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ダラットの気候など | ||||||
ダラットは、一言で言って、大きな人造湖の周りに町とゴルフ場が配され、フランス統治時代にフランス人が開発したという建物も残る美しい町である。 林 芙美子の「浮雲」の中の記述によれば、 「海抜1600米位で、気温も最高25度、最低6度位で、・・・」 となっているように気候もいい。ただ、自分が訪れた3月4日〜6日の時点の気温は朝夕が20℃〜21℃程度、昼間は28℃前後 (午後3時過ぎには24℃程度まで下がる) まで上昇していた。ここは北半球で、日本と同じ冬の時期に気温は低いということだが12月、1月の気温がどうかは確信ある情報を入手できなかった。今の時期よりも気温は低いことには間違いなかろう。 ただ、常春の地と呼ばれており、町のいたる所で花が溢れていて (ゴルフ場の隣には大きなフラワーガーデンもある) 町全体が実に美しい。気温条件はバリ島のハンダラとほぼ同じと思われ、日本の寒い冬を逃れて来るには適地であることには間違いない。
ただ、昼間はさほど寒くも無いのだが、面白いことに、ダラットのバイクライダーのほぼ100%が長袖の厚手の上着 (中には皮ジャンバーも) を羽織っており、これが当地のお洒落なのか、またはダラットは寒いというのが通説になっているのだろう。 乾季は日本の冬の時期、雨季は日本の夏の時期というが、比較的雨の少ない3月でも午後になると雨が降ることが多いらしく、4日と5日は午後3時、4時頃から夕方6時前までは雨に見舞われた。ゴルフは午前中を中心にして、午後は早めに終えるようにしたほうが無難ということであろう。 浮雲では海抜1600米とあるが、多くの旅の本では1500メートルとなっている。また、今回持参した高度計 (気圧をベースに高度を自動計算) つき時計での測定結果では1450メートル程度となっており、バリ島のハンダラよりは約300メートル近くは高い。ちなみに、ダラットから車で約30分離れている最寄の空港のある地点 (ダラットの町から約30Kmホーチミンよりで、20号道路と27号道路の交差するあたり) は我が高度計では950メートル前後で、ダラットよりも500メートル位は低い。 ところで、空港からダラットへ向かう30分の道のりにはある種の趣がある。 空港を出るとすぐ有料道路 (高速道路) に入る。約15分位続くほぼ平坦なこの道路の道沿いは野菜と花卉栽培(*)の畑が続き、小奇麗な農家の家々が点在している。このあたりの畑でダラット名産の高原野菜類や多くに花が生産されるのであろう。 有料道路を出ると松林の中を走る山道に入る。この山道はひたすら上り坂で、両脇の松林(松茸が採れそうと錯覚する)は手入れも行き届いていて、日本の山間部のリゾート地に向かっているような雰囲気に襲われる。この山道を走ること15分で、 「長い松林を抜けるとそこはダラットであった!」 と洒落てみたくなるような素晴らしい景観が目に飛び込んでくる。ダラットへの第一歩は、この30分の車のたびを経て踏み出すことになる。
注記(*) ここで生産されている花卉は、ハウス物も路地物もあり、輸出もされているという。花の種類は多いが、日本でもなじみのキク、グラジオラス、ガーベラ、スターチス、シクラメン、ブーゲンビリア、カスミソウ、バラなど等であるという。 なお、ダラット ノボテルホテルのロビーやフロントデスク、ベッドルーム、ビジネスセンターなどの全てに大きなユリの花が入った花瓶が置いてあったし、人造湖の辺の道路端にはダリアが咲き乱れていたことから、これらの花もいずれかの場所で生産されていることに間違いなかろう。 |