カネボウ化粧品           被害対策北海道弁護団 本文へジャンプ
訴訟の提起について
 カネボウ化粧品被害対策北海道弁護団は、2015年4月17日、株式会社カネボウ化粧品に対し、同社の美白化粧品に起因して白斑等被害が生じたとして、北海道内在住の年齢30歳代から60歳代の女性13名を原告とする損害賠償訴訟を札幌地方裁判所に提起いたしました。各原告の被害額はそれぞれに異なっていますが、今回の訴訟においては、それら損害額の一部として、少ない方で460万円余り、多い方で1,000万円余り、合計1億0715万1403円の賠償を求めています。

 当弁護団は、2013年12月7日に札幌弁護士会消費者保護委員会が実施した「カネボウ白斑被害110番」をきっかけとして結成され、被害者の方々からのご相談に対応し、2014年2月22日には被害者説明会を開催いたしました。その後、カネボウ化粧品は、2014年6月に、(1)医療費・交通費、(2)精神的慰謝料、(3)休業補償の支払いを行うことを明らかにし、今回の原告の中にも、これらの支払いを受けた方が含まれています。しかし、特に精神的慰謝料にかかる支払額は、被害者のそれまでの苦痛を填補するものとして十分なものではないのみならず、その支払基準も不明瞭なものでしかありません。また、2014年11月28日に、カネボウ化粧品は、後遺症慰謝料相当の補償を行う旨を公表していますが、これについても具体的な補償基準は示されず、本件の早期の幕引きを図ったものと考えられます。

 本件白斑等の被害は、時間の経過とともに一定の改善が見られる方もおられますが、原告らのように、依然として症状が残り、改善傾向が見受けられない方々も少なくありません。そこで、当弁護団は、これ以上、カネボウ化粧品による任意の対応に期待することはできないものと判断し、訴訟の場においてカネボウ化粧品の責任を明らかにするとともに、裁判所に対して適正な賠償を求めていかざるを得ないものと考えて、今回の提訴に至りました。

 なお、今回は、当弁護団のみならず、東京弁護団、大阪弁護団、姫路弁護団及び福岡弁護団が、それぞれの地において同様の損害賠償請求訴訟を提起し、すでに訴訟を提起している東北弁護団および滋賀弁護団も追加提訴を行いました。これら7弁護団は、その原告数を異にし、請求額についても当弁護団のように一部請求とするところも見られるなど様々ではありますが、すでに訴訟を提起している弁護団及び今後提訴を予定している弁護団と情報を共有し、それぞれの弁護団の独自性を尊重しながら連携をとって今後の活動を進めて行くことになります。今回提訴された訴訟は、その合計において、原告数約80名、請求総額約12億円となっており、先行する訴訟と合わせ、全国14か所において、原告総数約180名、請求総額約19億円となります。