France フランス
Bordeaux ボルドー地方



Medoc メドック地区
St-Estephe サン・テステフ村


Ch. Cos d'Estournel
シャトー・コス・デストュルネル

サンテステフ 赤 (CS50,M40,CF10)
( '78 \15,000位)('81 \16,200)( '96 \12,000位)
 畑は、ラフィットを見下ろす丘に位置し第2級の中では最高の評価。”エストュルネル家の玉石の丘”という意味のこのシャトーは、東洋のパゴタ(神殿)をイメージしています。メドックの中では、メルロー種の比率が40%と高い。
 1978 : この年のコスは、このワインが「何故スーパーセカンドと呼ばれるか」ということを垣間見た気がしました。ワインライフ5号に掲載されている田崎さんのコメントは、イメージ通りでしたので参照して下さい。
 「色調はやや明るめだが、レンガ色はそれほど強くない。したがってまだ若さも感じる事が出来る。香りはやや還元的で、生肉香、そしてコーヒーのような香りを感じ、空気接触によって開きつつ、すぐに果実のジャム香と枯葉、なめし皮などの熟成香が広がる。調和がとれている。味わいは全体に酸味がしっかりとしており、そのためにエレガントでメドック的。余韻も長く、今、非常に飲み頃。ボリュームより酸味がはっきりしている。」そう、本当に飲み頃。酸味がとても「Hot」、辛いくらいに感じました。またそれがエレガント。
 1981 : 非常に濃く黒に近い色、そして土のニュアンスを持つどっしりとしたワインでした。ブドウの濃縮感はすごいし、造りの確かさが感じられます。飲み頃はもう少し先かな?
 1996 : 1996年は、過去最高値をつけ、特にメドックのカベルネ・ソーヴィニオンは素晴らしい品質とされるヴィンテージ。これだけ若いグラン・ヴァンを飲むのは少しもったいないのでしょうが、意外にも美味しく飲める1本。輝きのある深いガーネット色、黒から赤い果実を思わせるアロマは高めのアルコール香と共に動物的なニュアンス。丁子などの東洋風のスパイスが印象的。完熟を思わす甘味、今飲んでも硬いという感はなく、バランス感あふれる密度のあるフルボディ。出来れば10年後にもう一度出合いたい、買っておいて損はないと思います。
(メドック格付け第2級 : Ch. Cos d'Estournel



Ch. Calon-Segur
シャトー・カロン・セギュール
サンテステフ 赤 (CS65,M20,CF15)
( '90 \12,000位)('92 \4,500位)('97 \4,000位)
 カロン・セギュール。12世紀以来の歴史あるシャトーは、メドックの格付けワインの中では最北端に位置します。18世紀、かつての当主セギュール侯爵は「メドックのワイン王」と呼ばれた人物で、このシャトーの他にもラフィット、ラトゥールといったシャトーも所有していました。しかし、最もお気に入りだったのがこのカロンで、「ラフィットとラトゥールを造りしが、我が心、カロンにあり」という言葉を残し、ラベルにハートのマークが描かれたそうです。
 1990 : あまりにもそのハートのラベルが先行している印象だったカロン・セギュールですが、90年は素晴らしいワイン。なんと言っても今飲んで美味しいこと。深さのあるブーケは、スパイシーでプラムのような黒い果実を感じさせます。すでにバランスのとれた味わいは、凝縮感もありながら滑らか。メドックの格付けワインの中でもハートが描かれているのは、このワインだけ。やはりクリスマスはカロンで決まりかな。【D:2000】
 1992 : オフ・ヴィンテージのため優しい印象。価格は手頃ですので、プレゼントには良いと思います。
 1997 : チリのカベルネ・ソーヴィニオンと飲み比べたこのワインは、メドックらしい土やスパイス、カシスの風味。当然その複雑みはチリとは一味違う趣、スタイルの良さが引き立ちます。この名高いワインとしては、ワインの厚み、奥行きに物足りなさも残りますが、97年は価格的にはとても廉価で販売されているので置いておくとよいかもしれません。
(メドック格付け第3級 : Ch. Calon-Segur)


Ch. Haut-Marbuzet
シャトー・オー・マルビュゼ
サンテステフ 赤 (CS50,M40,CF10)
('94 \8,500)
 ブルジョワ級のワインですが、1952年以来、デュボスク家の運営の下、サンテステフでも5指に入るワインを生み続けるオー・マルビュゼ。ジロンド河を見下ろす砂利質土壌の50haの畑から年産約24,000ケース。熟成は新樽のみで18ヶ月、清澄処理は行われるが濾過は一切行わない。パーカーは格付け第三級同等の評価。
 このワインを購入したのはclass30を始めた1998年3月。恵比寿タイユヴァンの重厚なセラーにて。オー・マルビュゼというワインを飲んでみたくて思わず手にとったものの、その価格の高さ、94という硬そうなヴィンテージゆえ、何故か今まで家で眠っていた。思えばあの頃はボルドーがめちゃくちゃ高かった(笑)。
 未だ鮮やかなガーネット。ブルーベリージャム、シダー、アニスといった深くそそられるブーケ。これからキノコ系の熟成香が出そうな時期で、時間を置くとかなりポートに近づく。甘さのあるリキュール的な目の詰まった味わい。余韻でのドライなタンニンはまだまだ強く、あくまでボルドー、あくまでエレガンス。高級フレンチのソムリエさんがチョイスしそうな、多様な表情を持つワイン。【D:2002】
(ブルジョワ級)


Ch. Les Ormes de Pez
シャトー・レ・ゾルム・ドゥ・ペズ

サンテステフ 赤 (CS70,M20,CF10)

このシャトーは、ポイヤックの名シャトー、ランシュ・バージュのジャン・ミッシェル・カーズが所有、管理し、その評価もブルジョワ級の中でもとくに高いサンテステフ村のワイン。(ブルジョワ級)
シャトー・レ・ゾルム・ドゥ・ペズのワインはこちらでまとめています。
「葡萄酒の匠」


Ch. Meyney
シャトー・メイネイ

サン・テステフ 赤 (CS70,M25,CF3,PV2)
('68 \28,000位 1500ml)('94 \4,000)
 メドック、サン・テステフの評判の高いブルジョワ級。モンローズの北隣、50haの畑はジロンド河に面した恵まれた立地。安定した品質のワインを産するブルジョワ級は、常に格付け同等の評価を受けています。1918年以降、グリュオ・ラローズやタルボのオーナーでもあるコーディア社の所有となっています。

 1994 : 濃厚な色と共に黒い果実を感じさせる香り。インパクトのある飲み口を、たっぷりとした果実味が包んで、とても飲みやすいワインに仕上がっています。典型的なメドックの上質ワイン。お薦めです。
 1968 : 嬉しいマグナムボトルの古酒。その状態のよさはエッジのオレンジが美しい明るく澄んだルビー色に見てとれます。土、ヨード、西洋杉といった深みのある香り。熟成感がありながら、みずみずしさを保ったワインは、やや高めの酸、そして余韻で舌に張り付くタンニンがこのワインの個性を物語っているよう。やはり秀逸なブルジョワ級。マグナムも嬉しいし、メイネイの昔のボトルってずんぐりと雰囲気があっていいです。
(ブルジョワ級)

Ch. de Pez
シャトー・ド・ペズ
サンテステフ 赤 (M44,CS39,CF12,PV5)
('99 \4,000位)
 サンテステフ最古の葡萄園として、そして秀逸なクリュ・ブルジョワとして高い評価を得ているシャトー・ド・ペズ。1995年にはシャンパーニュのルイ・ロデレールの傘下となり、更なる品質向上が期待されています。
 まだ若いのは否めませんが、アロマは典型的なメドックの心地よさ。全体的にこじんまりとしているが、タンニンが支える後半は、その名に恥じないブルジョワ級。熟成でもっと良くなるかも。【D:2003 P:85】
(ブルジョワ級)

|St-Estephe|Pauillac|St-Julien|Margaux|Haut-Medoc|

class30 "The Wine"