それは それは秋……

汗かき峠を超えたら 頬に秋風

紅葉(もみじ)の舞い散る 街道筋

柿 りんご いちじくも たわわに実る

人は リスのよう 前歯で ポリポリ カリカリ  

空高く 足取り軽く 目には張り 心にたすき

満員の電車に 乗り込んでくる かんばせ(すが)し 




そんな秋の始動が好き

真っ赤なビロードのマントなど ひるがえし闊歩する

魔女の息吹に似た始動が好き 

それは それは秋……

一筋縄では行かない 恋の道行き(みちゆき)

散り往く運命(さだめ)の 紅葉(もみじ)(あかし)

会いたさに 身を焦がし 夜道を急ぐ

肌を合わすたび 他人で別れる切なさ 

色ごとと 昔の人は 言いました エロスが(よど)

赤黒い泥沼に 足踏み外し 溺れる男女(ふたり)

 

深い秋の鼓動が好き

二人して見つめ合い睦み合い じれながら堕ちていく

恋の吐息に似た鼓動が好き 

それは それは秋……