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筋肉痛の生理学


筋肉痛はどうして起きるんでしょう?
簡単に言うと、運動によって筋が破壊され炎症を起こしているから痛みがでるんです。

これは、通常の筋損傷と余り変わらない生理学的な反応なんですね。
ちなみに、筋肉痛は遅発性筋痛(Delayed Onset Muscle Soreness:DOMS)と言います。

DOMSは、筋の遠心性収縮により筋の損傷が起きる場合に発症すると言われています。
(遠心性収縮とは・・・筋が縮んだ状態から力(負荷)が懸かったまま筋長が伸びる活動の事を言います。)。
だから短縮性筋収縮では、まずDOMSは起きないのです。

では、詳しく説明すると・・

筋損傷により、細胞膜の透過性に異常が発生しCa2+が筋線維内に流入しCa2+濃度が上昇する。

筋線維内のCa2+の濃度が上昇するため、筋収縮のスイッチが入り筋線維は過収縮状態となる(固くなる)。

同時にカルパインと呼ばれる、Ca依存性の蛋白質分解酵素の活性化が始まり、蛋白質の融解・断片化が始り筋線維の壊死が始まる・・。
筋線維は生存性が強く壊死を起こしたとしてもその一部でとどまり、筋線維全体に広がる事はなく再生・回復する事が出来る。

壊死が発生して1〜2日後には、好中球やマクロファージが浸潤し、貪食が始まると炎症反応もピークとなる。
その為、痛みが遅れて発生する訳です。これが俗に言う”筋肉痛”である。

しかし、筋損傷の程度が大きいと筋線維の壊死にとどまらず、筋膜を含んだ筋組織の断裂となり、出血も顕著となる。これが肉離れや軽度筋断裂となります。
出血部位、並びにその周囲では、別の血管反応性の創治癒課程へ移行し痛みを発する(これについては今回は触れません)。

ここから、筋線維の再生過程に入ります〜〜。
さて、筋線維に壊死が生じると筋衛星細胞(サテライト細胞)の活動が活性化し、筋線維の再生が始まるわけです。
この活性化は、壊死が始まった1日後から始まり、筋衛星細胞(サテライト細胞)は筋芽細胞に分化し増殖を繰り返します。
この増殖がある程度進行すると、筋芽細胞同士の融合が始まり筋管細胞へと分化する(壊死から3日後)。
壊死から7日後、筋管細胞は壊死した筋線維の両端をつなぎ合わせるように融合し筋線維を再生する。
時には、筋管細胞がそのまま成長して筋線維となり、筋線維の数が増加することもある。
この回復過程は、約1ヶ月で完了する。
なので、古い考え方では筋線維は増えない。と習いましたが今は筋線維はトレーニングによって増える事となります。

筋の修復完成により、筋はDOMSを起こす前(トレーニング前)よりも太く(筋肥大)強く(筋力アップ)生まれ変わるわけです。