これは明治天皇の御製です。私たちの神様に対する気持ち |
は、この御歌に言い尽くされていると思います。私利私欲を |
すてて、公につき、清く明るい心を培っていくことが古来、 |
日本人のりそうとされました。そうした心のあり方を「あか |
き心」と表現し、すなわち、神にはじることのないまことの |
心ということです。 |
神まつりは、こうした心をおのずから深めます。ことに家 |
庭における日々のまつりが、こどもたちに与える力ははかり |
知れないものがあります。次代を担うこどもたちに、日常生 |
活に欠くことのできない倫理観をうえつけ、清く明るい心を |
育てていく上で、私たち大人がまず、家庭における日々のま |
つりを通してまことの心を養うことを忘れてはならないでし |
ょう。 |
私たちの幸福のもとは、なんといっても家庭にあります。 |
よき人生も、あしき人生も、家庭のあり方によって決まると |
いってもいいでしょう。一家の人々が心を合わせて、神々を |
敬い、先祖を尊ぶ気風は、日本の歴史の中で培われ、貫かれ |
てきました。この気風、家庭のあり方がおのずから円満な家 |
庭をもたらしました。この家庭のまつりの中心になるのが神 |
棚や祖先の霊舎であります。 |
【かごしま暦】より |