芦別炭鉱 下芦別坑跡 探検: 北の細道 三菱芦別鉱業所 下芦別坑

芦別炭鉱 下芦別坑の棄てられた選炭機



北海道芦別市

 採掘されたばかりの石炭には 「石英」二酸化ケイ素からなる鉱物でガラス光沢がある。透明のものを水晶と呼ぶ 「アルミナ」地殻中に多く存在するアルミニウムのもっとも安定状態のもの。酸化アルミニウムの工業的、鉱物学的名称 など燃えにくい鉱物も多く含まれている。
このような不燃性の鉱物が多く含まれたままでは発熱量が低くなってしまう。
そこで掘り出された石炭から不燃性の鉱物を含む粗悪な石炭を取り除くのが選炭の主目的だ。

あとは灰分(発熱量)調整、水分調整、粒度調整を行い均質化すること、
また、採掘時に紛れこんだ金属や木片等の除去も同時に行われる。

石炭の代表的な機械選別には大きく二種ある。
含まれる炭素が空気と結びつきやすく、その性質を利用した方法が泡による浮遊選炭であり、
不純物が多いほどその比重が高くなるので、その比重差を利用する比重選炭がある。

浮遊選炭(=浮選)は水槽内で水に濡れにくい石炭の微粒子を、
吹き込んだ気泡の表面に付着させて水面に浮かび上がらせ分離させる方法である。
浮遊選鉱

対して比重選炭には水を上下に動かして波の力で選別を行うジグ選別、
比重選鉱

良炭(黒)とズリ(白)の中間比重の重液と呼ばれる液体内で浮かぶ良炭をより分ける重液選別がある。
重液選鉱


浮遊選鉱は粒子径0.5o以下の微粉炭向け、
ジグ選鉱はどちらかというと旧式、重液選鉱は5o以上の荒粒子、
そして0.5〜数十oの細粒にも適している。

最終的にはエンドユーザーの要望に応えるべく、
粒度や発熱量別に分類した原炭を、
ブレンドしたり成分調整を行い出荷することとなる。


芦別炭鉱は 三井系三菱系油谷明治上芦別、高根と 大きく五山がある中で、
今回は三菱系の時代後期に繁栄した下芦別坑に焦点を当てたいと思う。

本坑は明治時代に試掘権が設定されていたものの、
実際の開坑は大正4年(1915)になってからで、 長期間の炭層調査が執り行われてきた。
専用鉄道の敷設など、繁栄を極めたものの昭和8年(1933)に一旦休山する。

戦後、昭和22年(1947)から三菱芦別炭鉱は再開への着手にかかり、
上芦別を中心に復活を遂げ、昭和30年(1955)には日産2万tに達する。

古い地形図にも記される『せきたん』の文字を追って秋のヤマへ入る。





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選炭所
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