TAKAYUKI YAGI TRIO
新しさを感ずるどころか古臭さばかりが目立ってしまう
"SKYSCRAPER"
八木隆幸(p), BEN WILLIAMS(b), RODNEY GREEN(ds)
2015年2月 スタジオ録音 (JAZZ TOKYO RECORDS : JTRC 001)
前掲に引き続き、初めて聴く日本人ピアニスト。
八木隆幸は当初、オルガンを弾いていたのだが、後に、ピアノに転向したという。既に、8枚ものリーダー作をリリースしているという。
兎に角、サポート陣が凄い。ベースにBEN WILLIAMS。山中千尋の傑作アルバム、"FOREVER BEGINS"(JAZZ批評 653.)に参加し絶妙のサポートをしていたのは記憶に新しい。PAT METHENYのUNITY BAND(JAZZ批評 761.)に参加して、今や、八面六臂の活躍中だ。
一方のRODNEY GREENも、ERIC REEDの"SOMETHING BEAUTIFUL"(JAZZ批評 725.)やTHEO HILLの"LIVE AT SMALLS"(JAZZ批評 923.)にも参加し、アメリカ・ジャズ界で引っ張りだこのドラマーだ。
さて、この二人を従えて八木はどんなプレイを披露してくれるのだろうか?全10曲中6曲が八木のオリジナル。
@"LABYRINCH" シングル・トーンで息も切らずに弾き倒す。
A"CHILL OUT"
B"TOTAL ECLIPSE"
C"TIME WAITS" 唯一のバラード。
D"SKYSCRAPER"
E"THE SOULFUL MR. TIMMONS"
F"RONNIE'S RHYTHM"
G"WHAT IS THIS THING CALLED LOVE?" スタンダード。打ち合わせもなくいきなり演奏した曲だというけど、このトラックが本アルバムのベストだとは思うけど、ワン・パターンの速いパッセージが気になるなあ!
H"SASCHA & JJ"
I"BACKGAMMON"
新しさを感ずるどころか古臭さばかりが目立ってしまう。
ひとつには選曲された楽曲が八木のオリジナル6曲を含めて皆、古臭い。40〜50年前にタイムスリップした感じになる。
もう一つは、八木のピアノが速いシングル・トーンのパッセージを得意としているようで、これが皆似たように聴こえてしまうのだ。もっと、間が欲しいところだ。
この手のジャズをやるのに世界最先端プレイヤーのBEN WILLIAMSとRODNEY GREENの共演を頼まなければいけなかったのかなあと思ってしまう。ネームバリュー合わせ・・・?宝の持ち腐れ・・・。
やはり、ピアノ・トリオは3者の実力が拮抗していて何ぼのもんだということが分かる。僕は本アルバムをもう6回以上聴いているが流石にゲップが出そう(失礼!)
残念ながらWILLIAMSの伸びがあって艶やかなベースラインを堪能するということは出来なかった。巻末に参考サイトを記載しておいたので時間のある方はお聴きいただきたい。 (2015.07.11)
試聴サイト:https://www.youtube.com/watch?v=s8gSozfJkM4
参考サイト: https://www.youtube.com/watch?v=gdtvP13aB5k
参考サイトではBEN WILLIAMSのベース・ソロを堪能いただきたい
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