指数・対数

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高校数学では、指数の範囲を、自然数から整数全体へ、さらには有理数全体へ拡張していき、

最後には実数全体へ拡張したところで「指数関数」を導入します。

・・・ですが、指数を有理数全体に拡張するところまでは、ちゃんとした説明があるものの、

指数を実数全体に拡張するところで、「そんなもんだから、受け入れて!」という感じの説明しかなく、

本当に実数全体に拡張して良いのかどうか不安になります。

この不安定な基盤の上に「指数関数」を乗せるので、指数関数が連続関数であるのかどうか揺らいでしまいます。

さらに、指数関数を定義してから、対数関数を定義するので、

対数関数の連続性についても、やはり不安が拭い去れません。

・・・発想を変えたいと思います。



学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。

「こう項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。

自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。

カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。



【指数】・・・「10000000000」と書くと、0が何個あるのか分かりにくいです。 そんなとき・・・


(01)
累乗(中1)・・・同じ数を何個か掛け合わせたものを、その数の「累乗」と言います。

(02)
指数(中1)・・・掛け合わせた個数を示す数です。

(03)
底(中1)・・・「an」において、aを「底」、nを「指数」と言います。

(04)
指数法則(中1)・・・「底の掛け算」は「指数の足し算」です。

(05)
指数の拡張(その1)(高2)・・・“0乗”すると、必ず1になります。

(06)
指数の拡張(その2)(高2)・・・“−1乗”すると、どうなるのでしょうか?

(07)
指数の拡張(その3)(高2)・・・“1/2乗”すると、どうなるのでしょうか?



【対数】・・・数の大小を考えるときに、その桁数に注目してみました。


(08)
真数(高2)・・・「logam」において 、aを「底」、m を「真数」と言います。

(09)
対数の性質(高2)・・・指数法則と対数の定義により、特徴ある性質が生まれます。

(10)
底の変換公式(高2)・・・異なる底をもつ対数の計算は、まず、底を揃えることから始めます。



【対数関数】・・・ y = 1/x を積分したものが対数関数です。


(※)事前に、「関数の連続性」について学んでおくと良いです。 → こちら

(11)
y = 1/x ・・・連続関数です。

(12)
L(x) ・・・ここでは、y = 1/x を積分したもの、として定義します。 連続関数です。

(13)
L(x) の性質@・・・a > b ⇔ L(a) > L(b)。

(14)
L(x) の性質A・・・L(ab) = L(a) + L(b)。 L(a/b) = L(a) − L(b) 。

(15)
L(x) の性質B・・・ n・L(a) = L(an)。

(16)
対数関数・・・(13)〜(15)より、L(x) を「対数関数」と定義しよう!



【指数関数】・・・“対数関数の逆関数”で定義しよう!


(17)
逆関数の存在・・・対数関数は、狭義単調増加な連続関数なので、逆関数を考えることができます。

(18)
対数関数の逆関数・・・指数法則が当てはまるので、「指数関数」と定義しよう!

(19)
指数関数・・・連続関数です。



【対数関数・指数関数の導関数】


(※)事前に、「微分法」について学んでおくと良いです。 → こちら

(20)
自然対数(高3)・・・対数関数を微分したときに 1/x になるよう選んだ底です。

(21)
指数関数の微分法(高3)・・・「逆関数の導関数」を利用します。

(22)
y = xn の導関数(その5)(高3)・・・nが実数のときの微分です。



(※)「指数」は、「星までの距離」や「物質量」など、大きな数を表すときに使います。

   「対数」は、「水溶液の液性(pH)」や「マグニチュード(地震の規模)」などに用いられています。



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