独断的JAZZ批評 936.

KEVIN HAYS
ジャズらしい躍動感や昂揚感に浸ることなくペンを置くことになってしまった
"WHAT SURVIVES"
KEVIN HAYS(p), DOUG WEISS(b), BILL STEWART(ds)
2001年3月 スタジオ録音 (NDS RECORDS : NDS001)

KEVIN HAYSのアルバムは本人名義のトリオ3枚のほかに、BRAD MEHLDAUとの共作"MODERN MUSIC"をゲットしている。
トリオのメンバーは本アルバムと全て一緒。その中ではBILL STEWARTの好演もあって2005年録音の"FOR HEAVEN'S SAKE"(JAZZ批評 347.)が一番好印象であった。
本アルバムはゲットしたアルバムの中では一番古い2001年の録音だ。何で今更という感じがしないでもない。

@"STELLAR" "STELLA BY STARLIGHT"のパクリなのか、崩しなのか良く分からないが、HAYSのオリジナルとある。確かに"STELLAR"と"STELLA"の違いがあるのだけど・・・。アドリブに入ってからSTEWARTの心地よいシンバル・レガートに乗って4ビートを刻みだす。
A"WHAT SURVIVES" 
変拍子、7拍子?全然、面白くない。
B"BLACK ELK" 
暗いテーマだ。
C"ANNIVERSARY WALTZ" 
副題にJ. IVANOVICIの"WAVES OF THE DONUBE"「ドナウ川のさざなみ」とある。そう言えば、中学校時代に聴いた記憶が・・・。聴かせどころはSTEWARTのドラミングだ。
D"J. B." 
これもクラッシクからの曲でブラームスの"SYMPHONY NO.1 IN C MINOR"とある。なんかなあ!意味不明の電子音も混じっているし・・・。
E"ANTON" 
ANTON WEBERNの"LANGSAMMER SATZ"とある。僕は全く知らないがオーストリアの作曲家らしい。これは聴けないこともない。というか、中盤から躍動感のある展開になってきて、昂揚感も増してくる。
F"DU PRE" 今度はシューマンの"CELLO CONCERTO IN A MINOR"とある。ベースのアルコ弾きがフィチャーされて始まるが、トリオとしてのアンサンブルや躍動感、昂揚感といったものが不足していて心が湧き立たない。
G"YOU ARE MY SUNSHINE" 
180度の大転回で、今度はポピュラー曲。しかもしっとりとしたバラード仕上げ。一体、何をやりたかったのだろうか?

実のところ、今になっても何でこのアルバムをゲットしたのかよく分からないでいる。試聴サイトで確認できたわけでもなし、魔が差したってやつだろうか?
アルバム・タイトルのように、現代までに生き残ってきたもの、即ち、クラッシクの楽曲だったり、古いポピュラーやスタンダードに対するリスペクトなのだろうか?ウーン、よく分からない。
結局のところ、ジャズらしい躍動感や昂揚感に浸ることなくペンを置くことになってしまった。   (2015.05.08)

参考サイト:https://www.youtube.com/watch?v=ev4w4NChid0



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