解糖系
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三大栄養素である「糖質」「タンパク質」「脂質」は、呼吸基質(内呼吸で分解される有機物)です。 糖質の代表格であるデンプンは、アミロースやアミロペクチンで構成される多糖類であり、 食べると、まず、唾液に含まれる酵素アミラーゼにより、二糖類であるマルトースに加水分解されます。 (食道)→(胃)→(小腸)と運ばれたマルトースは、小腸上皮にある酵素マルターゼにより、 単糖類であるグルコース(六炭糖)に加水分解され、体内へと吸収されます。 細胞内に入ったグルコースは、「解糖系」「クエン酸回路」「電子伝達系」という、3つの反応段階を経て、 二酸化炭素と水に分解され、そのときに得たエネルギーをATPとして蓄積します。 ここでは、まず、「解糖系」について見ていきましょう! ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 【前半戦】・・・1分子のグルコースから、2分子のグリセルアルデヒド−3−リン酸ができるまで。 (01)ヘキソース(六炭糖)・・・グルコースは、炭素数が6の炭水化物です。 (02)ヘキソキナーゼ・・・ATPのγ−リン酸基を、ヘキソースのヒドロキシメチル基に転移させる酵素。 (03)グルコキナーゼ・・・グルコース用に特化したヘキソキナーゼです。 (04)グルコース−6−リン酸・・・グルコースから、グルコキナーゼにより、生成します。 (05)グルコースリン酸イソメラーゼ・・・異性化を促す酵素を「イソメラーゼ」と言います。 (06)フルクトース−6−リン酸・・・グルコース−6−リン酸の異性化により生じます。 (07)フルクトース−6−リン酸キナーゼ・・・リン酸を付加する酵素を「キナーゼ」と言います。 (08)フルクトース−1,6−ビスリン酸・・・フルクトース−6−リン酸に、リン酸基をもう1個プラス。 (09)アルドラーゼ・・・( C6H14O12P2 )=( C6H14O12P2 )× 2 です。 (※)フルクトース−1,6−ビスリン酸から、 ジヒドロキシアセトンリン酸(@)と、グリセルアルデヒド−3−リン酸(A)になります。 (10)トリオースリン酸イソメラーゼ・・・@が異性化してAになります。 (※)酵素アルドラーゼが触媒する「アルドール反応」は、有機合成化学でも学ぶ重要な反応です。 反応機構は、どのようなものなのでしょうか?・・・一緒に学んでいきましょう! 【後半戦】・・・グリセルアルデヒド−3−リン酸から、ピルビン酸ができるまで。 (11)グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ・・・デヒドロゲナーゼは、水素を奪う酵素です。 (12)グリセリン酸−1,3−ビスリン酸・・・酸化によりアルデヒドからカルボン酸になり、さらにリン酸化。 (13)グリセリン酸リン酸キナーゼ・・・キナーゼは、リン酸を脱離させることもできるのですね。 (14)グリセリン酸−3−リン酸・・・グリセリン酸−1,3−ビスリン酸から、リン酸を1つ取りました。 (15)グリセリン酸リン酸ムターゼ・・・「ムターゼ」も異性化を促す酵素です。 (16)どう違う?・・・「イソメラーゼ」と「ムターゼ」は、どう違うのでしょうか? (17)グリセリン酸−2−リン酸・・・グリセリン酸−3−リン酸の異性化により生成します。 (18)エノラーゼ・・・脱水を促す酵素です。 (19)ホスホエノールピルビン酸・・・グリセリン酸−2−リン酸から脱水により生成します。 (20)ピルビン酸キナーゼ・・・ホスホエノールピルビン酸からリン酸を脱離させてピルビン酸へ。 (21)ピルビン酸(高3)・・・解糖系の最終産物です。 (※)ピルビン酸は「クエン酸回路」へと運ばれます。→ こちら 「栄養素の代謝」に戻る |
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