尿素

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有機化学において、最も頻繁に登場する原子は炭素と水素であり、

それ以外の原子は「ヘテロ原子」と呼ばれています。

ヘテロ原子の中で多く登場するのは酸素と窒素であり、

これまで、酸素原子を含む化合物(アルコールアルデヒドカルボン酸)を見てきました。

次に、窒素原子を含む化合物として「尿素」見てみましょう!



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【アンモニア】・・・尿素の合成に用います。


(01)
フリッツ・ハーバー・・・1906年に「ハーバー・ボッシュ法」を開発したドイツの化学者です。

(02)
カール・ボッシュ・・・1906年に「ハーバー・ボッシュ法」を開発したドイツの化学者です。

(03)
ハーバー・ボッシュ法・・・窒素と水素からアンモニアを合成する方法です。



【二酸化炭素】・・・尿素の合成に用います。

(04)
メタン(高2)・・・水と反応させると、合成ガス(一酸化炭素と水素)を生成します。

(05)
一酸化炭素(高2)・・・水と反応させると、二酸化炭素と水素を発生します。



【尿素】・・・炭素数1の有機化合物です。 アンモニアと二酸化炭素から合成されます。


(06)
カルバミン酸・・・アンモニアと二酸化炭素から生成します。

(07)
反応機構@・・・アンモニアによるカルボニル炭素への求核的攻撃。

(08)
反応機構A・・・脱プロトン化。

(09)
反応機構B・・・プロトン化。

(10)
反応機構C・・・脱水により、カルバミン酸が生成します。

(11)
反応機構D・・・カルバミン酸が、更なるアンモニアと反応すると、カルバミン酸アンモニウムが生成。

(12)
反応機構E・・・カルバミン酸アンモニウムの脱水により、尿素が生成します。



【尿素SCRシステム】・・・排ガス浄化技術の1つです。


(13)
尿素SCRシステム・・・ディーゼルエンジンの排気に含まれる窒素酸化物( NOx )を浄化します。

(14)
「SCR」・・・「 Selective Catalytic Reduction(選択的触媒還元)」の略称です。

(15)
ステップ@・・・尿素の加水分解により、アンモニアが生成します。

(16)
ステップA・・・生じたアンモニアが窒素酸化物と反応して、窒素にします。



【尿素樹脂】・・・ボタンや接着剤の原料として利用します。


(17)
尿素樹脂(高3)・・・ホルムアルデヒドと尿素の縮合重合により生成します。

(18)
反応機構@・・・ホルムアルデヒドのプロトン化。

(19)
反応機構A・・・共鳴安定化により、カルボカチオンの生成。

(20)
反応機構B・・・カルボカチオンを、尿素が求核攻撃。

(21)
反応機構C・・・脱プロトン化。

(22)
反応機構D・・・ヒドロキシ基のプロトン化。

(23)
反応機構E・・・脱水。

(24)
連鎖反応・・・尿素による求核的攻撃と、ホルムアルデヒド由来のカルボカチオンの付加の繰り返し。

(25)
熱硬化性樹脂(高3)・・・尿素樹脂のように、熱していったん硬くすると、再び軟化しません。

(26)
熱可塑性樹脂(高3)・・・熱すると軟化し、冷やすと硬くなる合成樹脂です。

(27)
メラミン・・・尿素の脱水により得られます。

(28)
メラミン樹脂・・・メラミンとホルムアルデヒドから合成される熱硬化性樹脂です。

(29)
アミノ樹脂・・・尿素樹脂やメラミン樹脂のように、アミノ基とホルムアルデヒドの縮合重合から合成。



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