担当司祭から:2024年10月(バックナンバーはこちら)
大阪高松大司教区発足から1年を迎えて
(「道後教会だより」2024年10月号より)
来る10月9日に大阪高松大司教区が設立されて1年が経ちます。この文章をお読みの皆さんは大阪大司教区と高松教区の合併についての受けとめ方はそれぞれでしょうが、少なくともわたしにとって新教区設立は自分の生活に大きな変化をもたらしたと言えます。
設立当初、わたしは新教区設立で今まで自分が旧高松教区で担っていた役目を終え、負担が減ると思っていました。しかし、事態はそうなりませんでした。きっかけは大阪高松大司教区の宣教司牧評議会の運営委員会に旧高松教区から参加してください、という要請に応じたことでした。その会議に参加し、宣教司牧評議会に参加した結果、わたしは大阪高松大司教区の宣教司牧評議会の運営委員となり、年2回の宣教司牧評議会の準備を担当することになりました。
また、7月にわたしは愛媛地区長として、大阪高松大司教区の司祭評議会に参加しました。その会議は定例会議で司祭評議会の常任委員、専門委員を投票で選出することになり、わたしは司祭評議会の常任委員に投票で選出されました。わたしは非常に驚きました。なぜなら、わたしはその会議に初めて出席したからです。しかも、zoomによる出席だったので、他の神父様と直接会話をする機会はありませんでした。
そして、常任委員とは何をするのか、と教区の事務局の方に尋ねると、司祭評議会の準備と会議の議事録のチェックということでした。期せずして、わたしは司祭評議会と宣教司牧評議会で同じような役目を担うことになりました。わたしにとって、これは予想外でした。大阪高松大司教区になっても、教区としての方向性がまだ定まっていない最初はそれほど重要な役目は担うことはないと思っていたからです。ところが実際にわたしに訪れた事態は意に反していました。今でも正直戸惑っています。
けれども、これはわたしにとって一つの良い転換点になり得るという思いもあります。それは、大阪高松大司教区の中で役割を担うことで、今まで関わらなかったことに関わり、自分の視野を広げることができる可能性があることです。
その一つの例は、「聖年」について知る機会を得たことです。「聖年」とは25年に1回カトリック教会が指定された教会に巡礼し、ゆるしの秘跡を受け、ミサに参加することによって全免償を得られるという特別な年のことです。「聖年」について、いずれ機会があれば、後日教会だよりで書きたいと思います。
その他にも今まで交わることのなかった旧大阪大司教区の神父様方の話を聞くことができたり、宣教司牧評議会を運営している信者の方々の考え方を聞くことができたり、と今までは得ることができなかった機会に恵まれるのはありがたいことです。
ただし、大阪高松大司教区の宣教司牧評議員、司祭評議員の責任ある立場となったのであれば、これから大阪に行く機会が増えるでしょう。率直なところ、今でも学校や幼稚園の仕事を担当し、二つの修道院のシスターの告解とシスターの納骨式を一手に引き受けているわたしにとって、大阪と松山の行き来によって、大阪高松大司教区で与えられた役割が重圧になる可能性は十分あります。けれども、わたしとしてはなんとかスケジュールをやりくりしながら、無理のない範囲でやっていきたいと思います。皆さんのお祈りをお願いいたします。