独断的JAZZ批評 937.

RAMON ANGEL TRIANGEL
硬軟織り交ぜてリリカルな演奏からハードな演奏まで
"7MUJERES"
JOAN MONNE(p), MARCO LOHIKARI(b), RAMON ANGEL REY(ds)
2010年1月 スタジオ録音 (NOMADA 57)

松山のジャズ友が紹介してくれたアルバム。何しろ、オーバー在庫の処分価格ということで通常の半値以下でゲット出来た。ラッキー!
スペインのピアノ・トリオというと結構、個性的なグループが多い。印象深いところではMARTI VENTURA "PAS DEL TEMPS"(JAZZ批評 287.)とかINAKI SANDOVAL "SAUSOLITO"(JAZZ批評 401.)、IGNASI TERRAZA "IT'S COMING"(JAZZ批評 192.)あたりがすぐさま思い起こされる。
本アルバムはドラマーがリーダーのトリオだ。グループ名に"TRIANGEL"と入れているところをみると3者が均等な役割を担っているのだろう。"TRIANGLE"でなくて"TRIANGEL"で正しいらしい。

@"IRMA" RAMONのオリジナル。リリカルな曲だ。
A"MOMENTS NOTICE" 
ジャケットには"MEMENTS"とあるが、"MOMENTS"の誤記だろう。J. COLTRANEの書いた曲だ。テンポが倍テンになったり、戻ったりと忙しい。LOHIKARIのアーシーなベース・ワークが効いている。ピアノは極めてオーソドックスなスタイルだ。
B"LA AVENTURA DE SILVIA" 
抽象画風なインプロビゼーションでスタートするが、これがなかなか面白い。ベースが3拍子の定型パターンを刻みだすとリリカルなピアノが絡みだす。
C"SEVEN STEPS TO HEAVEN" 
ジャケットには"STOPS"とあるが、これも"STEPS"の誤記だろう。ピアノとヴァイヴの奏者として名を馳せたVICTOR FELDMAN(JAZZ批評 156.)の書いた曲。軽快な演奏だ。最後はドラム・ソロで盛り上がる。
D"AZUL Y GRIS: INTRODUCCION / AZUL Y GRIS" 
RAMONのオリジナル。哀愁を帯びたテーマ。このドラマー、なかなかのメロディメーカーでもある。インテンポになるとLOHIKARIの野太いベース・ワークもフィーチャーされている。
E"BEMSHA SWING" 
ベースとピアノの掛け合いでテーマを奏でる。3者のインタープレイが面白い。
F"NO ENTIENDO NADA" 
下記の試聴サイトではこの曲しか試聴できない。この1曲だけを試聴してもなんてことはないのだが、アルバムの流れの中でこれを聴くととても良いアクセントになっている。哀愁と同時に劇的な昂揚感も備わっていて泣かせてくれる。日本人好みのトラックかも知れない。
G"BLUE TAIN"
 剛腕ドラマー・JEFF "TAIN" WATTSの書いた曲だ。基本はミディアム・テンポの4ビートなのだが、3連符になったり倍テンになったり、結構リズムで遊んでいる。ハードなプレイだ。

このトリオはドラマーがリーダーであるが、ベースのLOHIKARIが存在感を示している。野太くて逞しい音色だ。それに比べるとピアノのMONNEはオーソドックスなタイプでもう少し遊んでも良いかもしれない。
とは言え、硬軟織り交ぜてリリカルな演奏からハードな演奏まで楽しめるということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2015.05.10)

試聴サイト:
http://www.ramonangelrey.com/album/7-mujeres/



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