(H30.7.2)
調停成立のご報告
当弁護団は、カネボウ化粧品に対し、損害賠償を求める訴訟手続を進めておりましたが、カネボウ化粧品との間で和解協議を進めた結果、平成30年7月2日、札幌地方裁判所において、原告全員について調停が成立いたしましたので、ご報告いたします。
調停成立にあたっての当弁護団長の声明は、以下のとおりです。
平成30年7月2日
カネボウ白斑被害北海道訴訟の解決にあたって
カネボウ白斑被害北海道弁護団
団長 八 十 島 保
札幌地方裁判所において、株式会社カネボウ化粧品の製造販売にかかる美白化粧品によって生じた白斑被害に対し、平成27年4月に第1次提訴を行い、その後同年7月に第2次提訴を行い、その後審理及び和解のための話し合いがなされていたところ、本日、原告18名全員について調停に付された上、調停が成立した。
原告らは顔、首、胸、手等に白斑が生じ、長期に亘り苦しみの歳月を過ごしてきたものであり、今後も白斑の後遺症を抱えて生活していかなければならない。原告らは3年に亘る訴訟において、製造物責任法第3条に基づき、原告らの精神的経済的被害が甚大であること、被告株式会社カネボウ化粧品はこれらの被害を適切かつ十分に賠償する責任があることを、十二分に主張・立証してきた。
被告株式会社カネボウ化粧品の強い要請により、各原告への賠償額を開示することはできない。もとより原告らの苦しみは金銭の給付をもって代償されるものではないとしても、原告弁護団としては、今日の裁判実務に照らし、各原告の被害に対し法的責任に基づき適正な賠償がなされたものと考えている。
また、被告株式会社カネボウ化粧品は、本調停において、「本件化粧品を使用された申立人に白斑様症状が生じたことについて深く反省し、肌に直接触れる製品をお届けするメーカーとしての責任を重く受け止め、心よりお詫びするとともに、再発防止に努める」ことを確認した。これは、被害を受けた原告らの心からの願いであり、被告株式会社カネボウ化粧品においては本件を重く受け止め、誠実に実行されることを強く求める。
(H29.5.17)
第3回弁論準備期日のご報告と第4回弁論準備期日のご案内
平成29年5月11日(木)午後4時から,札幌地方裁判所において,第3回弁論準備期日が行われましたので,その内容についてご報告いたします。
カネボウ化粧品から,カネボウ化粧品の従業員により原告の皆様の直近の詳細な写真を撮影させて欲しいとの要請がありました。 これについて,当方から,原告の皆様の白斑の症状は,写真では必ずしも正確に反映できないことも多々あるため,写真よりも,医師が肉眼で症状を確認して作成した診断書を重視すべきである旨を主張する書面を提出しました。
また,期日においても,当方から,症状固定となった原告の皆様の多くについてはすでに詳細な写真を提出しており,必ずしも原告全員について写真撮影は必要ないのではないかとの意見を述べました。これに対し,カネボウ化粧品からは,繰り返し,写真撮影の要請がありました。
写真撮影については,期日後も引き続き検討・協議することとなりました。加えて,当方から,症状固定となった原告の皆様のうち数名について,陳述書や診療録等を証拠として提出しました。
次回期日の日程は下記のとおりとなりました。 次回期日も,主張や証拠について詳細を整理するために,「弁論準備」という手続で行われます。 この期日も,原告の方々はご本人として参加し傍聴することが可能です。また,期日後にはこれまでと同様に別室にて事件の進行等についてのご説明をさせていただく予定ですので,ぜひお越しください。
日時 平成29年8月17日(水) 午後4時から 場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)3階
(H28.8.5)
第6回裁判期日のご報告と第7回裁判期日のご案内
平成28年7月19日(火)午後4時30分から,札幌地方裁判所において,第6回口頭弁論期日が行われました。
原告の皆様のうち,後遺症に関する診断書をご提出いただき,今後の改善が期待できない旨の診断を受けた方につきまして,後遺症による損害の賠償請求を追加しました。今回後遺症による損害の賠償請求を追加された原告の方は7名です。 また,これに関連して,診断書や医療記録なども証拠として提出しました。 加えて,前回,カネボウ化粧品から,原告の皆様それぞれの個別の事情について指摘がありましたので,これに対する反論等を提出しました。
他方,カネボウ化粧品からは,前回当方が提出した主張に対する反論が提出されました。その内容は,製造物責任の解釈やロドデノール開発までに行われた実験の内容などを理由として,カネボウ化粧品は責任を負わない,と主張するものです。
次回期日までに,カネボウ化粧品が,今回当方が行った追加請求や主張に対する反論などを提出することとなりました。 また,当方も,今回カネボウ化粧品が提出した主張に対する反論を行うとともに,後遺症による損害の追加請求を行う原告の方が他にもいらっしゃる場合は,追加請求の準備を進めることとなりました。
次回期日の日程は下記のとおりとなりました。この期日も誰でも傍聴することが可能ですので,ぜひお越しください。
日時 平成28年10月4日(火)午前11時30分から 場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)
(H28.5.16)
第5回裁判期日のご報告と第6回裁判期日のご案内
平成28年4月28日午後4時より、札幌地方裁判所において、5回目の裁判期日が開かれました。
この期日では、当方から、前回カネボウ化粧品側から提出された準備書面(カネボウ化粧品には損害賠償責任がない旨の主張が記載された書面)に対する反論の準備書面を提出しました。
また、当方からは、長期間症状の変化がない原告について、今後、医師からの意見を得た上で後遺症による損害の請求を追加する予定であることを説明しました。
他方、カネボウ化粧品側からは、当方が主張している原告の皆様それぞれの個別の損害について認否反論が記載された書面が提出されました。
次回期日までに、当方からは、今回カネボウ化粧品から提出された準備書面に対する反論や補充の主張立証等を提出することとなりました。また、後遺症による損害の請求を追加する原告については、その主張立証の提出を準備することとなりました。
他方、被告カネボウ化粧品は、今回当方が提出した準備書面に対する反論を提出する予定とのことでした。
今後、私たちは、カネボウ化粧品の主張に対する反論等の準備を行うとともに、後遺症による損害の請求についても準備を進めていく予定です。
次回期日の日程は下記のとおりとなりました。この期日も誰でも傍聴することが可能ですので、ぜひお越しください。
日時 平成28年7月19日(火)午後4時30分から
場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)
(H28.2.8)
第3回裁判期日のご報告と第4回裁判期日のご案内
平成27年12月1日午前10時00分より、札幌地方裁判所において、3回目の裁判期日が開かれました。
私たちは、事前に、前回提出された被告の主張に対する反論の書面を提出していましたが、期日ではこの書面が正式に裁判所で主張された扱いとなりました。
被告カネボウは、本件の化粧品の安全性を確認するための方法がなかったから本件の化粧品には「欠陥」がない、と言っています。これに対して、私たちは、そのような事情は「欠陥」があるかどうかを判断する上で全く関係のない事情であり、本件の化粧品に 「欠陥」があることは明らかであると反論しました。
次に被告カネボウは、当時の最高水準の科学技術を駆使しても本件の化粧品が白斑を生じさせるという欠陥があることを知ることはできなかった、と言っています。この言い分について、私たちは、製造物責任法という法律が作られた趣旨・目的(一言で言うと、被害者の救済を図るという目的)から考えると、このような言い分が認められるのは極めて限定的・例外的な場合だけであり、本件ではそのような場合には該当しないので、被告カネボウの言い分は通らないと反論しています。
私たちは、このような反論に加えて、これを裏付ける証拠も提出しています。
以上はカネボウの責任についての問題ですが、これに加えて、原告の皆さんが被った損害についての証拠(各原告の写真、診断書等)も提出しました。
なお、この訴訟の裁判記録の中には、皆さんのプライバシーに関するものも含まれていることから、閲覧や謄写できる人をこの裁判の当事者に限定することを求める申立を行いました。
次回の期日までに、私たち原告側では、皆さんたち各人が被った損害に関する主張を行う予定です。
これに対し、被告側は、私たちが提出した書面に対する反論を書面で行う予定です。
次回期日(第4回期日)の日時場所は以下のとおりです。
どなたでも傍聴可能ですので、ぜひお越しください。
日時 平成28年2月9日(火)午後4時00分から
場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)
805号法廷
(H27.11.4)
カネボウから和解書や同意書への署名を求められていませんか?
私達弁護団に相談に来られている方の中に、カネボウから和解の提案をされている、または医療費の負担について同意書への署名を求められている方がいます。
カネボウは、和解や同意書への署名を求める際に、和解の内容や和解をしたこと、あるいは同意書に署名したことについて、同居の家族以外の第三者に口外してはならないと言っているようです。
もしカネボウからそうしたことが言われていたとしても、私達弁護団に相談することは何の問題もありません。
また、皆様が私達弁護団に相談している事実がカネボウ側に伝わる可能性もありません。
もしカネボウから和解書や同意書の署名を求められたら、署名する前に私達にご相談下さい。
(H27.10.27)
第2回裁判期日(第2次提訴の第1回期日)のご報告と第3回裁判期日のご案内
平成27年9月15日午後1時30分より、札幌地方裁判所において、2回目の裁判期日が開かれました。
この期日では、まず最初に、後から裁判を起こした分も一緒に裁判を行うとの決定がなされました。
そのため、次回からは、一緒に裁判がなされることになります。
次に、この日の裁判に向けて、被告からは、こちらの主張に対する反論書面が提出されていましたが、この書面が、正式に裁判所に提出された扱いになりました。
被告は、この書面で、本件の化粧品の製造販売を行うための承認手続きを経ており、これを前提とすると、当時の最高水準の科学技術でも本件の化粧品が白斑を生じさせるという欠陥があることを認識することができなかったという主張(これを法律用語で「開発危険の抗弁」といいます。)をしています。
そして、これらの主張を基礎づけるための証拠が提出されました。
これに対し、原告側は、被告が提出した証拠のうち、英語の論文で、一部しか訳文が記載されていないものについては、全文の訳文を提出するよう求めました。
次回の期日までに、われわれは、今回出された被告の主張に対する反論を行い、これと平行して、損害についての証拠(各原告の写真等)を提出する予定です。
英文の論文については、被告の側で対応を検討することとなっています。
次回期日(第3回期日)の日時場所は以下のとおりです。
どなたでも傍聴可能ですので、ぜひお越しください。
日時 平成27年12月1日(火)午前10時00分から
場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)
805号法廷
(H27.6.24)
第1回裁判期日のご報告と第2回裁判期日のご案内
平成27年6月23日午前10時より、札幌地方裁判所において、第1回期日(口頭弁論期日)が開かれました。
第1回期日では、原告側から訴状のとおり主張し、被告側から請求の棄却を求める旨の答弁がなされました。
引き続いて、原告の方1名から、白斑等の被害の実情についての意見陳述を行いました。
また、当弁護団から、訴訟の進行等に関する意見陳述を行いました。
次回期日の日時場所は以下のとおりです。
どなたでも傍聴可能ですので、ぜひお越しください。
日時 平成27年9月15日(火)午後1時30分から
場所 札幌地方裁判所(札幌市中央区大通西11丁目)
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