事業所得の総収入金額の収入すべき時期は、次の収入金額についてはそれぞれ次に掲げる日によります(別段の定めがある場合を除きます)。
- 棚卸資産の販売(試用販売及び委託販売を除く。)による収入金額については、その引渡しがあった日
- 棚卸資産の試用販売による収入金額については、相手方が購入の意思を表示した日。
ただし、積送又は配置した棚卸資産について、相手方が一定期間内に返送又は拒絶の意思を表示しない限り特約又は慣習によりその販売が確定することとなっている場合には、その期間の満了の日
- 棚卸資産の委託販売による収入金額については、受託者がその委託品を販売した日。
ただし、当該委託品についての売上計算書が毎日又は1月を超えない一定期間ごとに送付されている場合において、継続して当該売上計算書が到達した日の属する年分の収入金額としているときは、当該売上計算書の到達の日
- 請負による収入金額については、物の引渡しを要する請負契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の提供を完了した日。
ただし、一の契約により多量に請け負った同種の建設工事等についてその引渡量に従い工事代金等を収入する旨の特約若しくは慣習がある場合又は1個の建設工事等についてその完成した部分を引き渡した都度その割合に応じて工事代金等を収入する旨の特約若しくは慣習がある場合には、その引き渡した部分に係る収入金額については、その特約又は慣習により相手方に引き渡した日。
- 人的役務の提供(請負を除く。)による収入金額については、その人的役務の提供を完了した日。
ただし、人的役務の提供による報酬を期間の経過又は役務の提供の程度等に応じて収入する特約又は慣習がある場合におけるその期間の経過又は役務の提供の程度等に対応する報酬については、その特約又は慣習によりその収入すべき事由が生じた日。
- 資産(金銭を除く。)の貸付けによる賃貸料でその年に対応するものに係る収入金額については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)。
- 金銭の貸付けによる利息又は手形の割引料でその年に対応するものに係る収入金額については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)。
ただし、その者が継続して、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日により収入金額に計上している場合には、それぞれ次に掲げる日。- 利息を天引きして貸し付けたものに係る利息 その契約により定められている貸付元本の返済日
- その他の利息 その貸付けに係る契約の内容に応じ、契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)
- 手形の割引料 その手形の満期日(当該満期日前に当該手形を譲渡した場合には、当該譲渡の日)
- 農業所得の場合には、収穫基準の規定があります。
棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じ、次のような引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、継続して収入金額に計上することとしている日によります(これを「販売基準」といいます)。
- 出荷した日(出荷基準)
- 納品した日(納品基準)
- 相手方が検収した日(検収基準)
- 相手方において使用収益ができることとなった日(使用収益基準)
- 検針等により販売数量を確認した日(検針基準)等
請負契約の内容が建設、造船その他これらに類する工事(以下「建設工事等」という。)を行うことを目的とするものであるときは、その建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じ、次のような引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、継続して収入金額に計上することとしている日によります。 - 物の引渡しを要するもの
- 目的物を全部引き渡した日(完成基準:原則)
- 完成部分を引き渡した日(部分完成基準)
- 作業を結了した日
- 相手方の受入場所へ搬入した日
- 相手方が検収を完了した日
- 相手方において使用収益ができることとなった日等
- 物の引渡しを要しないもの
- 役務の全部を完了した日(役務完了基準:原則)
- 部分的に収益が確定した日(部分完了基準)
- 作業を結了した日
- 相手方の受入場所へ搬入した日
- 相手方が検収を完了した日
- 相手方において使用収益ができることとなった日等
棚卸資産を販売した場合でその年の12月31日までにその販売代金の額が確定していないときは、同日の現況によりその金額を適正に見積もらなければなりません。この場合、その後確定した販売代金の額が見積額と異なるときは、その差額は、その確定した日の属する年分の総収入金額又は必要経費とします。
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