忘れる(すべ)など ないものか

風が ざわざわ 吹いたって

貴方の 声になっている

忘れる(すべ)など ないものか

風が襟元 入ってきたら

貴方の指先 すべりこむ

 

 忘れる(すべ)など ないものか

宿る 露さえ 葉の上で

貴方の 顔に見えてくる  

忘れる術など ないものか

露がきらきら 輝く見ても

貴方の口元 思い出す

 

忘れる(すべ)など ありゃしない

小鳥 清らに 啼いたって

貴方の 胸で喘ぎ泣く

その日がいつも いつまでも

続かないなら 来ないならば

忘れる術など ありゃしない