『乱歩地獄』をめぐる掲示板編集採録
映画通信」:ケイケイさん
ヤマ(管理人)


  No.6020(2005/11/26 21:23)から

(ケイケイさん)
 明日は私も観た『乱歩地獄』を観られるそうで、感想を楽しみにしています。私は好感触でした。

ヤマ(管理人)
 僕は、まずまずでしたね。たぶん日誌は綴らないと思いますが(笑)。

(ケイケイさん)
 『乱歩地獄』の「鏡地獄」のSMシーンは、一部不満がありましたが(笑)、花と蛇2よりエロスが香っていて良かったです。

ヤマ(管理人)
 ケイケイさんの日記では、この第2話が最もお気に召したようですね。4話オムニバス全体を「まずまず面白かった」と結論付けながらも、突っ込み満載で笑えましたよ。


*****ケイケイさんのHP「映画通信」の掲示板にて*****
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投稿者: ヤマ  投稿日:11月30日(水)00時01分20秒
 『乱歩地獄』は、僕もまずまずといったとこでした。
 僕は、第1話の「火星の運河」は性同一性障害の男を描いた話で、あの殴り合いは自身の中の女性と男性の格闘かと思いましたが、観て感じただけの思いつきで決して定かなものではなく、原作を当たってみようかなぁ〜などと考えてます(笑)。
 まぁ確かに、誰が誰だか判らない乱れた画像で裸女を殴りまくる映像は趣味悪ですね。
 人によっては、それ以上に、池に己が姿を映す男に乳房が転移している図のほうに違和感を覚えたりするのかもしれませんが。
 けど、もし僕が受け止めた性同一性障害の男の話だったとしたら、その葛藤と格闘を徹底的に孤独なる荒野のうちにイメージ化していた乱歩というのは、やっぱり凄いなぁと思ったりしません? 明治生まれの作家ですもんねー。

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投稿者:ケイケイ 投稿日:12月 1日(木)19時05分33秒
>僕は、第1話の「火星の運河」は性同一性障害の男を描いた話で、
>あの殴り合いは自身の中の女性と男性の格闘かと思いましたが、


 なるほど!心の中での葛藤ですか。
 それでロン毛かぁ(←違います)。
 う〜ん、屈折している。ニューハーフのお姉さんの性転換願望の方がわかりやすいですね(笑)。
 すぐに理解しはったんですか?

>まぁ確かに、誰が誰だか判らない乱れた画像で裸女を殴りまくる映像は趣味悪ですね。

 そうですね。それでムッとしてしまい、解明は放棄してしまいました(^^;)。
 この調子で続いたら悪夢やんかと危惧していましたが、後は好調だったのでホッとしました。後の三作はみんな楽しめましたね。ヤマさんはどのお話が好きでしたか?

>けど、もし僕が受け止めた性同一性障害の男の話だったとしたら、
>その葛藤と格闘を徹底的に孤独なる荒野のうちにイメージ化していた乱歩というのは
>やっぱり凄いなぁと思ったりしません? 明治生まれの作家ですもんねー。


 思います!図書館は古い本もたくさんあるので、乱歩でも読もうかと思って出かけても、メジャーな作品はいつも貸し出しです。今でも人気は納得ですよね。もしかしたら、明治の人なので、あの作品が残せたのかも。何でも能動的に視覚に入る現代では、秘めごとを文章にする醍醐味が薄れているように思います。

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投稿者: ヤマ  投稿日:12月 2日(金)01時02分6秒
>すぐに理解しはったんですか?

 僕が「火星の運河」を性同一性障害の男を描いた話だと思ったのは、最後に己が姿を池に映した男の胸に乳房が転移している姿を観たときでした。あ、そーか、そういう話だったのかってことで(笑)。なら、さっきの格闘は自身の心の中の男と女の葛藤だったんだなーって。
 当然の事ながら、誰が誰だか判らない乱れた映像で裸女を殴りまくる映像を観ていたときには、そんなこと露ほども想起してませんでしたよ。

>どのお話が好きでしたか?

 どれもまずまずでしたが、好きってことでは、やはり「鏡地獄」ですね。
 最も興味深かったのは「芋虫」で、この手足切断に『盲獣』を想起したものでした。ちょっと話がわかりにくかったのは、むしろ最後の「蟲」でした。強いて順番を付けるなら、2話>3話>1話>4話っていう感じかな。
 舌に蝋涙を垂らす図っていうのは、マニア色濃厚でかなり感心してました(笑)。

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投稿者:ケイケイ 投稿日:12月 3日(土)16時39分28秒
>僕が「火星の運河」を性同一性障害の男を描いた話だと思ったのは
>最後に己が姿を池に映した男の胸に乳房が転移している姿を観たときでした。
>あ、そーか、そういう話だったのかってことで(笑)。


 そうなんですか。
 私は女性を殴った罪悪感で乳房が見えたのかと思いました(^^;)。
 確かにヤマさん説の方が合っているように思います。
 女性が殴られている場所、私は病院のベッドのように感じたんですよ。それも今はもう廃業している古い病院。あそこの場所は何故なのかとちょっと考えましたが、やっぱり腹立つ描写だったので、止めました(笑)。

>最も興味深かったのは「芋虫」で、この手足切断に『盲獣』を想起したものでした。

 あの奥さん、夫の手足を切断したの、戦争にいかせないためなんですよね。
 『清作の妻』のお兼みたい。こっちは異常ですが。
 ラストなんか、まんま『盲獣』でしたね。
 私は松田龍平はいなくても良かったんじゃないかと思います。
 というか、生かされていなかったと思いました。

>舌に蝋涙を垂らす図っていうのは、マニア色濃厚でかなり感心してました(笑)。

 ね? 『花と蛇2』よりエロエロだったでしょう?(笑)。
 あれで奥さん役の人がもうちょっと綺麗だったらなぁ。
 これはいっしょに観た友人も言ってました。

>ちょっと話がわかりにくかったのは、むしろ最後の「蟲」でした。

 私は日記にも書いたんですが、対人恐怖症のような主人公が、そのせいで人と交わるとアレルギーが出るので、ああいう行動に出たのかと思いました。狂気と孤独をポップでカラフル、かつグロテスクに描いたのかと感じました。

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投稿者: ヤマ  投稿日:12月 4日(日)11時38分58秒
 で、しつこく『乱歩地獄』ですが(笑)、「あそこの場所は何故なのかとちょっと考えましたが、…止めました(笑)。」と振っていただいて想起したのは、閉塞感じゃなかろうかということでした。荒野のほうが“徹底的な孤独”、廃屋病院のほうが“閉じこめられた閉塞感”というわけで、その両方を描き出したかったんじゃないでしょうかね。

>松田龍平

 僕もあまり生かされていなかったように思いますが、彼が出て来ないと、あのエピソードだけ美男の配置なしになってしまうので、今回のオムニバスのコンセプトの一つが壊れちゃうんじゃないでしょうか(笑)。
 危ない美を湛えた『乱歩地獄』をそういう美男の配置を縦糸にして綴ったのが、今回のオムニバスの基本構想だったのではないかという気がしますよ。浅野〜成宮〜松田〜浅野っていうわけです(笑)。

>あれで奥さん役の人がもうちょっと綺麗だったらなぁ

 いやぁ、あれだからこそマニア色が濃厚に立ちこめるんですよ、きっと(笑)。
 「芋虫」のエピソードじゃなかったですかね、怪人二十面相の台詞としてコレクションの美を語るに、通常に綺麗なものでないからこそ引き立つ美が現れるというようなことを言っていたような気がしているのですが(笑)。

>人と交わるとアレルギーが出るので、ああいう行動に出たのかと思いました。

 なるほどね。これは面白い観方で、それはそうかもしれませんね。
 まぁ、僕が分かりにくかったのは、動機とか心境のことよりも、物語としての構成の意味しているもののほうでして、腐乱して膨れあがっていた死体が実際に女優・木下芙蓉であったのか、それとも、死体愛好者の柾木が死体に顔を埋めて夢想していたファンタジーが女優と運転手の物語であったということなのかが、今ひとつ判然としなかったんですよ。
 女優の運転手というのは、実際に柾木の職業だったんでしょうかね。どうもそうじゃないような気がしてます。妙なリフレインの仕方でしたし…。

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投稿者:ケイケイ 投稿日:12月 5日(月)23時21分1秒
>閉塞感じゃなかろうかということでした。
>荒野のほうが“徹底的な孤独”、廃屋病院のほうが“閉じこめられた閉塞感”というわけで
>その両方を描き出したかったんじゃないでしょうかね


 おぉ、おぉ!絶対そうですね!
 内なる自我と対峙していた訳ですね。
 そういう作品だったのかぁ。それなら悪くないかも(笑)。
 明日この作品をいっしょに観た友人とご飯食べるんですよ。
 二人でわからんわからんを連発していまして、「まぁ他が面白かったからええんちゃう?」で言い合ったので、彼女にも伝えますね(^^)。
 こうやってわからなかった部分が理解出来るようになるのも、掲示板の醍醐味ですよね。

>僕もあまり生かされていなかったように思いますが、彼が出て来ないと
>あのエピソードだけ美男の配置なしになってしまうので、
>今回のオムニバスのコンセプトの一つが壊れちゃうんじゃないでしょうか(笑)。


 新聞にこの作品について解説が書いてあったのですが、浅野、成宮、松田で男性の美を表現していたそう。だからヤマさんのご明察通り。でも、私はこの中では成宮君しかそれは感じませんでした。松田龍平なぁ、美男子ですかねー。私は彼はコスプレも見せてくれた『恋の門』が一番良かったですね。

>いやぁ、あれだからこそマニア色が濃厚に立ちこめるんですよ、きっと(笑)。

 確かにマニアック(笑)。妙なリアリティはありましたが。
 あそこは一般的な目線がよろしかったかと。
 ヤマさんもその方が良かったでしょう?(おほほー)。

>コレクションの美を語るに、通常に綺麗なものでないからこそ引き立つ美が現れる

 もしかして成宮くんの美しさを引き立てるためだったのだろうか?と、これも友人と賑やかに話しました。ちょっと意味が違うけど、はずれもないですね(笑)。

>腐乱して膨れあがっていた死体が実際に女優・木下芙蓉であったのか、それとも
>死体愛好者の柾木が死体に顔を埋めて夢想していたファンタジーが
>女優と運転手の物語であったということなのかが、今ひとつ判然としなかったんですよ。


 私は芙蓉だと思いました。あまり人と会話したシーンがなかったでしょ?
 田口浩正のお医者さんに、「ボクのこと嫌いでしょう?」と言われていましたが、人がみんな苦手だったのかなと思いました。だから初めて好きになった人には、ああするしかなかったのかなぁと。腐乱していくので、一生懸命ペンキでお化粧するなんて、滑稽で狂っているんですが、子供っぽくも思えました。死体愛好者には見えなかったんですよ。結構刺激的に作ってあるのに、死体とのセックスシーンめいたものがなかったから。あくまで芙蓉だからそばに置きたかったと感じました。芙蓉の愛人の顔が見えないのも、彼の目には入らないってことかなと思いました。商店街でブリーフ一丁の姿や、エキストラがやたら出てくるのに、すごく柾木は浮いていて、そこが彼の孤独を表現しているのかなと感じたんですが、どうでしょう?自信なし(笑)。

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投稿者: ヤマ  投稿日:12月 7日(水)22時46分34秒
>明日この作品をいっしょに観た友人とご飯食べるんですよ。
>彼女にも伝えますね(^^)。


 どない言うとられました?(笑)

>こうやってわからなかった部分が理解出来るようになるのも、掲示板の醍醐味ですよね。

 当否正誤はともかく、得心に至れば、嬉しいものですよね。
 僕の解釈でその喜びを得ていただけたとは、光栄千万です。

>浅野、成宮、松田で男性の美を表現していたそう。だからヤマさんのご明察通り。

 おぉ、やはりそうでしたか(笑)。

>でも私はこの中では成宮君しかそれは感じませんでした。

 それで言えば、僕は三人共にそれを感じません(たはは)。

>『恋の門』

 これは高知でも上映されたのですが、一日上映だったので、折り合わず観逃しています(残念)。

>確かにマニアック(笑)。妙なリアリティはありましたが。

 でしょ(笑)。

>あそこは一般的な目線がよろしかったかと。
>ヤマさんもその方が良かったでしょう?(おほほー)。


 それもそれ、これもこれ(笑)。

>もしかして成宮くんの美しさを引き立てるためだったのだろうか?
>ちょっと意味が違うけど、はずれもないですね(笑)。


 あぁ、それはあったのかもしれませんね。いかんせん、僕は成宮をさほど美しいとも、嫂をさほど不細工とも感じていなかったので、引き立て効果はピンと来ませんでしたが(たは)。

>私は芙蓉だと思いました。あまり人と会話したシーンがなかったでしょ?

 ですよね。
 だから、僕は医者との場面以外は全てが柾木の夢想かもと思ったんです。

>人がみんな苦手だったのかなと思いました。
>だから初めて好きになった人には、ああするしかなかったのかなぁと。


 なるほどね。人嫌いジンマシンを僕は想起してませんでしたが、こう考えると、うまく繋がりますね。だとすれば、僕が夢想かもと思った部分は、やはり回想というわけですね。

>死体愛好者には見えなかった
>死体とのセックスシーンめいたものがなかった
>あくまで芙蓉だからそばに置きたかったと感じました。


 なるほどね〜。
 でも、そう観ると猟奇色は濃厚でも、倒錯・変態色は薄れてきますね(笑)。

>芙蓉の愛人の顔が見えないのも、彼の目には入らないってことかなと思いました。

 ふむふむ。

>そこが彼の孤独を表現しているのかなと感じたんですが、どうでしょう?

 僕は、現実から乖離したところで生きている彼の人格を示しているように感じました。勿論そこには、孤独は付き物なんですけどね。

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投稿者:ケイケイ 投稿日:12月 8日(木)18時38分1秒
>どない言うとられました?(笑)

 きっとヤマさん説が当たってるって。
 感心してましたよ。高知の大御所だと教えておきました(笑)。

>それで言えば、僕は三人共にそれを感じません(たはは)。

 えぇ!成宮くん、だめっすか?やっぱり男性と女性では見方が違うんですね。
 私は久しぶりに若くて美しい男性を観たので、ほこほこでしたがな(笑)。
 ジャニーズ系はあんまり美しいと思いませんね。
 というか、私の場合若い男子はみんな息子に見えて、萌えてくるもんがないんですね(笑)。その点、成宮くんはそれがありませんでした。

>あぁ、それはあったのかもしれませんね。
>いかんせん、僕は成宮をさほど美しいとも、嫂をさほど不細工とも感じていなかったので、
>引き立て効果はピンと来ませんでしたが(たは)。


 まぁ不細工なんてそんな。美が足らないとおっしゃって(笑)。
 あの兄嫁さん、最初寺島進と怪しい関係なのかと思ったんですよ。
 そしたら納得がいったんですが。手代と社長の未亡人。これも淫靡な関係じゃございませんか。なんとなくエロ小説みたいですが(笑)。

>ですよね。だから、僕は医者との場面以外は全てが柾木の夢想かもと思ったんです。

 あそこだけ妙に生々しかったですよね。医者も芙蓉のこと知らなかったし、私もチラッとそんな風にも思いました。

>なるほどね〜。
>でも、そう観ると猟奇色は濃厚でも、倒錯・変態色は薄れてきますね(笑)。


 そうなんですよ! 死体と暮らしてんのに、一番変態っぽくなかった(笑)。
 恋愛に不器用な少年みたいに見えました。変態の一番は、やっぱ「芋虫」でしょう(笑)。

>僕は、現実から乖離したところで生きている彼の人格を示しているように感じました。

 私ね、実はここで愛人の顔がチラッと映り、それが浅野だったらいいなぁと思ったんです。実際は違う人なのに、そう見えてしまうという風に。

>勿論そこには、孤独は付き物なんですけどね。

 そうなると、ヤマさんがお書きの部分がより浮かび上がるかなぁと思ったんです。

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投稿者: ヤマ  投稿日:12月11日(日)23時19分36秒
>高知の大御所だと教えておきました(笑)。

 そないなこと言うと、爺さんと思われるやないですか(笑)。

>えぇ!成宮くん、だめっすか?

 ダメっつうよりも、どーでもええっちゅうか(笑)。
 キャラ的にはNANAんときのボンボンのほうが僕はよかったですね。

>ジャニーズ系はあんまり美しいと思いませんね。

 青の炎の二宮和也は、なかなかよかったと思うんですが…。

>変態の一番は、やっぱ「芋虫」でしょう(笑)。

 僕もそう思います(笑)。

>私ね、実はここで愛人の顔がチラッと映り、それが浅野だったらいいなぁと思ったんです。
>実際は違う人なのに、そう見えてしまうという風に。


 なるほど〜。ますます変態路線から離れ、純愛路線まっしぐらですね(笑)。

>そうなると、ヤマさんがお書きの部分がより浮かび上がるかなぁと思ったんです。

 確かに、孤独感、募りますね〜。

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投稿者:ケイケイ 投稿日:12月12日(月)17時51分21秒
>そないなこと言うと、爺さんと思われるやないですか(笑)。

 ヤマさん@眼鏡のオジサマ(笑)、大丈夫です、お若いと言ってあります(笑)。
 この子も若くに結婚したので、40歳にして子供は21歳と20歳です。
 この子の次に私が若く、子育て中は年上の先輩お母さんから二人して可愛がってもらいました。今は女性もみんな働いているでしょう? 時間に融通がきくのが彼女だけなので、一番いっしょに映画を観ます。以前はメジャー作品しか観なかったのですが、私が連れますので、最近はミニシアター系もよくいっしょに観ています(笑)。観た後すぐに色々話せるのは、やっぱり楽しいですよね。

>『青の炎』の二宮和也は、なかなかよかったと思うんですが…。

 この作品は未見です。良かったってよく聞きますね、というか読みます(笑)。
 機会があれば観たいです。出来ればやっぱりスクリーンで(^^)。

>僕もそう思います(笑)。

 あの奥さん、元々Sの気もMの気もあったように感じました。
 夫が出征する以前から、結構変態チックな夫婦生活だったかも(笑)。




推薦テクスト:「神宮寺表参道映画館」より
http://www.j-kinema.com/rs200511.htm#ranpo-jigoku
by ヤマ(編集採録)

'05.11.27. テアトル梅田
      



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