眠れぬ夜には 思い出す

瞼の裏に れんげの畑

少女(こども)の私が 身体をうずめた

ふんわり背中 仰ぐ空

走馬灯のよう かけめぐる

還暦間近な 私です

 

 寝床はいつしか 日本海(うみ)になる

潮騒聞こえ 十五の私

漁火(いさりび) 勉強部屋(へや)まで ぱっーと飛び込み

頑張れ定期考査(しけん) 励ました

まるで昨日の ことのよう

還暦間近な 私です

 

筋書き背いて 黄泉の(ひと)

独り寝慣れた 四年も経てば

少女(こども)の頃には まだ見ぬ(ひと)だった

親より長く 暮らしたに

暦が再び (かえ)るから

めぐって合えるね もう一度