担当司祭から:2025年4月(バックナンバーはこちら)

復活節
(「道後教会だより」2025年4月号より)
今年は4月20日に復活の主日を迎えます。例年に比べて「遅いな」と思っている方もいらっしゃると思います。復活の主日がどのようにして決まるのか、ご存知の方も多いと思いますが、ご存知ない方のために説明します。
復活の主日は「春分の日の次に来る満月の後の日曜日」と決まっています。この決まりに従うと、復活の主日は3月22日から4月25日までの間となります。ですから、「今年の復活の主日は遅いな」と思っておられる方は、それが正解なのです。これがどのようにして決まったのかは複雑な経緯があるので、ここでは省き、この教会だよりでは復活節の意義について、書いてみたいと思います。
復活節は、イエスの復活を記念する期間であり、聖霊降臨までの50日間あります。この期間の長さが復活節の重要さを物語っていると言えます。それに復活節を準備する四旬節が7週間あることも復活節の重要さを物語っています。
ただ、世間一般にはどちらかといえば、クリスマスの方が有名で、復活節はあまり知られていないと思います。最近では、イースターエッグなどが出てきて、有名になりつつありますが、復活というわたしたちが誰も経験したことがない出来事は、説明するのが難しいので、あまり語られないのも無理はありません。
そうは言っても、わたしたちカトリック信者にとって、復活節は信仰の中心です。なぜなら、神の子イエスが死で終わっていたなら、キリスト教自体が存在しなかったからです。このことをわたしたちは絶えず心に留める必要があります。イエスの死が死で終わらず、復活されたからこそ、弟子たちは復活したイエスとの出会いによって、イエスの死から逃げ出したという後悔の念から、喜びへと変えられ、それがイエスを宣べ伝える活動へと広がっていったのです。
さらに復活節には主の昇天と聖霊降臨の祭日も含まれます。復活したイエスが天に昇った主の昇天の祭日は、イエスがこの世の働きを終えて、天に昇ったことをお祝いします。主の昇天の時に読まれる使徒言行録の箇所は、その後に続く聖霊降臨の祭日の意味をよく表しています。「さて、使徒たちは集まって、『主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか』と尋ねた。イエスは言われた。『父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期はあなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりではなく、ユダヤとサマリア全土で、また地の果てに至るまで、わたしの証人となる。』」(使徒言行録1章6〜8節)
そして、最後が弟子たちに聖霊を与える聖霊降臨の祭日です。主の昇天の時にイエスが預言した出来事が起こって、弟子たちの上に聖霊が降った時、弟子たちは人々に初めてイエスの出来事を伝えました。この出来事によって、教会が始まったのです。
以上のことを踏まえると、イエスの復活と弟子たちの宣教がなければ、今のキリスト教は存在しなかったと言えます。このことをしっかりと心に留めて、復活節をお祝いしましょう。