOHN PATITUCCIとBRIAN
BRADEの組み合わせより、緊密感もありストレートな表現でいいと思う。
丁度、ENRICO PIERANUNZIがHEIN VAN DE GEYN(b)とANDRE DEDE CECCARELLI(ds)と組んで最高のパフォーマンスを見せた"LIVE
IN PARIS"(JAZZ批評 324.)の場合と良く似ている。相性バッチリの演奏なのだ。
D"SIMPILICITY" SIMONの書いた美しいバラード。こういうスローの演奏にあっても、しっかりと躍動しているのが良い。自然と指が鳴っているんだよね。まあ、じっくりとSIMONのピアノに耳を傾けてもらいたい。至福の5分。
E"FIESTAS" 一転して、ブラッキーな曲。パーカッションが加わわり、ハード色の強い演奏となる。
F"UNKNOWN PATH" この曲ではヴォーカルというよりも女声のヴォイスとギターが参加する。
G"FIESTAS (REPRISE)" 多ビートに乗ってSIMONのアコースティック・ピアノが跳躍する。フェード・アウトしてしまうのが惜しい!
H"YOU'RE MY EVERYTHING U" Cのテイク2というところだろうか。冒頭から気持ちの良い4ビートを刻んでいく。さあ!皆さんも一緒に指を鳴らして下さい!快いスウィング感とお洒落なピアノのフレーズにニンマリ。COHENもCRUZも乗りに乗って良いアドリブを執っている。イェイ!
I"SOUTH FACING" 一捻りある演奏だが、じっくりと味わって欲しい曲だ。
J"EXIT" 1分17秒。
"UNICITY"に比べると演奏がストレート。実に気分が良い。初めて、EDWARD
SIMONのアルバムを買ってみようという方にはこの"SIMPLICITAS"を是非、お奨めしたい。じっくりと時間を掛けて何回も繰り返して聴いて欲しいアルバムだ。
で、今回の教訓。
その1、ジャズ友のいうことは素直に耳を傾けるべし。
その2、良い演奏にはメンバーの相性というのが確実にある。
その3、いいアルバムを中古でゲット出来ると更に気分が良い。
というようなわけで、気分良く「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。これは思わぬクリスマス・プレゼントだった。 (2006.12.25)
.