ホルムアルデヒド

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アルコールを酸化するとアルデヒドになり、アルデヒドを酸化するとカルボン酸になります。

(アルコール)→(アルデヒド)→(カルボン酸)というルートは、頭に入れておかねばなりません。

炭素数が最小のアルコールであるメタノールを酸化するとホルムアルデヒドになります。

ホルムアルデヒドは、尿素樹脂やフェノール樹脂など、合成樹脂の原料として利用されています。



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【ホルムアルデヒド】・・・尿素樹脂やメラミン樹脂、フェノール樹脂の原料として利用します。


(01)
カルボニル基(高3)・・・炭素原子と酸素原子の二重結合をもつ官能基です。

(02)
アルデヒド(高3)・・・カルボニル基に結合する原子の1つが水素原子であるものです。

(03)
ホルムアルデヒド(高3)・・・最も簡単なアルデヒド。 メタノールを酸化すると生成します。

(04)
工業的製法・・・メタノールを600℃に加熱し、脱水素させます。

(05)
触媒・・・銀を用います。 なぜ、銀なの?

(06)
実験的製法・・・「ジョーンズ酸化」により、メタノールを酸化します。

(07)
エワート・ジョーンズ・・・1946年に「ジョーンズ酸化」を考案したイギリスの化学者です。

(08)
ジョーンズ酸化・・・「ジョーンズ試薬」を用いてアルコールを酸化し、アルデヒドにする反応です。

(09)
ジョーンズ試薬・・・無水クロム酸(酸化クロム CrO3 )の濃硫酸溶液です。

(10)
クロム鉄鉱・・・主成分は鉄(U)クロム(V)酸化物 FeCr2O4 です。

(11)
クロム酸ナトリウム・・・クロム鉄鉱と炭酸ナトリウムを混ぜて加熱すると生成します。

(12)
クロム酸イオン・・・クロム酸ナトリウムに水を加えると電離。

(13)
クロム酸水素イオン・・・クロム酸イオンの加水分解により生成します。

(14)
濃硫酸・・・プロトンの供給源になります。



【ジョーンズ酸化の反応機構】


(15)
反応機構@・・・ジョーンズ酸化は、メタノールのプロトン化からスタート!

(16)
反応機構A・・・脱水により、カルボカチオンが生成します。

(17)
反応機構B・・・求核剤としてのクロム酸水素イオンがカルボカチオンを攻撃します。

(18)
酸素と結合する炭素上の水素・・・クロムが最高酸化数の+6であるため、水素が正に帯電します。

(19)
反応機構C・・・水が塩基としてはたらくことにより、脱プロトン化。

(20)
反応機構D・・・共鳴安定化により、負電荷が移動します。

(21)
反応機構E・・・クロムの脱離により、アルデヒドが生成します。

(22)
クロムイオン・・・酸化剤としてはたらくことで、自身は還元されて(+6)→(+4)→(+2)。

(23)
不均化・・・(+6)と(+2)から、(+5)と(+3)になります。

(24)
最終的には・・・(+5)が(+3)となり、結局、(+6)から(+3)になります。



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