CHRISTIAN JACOB
良いテーマがあれば良いアドリブも生まれるという法則どおり
"STYNE & MINE"
CHRISTIAN JACOB(p), TREY HENRY(b), RAY BRINKER(ds),
TIERNEY SUTTON(vo:
B,J
2003年5月 スタジオ録音 (WILDERJAZZ 0401) 

タイトルの"STYNE & MINE"とはJULE STYNE とMINE(JACOB自身)の作品集という意味である。
D〜GがJACOBの手になる作品で、残りがJULE STYNE の作品ということになる。
僕はこのJULE STYNEという作曲家を知らなかったが、作品は周知の名曲ばかりだ。最近のジャズ・アルバムでも@、A、I、Jなどは頻繁に演奏されている。
ピアニスト・
CHIRISTIAN JACOBはフランスに生まれ、今はロスアンゼルスで活動しているらしい。

@"JUST IN TIME" ゾクゾク・ワクワクするようなスティック・ワークでテーマが始まる。このテーマを聴けばこのトリオの素晴らしさに納得が行くというものだ。この曲はかつて、JAZZ批評 113.の山中千尋が溢れんばかりの躍動感を聴かせてくれた。
切れ味の良いドラムスとピアノが高揚感を増していく。続くベースの音が若干くぐもっているのが残念だ。最後のテーマで高揚感が最高潮に達する。
A"IT'S YOU OR NO ONE" この曲もJAZZ批評 167.のJOHN HARRISON Vや、197.のHOD O'BRIEN がジャズの楽しさ、醍醐味を堪能させてくれた。
この2曲はいずれ劣らぬ演奏であるが、JACOBの演奏はアレンジが面白い。
B"GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DRY" TIERNEY SUTTONのヴォーカル入り。しっとりと歌伴も上手い。
C"NEVER NEVER LAND" ピアノのイントロに始まり、一気呵成に8ビートを刻み始める。今か今かと待っていると4ビートを刻み出し、テンションが上がってくる。若干懲りすぎの感じがしないでもない。

D"LYDIA'S CRUSH" JACOBのオリジナル・バラード。
E"PIECE ONE" 
F"PIECE TWO" 
G"PIECE THREE"
 

H"PEOPLE" しっとり系バラードミディアム・テンポの4ビートを刻むが、ここでは重低音で太い音のベースの響きが良い。
I"AS LONG AS THERE'S MUSIC" これもバラード。(JAZZ批評 54.ではアルバム・タイトルにもなっているが、某レコード会社のプロデュースだったせいもあったのか、今、読み返してみても酷評だ。)

J"I FALL IN LOVE TOO EASILY" この曲は僕の好きな曲のひとつ。ヴォーカル入り。少しけだるい感じが何ともいえないなあ!
K"TIME AFTER TIME" ベース・ソロでのピアノのバッキングがGOOD!
L"THE PARTY'S OVER" 美しい曲。最後はピアノ・ソロ。

やはりというべきか、STYNEの書いた曲の方が強く印象に残る。良いテーマがあれば良いアドリブも生まれるという法則どおり。緊迫感がありながらも伸びやかな演奏が良い。2曲しかないがヴォーカル曲も独特の気だるさが何ともいえない。   (2005.01.15)



独断的JAZZ批評 244.