芦別高根炭礦 高根鉱業所跡 探検: 北の細道 高根炭鉱

高根鉱業所跡 馬橇、索道そしてトラックに





北海道芦別市

坑道の掘削距離が延び坑内通気系統が複雑化すると、鉱床入気温度が次第に上昇し、
鉱石および坑内充填物の酸化熱等により坑内環境が悪化する。

この対策としては局部扇風機の増設、各風門(坑道内の扉)の強化等を行なうが、
それでも十分な効果が得られないときには、新しく排気立坑を開削することとなる。
立坑位置は通気量や入気温度、通気抵抗などにより検討され、
据え付ける扇風機のスペックが検証される。

掘削部の地質、地下水の有無などが調査され、地質柱状図が作成される。
掘削は穿孔発破(せんこうはっぱ)と呼ばれる工程から進み、
これは堅固な岩盤などに小さな穴を開け、そこに爆薬を装填し、
火薬によって岩石を砕き掘削する方法だ。

発生したズリをキブルと呼ばれるウインチ式のバケットで搬出、
作業員はスカフォードという吊り下げ式の移動足場に載って、
開いた立坑の周囲の壁をブロックやコンクリートで固める築壁の作業を行い、
この繰り返しをもって深く掘削する。

この穿孔発破−ズリ処理−築壁を1サイクルとすると、
この1サイクル工程の掘削深さは1.4m/日程度となる。


高根炭鉱 については以前レポートした。

高根鉱業所の鉱区は石狩炭田の北翼を占め、芦別市と赤平市にまたがる国有林に存在した。
開坑は昭和13年(1938)12月、閉坑は昭和42年(1967)5月7日となる。
今回の探索は鉱区の片隅に辛うじて残存した排気風洞の廃祉だ。
一坑、二坑、三坑とその坑道に繋がっていたであろう通気施設の遺構だ。

残念ながら具体的な資料にはヒットしなかったが、
その色濃く残る体躯をご覧いただきたい。  



排気立坑・索道・坑道・・・




排気立坑
排気立坑





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