晩秋が たたずんで
どこに 行っても たたずんで
そこを 通してと 訴えても 知らん顔
仁王様のように 立ちはだかる
かさこそと 枯葉踏む 音ばかり
たまらなくて 涙ぐみ
我の影(かげ)も 一緒に 涙ぐみ
なのに それなのに この世界に 浸りたい
連れて行って 遠く さらって行って
晩秋と 心中 するところ
晩秋の 枯れススキ
風に そよそよ 揺れている
わびしさ極み この地上に まき散らし
冬がそばに来てる そう つぶやく
人もまた 人もまた 枯れすすき