二代そろって 牧歌的


はるか 離れた 村はずれ

実家の 畑に 行ったのよ

谷間にかかる 赤い 鉄橋を

列車が アニメの ように 渡るの 見えた

父が 私に しみじみ言った

なあ~ みこちゃんや 「牧歌的だと 思わぬか」

 
 
   
   
   

何か 伝えた かったのね    

すててこ 姿の 父さんが

「旅しておいで」なんて 言ったのよ

三人 幼い 子供 いたのよ 当時

詩人 なりたきゃ 見聞広め

きっと それでしょう 果たせなかった つぶやきか

   
   
 

子供 みたいに 純粋で

現実離(げんじつばな)れの 父さんは

生活力は 欠ける 人だった

詩人に なりたい けれど なれずに 逝った

父の 片鱗 持ってる (やそじ)

あああ 難儀だね 二代そろって 牧歌的