担当司祭から:2019年1月

川上栄治神父の写真
川上栄治神父

 2009年10月~2010年3月 協力司祭
 2010年4月~2013年3月、2014年4月~ 道後教会担当司祭

 1975年8月16日生。大阪出身。ドミニコ会司祭。
 2006年9月に司祭叙階。2006年~2009年、ローマで勉強。2009年8月に帰国後、松山へ。
 松山教会に在住。

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新年の挨拶と主の公現の祭日

(「道後教会だより」2019年1月号より)

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。昨年は皆さまにとってどのような1年だったでしょうか? わたしは昨年から愛光学園で一人で教壇に立つことになりました。それまでは他の先生との協働で授業をしていたので、これは大きな変化でした。また、修道会の役員や愛光学園の理事という役職を担い、会議に参加する機会が多くなったので、教会のために十分働くことができないことにもどかしさを感じています。しかし、わたしの本分はあくまでも教会の司祭として信者の皆さまの霊的な助け手として働くことです。そのことを忘れずに今年1年も務めていきたいと思います。
 さて、2019年最初の日曜日にカトリック教会は「主の公現」の祭日を祝います。「主の公現」は元来1月6日に祝われるものであり、ヨーロッパのカトリック教国では1月6日が日曜日でなくとも、1月6日を祭日として「主の公現」をお祝いします。ところが、日本などのカトリック教会が多数派でない国では1月2日から8日までの日曜日に移動して主の公現をお祝いすると規定されています。
 この「主の公現」の祭日は教会の典礼暦年のA・B・C年で朗読が共通しています。もっとも有名なのは「三人の博士の来訪」とされる箇所です。「三人の博士」は降誕劇に必ず登場する有名な存在です。ところが、この箇所には「占星術の学者たちが東方からやって来た」としか書いておらず、どこにも三人という記述はありません。それはこの学者たちがイエスに「黄金・乳香・没薬」を捧げたと記されていることから「三人」であったとされているのです。
ラクダに乗り、星に導かれて行く三人の博士 あと、占星術の学者と聞くと占い師を連想する方が多いと思います。占い師は一般的に手相を調べてその人の運勢を当てる職業ですが、ここに登場する占星術の学者はそのイメージで捉えることはできません。ユダヤ教で占いは禁止されていましたが、それ以外の国で占星術というのは、その国に起こる出来事を予知して国の支配者に助言するという役割を担っていました。ですから、占星術の学者というのは社会的に高い立場にあったのです。
 そこで疑問が生まれます。占星術の学者たちは異教徒なのに、なぜイエスを拝みに来たのでしょうか? 彼らに関する情報はただ「東の方からやって来た」としか書いてませんが、おそらく長い道のりを経てユダヤにやって来たのでしょう。それに、占星術の学者たちはイエスを「ユダヤ人の王」と言っています。これについて、わたしたちは確かなことを知る手がかりはありません。ただ、推測できるのはイエスが国を超えて世界を治める方であると彼らが自分たちの占星術を使って、その答えを導き出したことぐらいです。
 占星術の学者たちがイエスに黄金・乳香・没薬を捧げましたが、これはイエスが神の子として崇拝されるには適切でなかったかもしれません。それでも、占星術の学者たちは自分たちの持っている最も高価な物を捧げてイエスに最大限の崇敬を示しました。ですから、占星術の学者たちは「キリストを知らない者がキリストにたどり着いた模範」として教会で崇敬されるのです。
 主の公現の日の集会祈願には次の言葉があります。「あなたはこの日、星の導きによって御ひとり子を諸国の民に示されました。」この言葉は主の公現の祭日を祝う意味を的確に表現しています。主の公現はあらゆる人にイエス・キリストが示されたことをお祝いする日なのです。そして集会祈願には次の言葉が続きます。「信仰の光によって歩むわたしたちを、あなたの顔を仰ぎ見る日まで導いてください。」神の顔を見る、それはイエスの到来以前には不可能だったが、神の子イエスが到来して可能になりました。わたしたちに7つの秘跡を通して神の姿を示してくださるイエス・キリストに感謝してこの一年、日々信仰の道のりを歩むことができますように。
 最後になりましたが、このホームページをお読みになる皆さまにとって2019年が良い年になるよう心よりお祈り申し上げます。