France フランス
Bordeaux ボルドー地方

Medoc メドック地区



Haut-Medoc オー・メドック


Ch. La Lagune
シャトー・ラ・ラギューヌ

オー・メドック(リュドン) 赤 (CS50,M20,CF20,PV10) 
('75 -)('79 \6,500位)
Ch. Ludon Pomies Agassac
シャトー・リュドン・ポミ・アガサック

オー・メドック(リュドン) 赤 (CS50,M20,CF20,PV10) 
('95 \2,180)

 メドック格付けシャトーは、オー・メドック(オー:高いの意味)と呼ばれる、メドック地区南部のやや高くなった所で造られます。オー・メドック内の6つの村名ワイン(サンテステフ、ポイヤック、サンジュリアン、マルゴー、ムーリス、リストラック)以外は、「オー・メドック」という地区名ワインとなります。
 ラ・ラギューヌは、この地区名ワインの中では、格付け最高位。格付けシャトーの中でも最も南に位置し、その土質はグラーヴのものに似ていて、軽く砂礫に近い砂地という事。そのため酒質も優雅なグラーヴのようだとも言われます。
 1975 : 1975年は素晴らしいヴィンテージと言われながらも、未だ個性を表さないワインもある「貯蔵向き」の年。一方では「理解しづらい」とも言われます。ブラインドで飲んだこのワイン。土やレッド・カラント、そして柔らかな熟成香には、やや乳酸を感じるエレガントな個性。状態は良好、還元的で、若々しく感じる。余韻にしっかりとしたタンニン。素晴らしいボルドーのグラン・ヴァン古酒でした。
 1979 : 79年のボルドーは今飲んでもしっかりしたワインが多いように感じるのですが、このラ・ラギューヌもそんな1本。まだまだ、しっかりした骨格と酸味を持っています。メドックらしいスパイシーな感じは、飲む人に落ち着きを与えてくれます。この価格でこの品質ですからお買い得です。
 リュドン・ポミ・アガサック : ラ・ラギューヌのセカンド・ワインです。名前が全然違うので、分かりにくい。とても心地よい飲み口ながら、十分な果実味、落ち着きもあります。このセカンドも、コスト・パフォーマンスの高い1本です。
(メドック格付け第3級)

Ch. Camensac
シャトー・カマンサック
オー・メドック 赤 (CS60,M40)
('82 \7,000)
 サン・ローラン村にある格付けシャトー、カマンサック。比較的評価の低いシャトーながら、1960年代にスペイン、マルケス・デ・カセレスのフォルネール兄弟が、このシャトーを買収。新しい設備を導入し、ぶどう樹の植え替えを実施、さらにエミール・ペイノー教授の指導を仰いだとのことです。
 82年、偉大なヴィンテージのカマンサック。抜栓後はやや落ち着きがなく、香り、味わい共にちぐはぐな感じ。しかしながら、時間をおくにつれ、酸化熟成による優雅な香り、細身ながら甘味を含むタンニン。高原は超えているのかもしれませんが、それなりに古酒の良さのある本。
(メドック格付け第5級)


Ch. Sociando Mallet
シャトー・ソシアンド・マレ
オー・メドック 赤 (CS55,M40,CF&PV5)
( '82 \13,000位)('89 \10,500)

La Domoiselle de Sociando-Mallet
ラ・ドモワゼル・ドゥ・ソシアンド・マレ

オー・メドック 赤 (CS60,M30,CF10) 
('94 \2,880)

 メドックのブルジョワ級ワインの中には、素晴らしい物がたくさんあります。中でも秀逸なワインとして挙げられるのが、このソシアンド・マレ。サンテステフの北、ジロンド河を望むサン・スーラン・ドゥ・カドゥルヌにある58haの畑。1haあたり8000本という密植度、80%〜100%の新樽、清澄も濾過もされません。
 1982 : グレート・ヴィンテージ1982のワインは、暗く深々としたガーネットをし、ブラックベリー、スパイス、杉、そしてなめし革のブーケ。依然として強さのある果実は、ようやく角がとれかけているようで、しっかりとした酸が印象的なワイン。まだまだ置いてもいいワインなのでしょう。
 1989 : 全体的な感想としては、メドックらしいしっかりしたボディーで、かつエレガントな感じ。ただ、私の悪い癖で、先入観で、期待して飲むワインは、どうしても理想が高くなりすぎてがっかりする事が多いのです。それと、抜栓のタイミングが遅かったため、少し堅い感じがしました。ただ、これ、絶対にいいワインだと思います。
 ラ・ドモワゼル : シャトー・ソシアンド・マレのセカンドです。さすがに評価の高いシャトーのセカンドは安心できます。この価格にして、たっぷりとした飲み口は、貫禄さえ感じさせます。見つけたら、即買いの1本。かわいいトンボのマークが目印です。
(ブルジョワ級)


Ch. Cantemerle
シャトー・カントメルル

オー・メドック(マコー) 赤 (M40,CS40,CF10,PV10) 
('79 \5,000)( '85 \8,000位)
 オー・メドック南部、マコー村の森の中にある、メドック格付け第5級。67haの畑から年間約4万ケースのワインを産出します。1980年にコーディア社を中心とするグループが買収し、ステンレスタンクの設置、醸造所、貯蔵庫を刷新したりと、その精力的な質の向上に対する努力の結果、現在では第5級という格付け以上に評判のよいシャトーです。

 1979 : 79年は、いわば前所有者、デュポ家の遺作?あまり評価のいいヴィンテージではないので、この価格で入手できました。とても柔らかくなっている(もしかしたらもう飲み頃を過ぎている)と思ってたのですが。
 いやいや、しっかりしていました。まだまだ元気なタンニンが刺激し、びっくり。肉付きが良いワインではないと思いましたが、その熟成香、優雅な果実味はメドック格付けにふさわしいもの。パーカー氏によると、70年代のカントメルルは、ボトル毎のバラツキが激しいようです。いいボトルに当たれば、とてもお買い得です。
 1985 : 1985年は理想的な収穫期となり、ふくよかでバランスの良い年とされる秀逸なヴィンテージ。グラスに注がれた瞬間からやや茶色が入り、熟成されていることが伺えます。その熟成香、丁子や唐辛子の東洋のスパイスを含みます。口当たりは優しく、まさにビロードのよう。柔らかな果実は口に含んでも余計な刺激を与えず、余韻に角のとれたタンニンが広がる、優雅なワイン。熟成された優しいワインを好む方には是非、おすすめです。今が飲みごろ、うまい。
(メドック格付け第5級)


Ch. Liversan
シャトー・リヴェルサン

オー・メドック 赤 (CS49,M38,CF10,PV3) 
('61 \29,000位)
 全く気にとめていなかったこのリヴェルサン。ポイヤックの町と小さなサン・ソヴェールという村の間に位置するシャトー。1961年は今世紀の中でも金字塔的なヴィンテージ。今ではあまりに高価。果たしてこのブルジョワ級、その味わいは保たれているのか?興味津々でした。
 いやびっくりするメドックの古酒、そしてポイヤックに近いニュアンスを十分表していました。未だ健全なルビー色をしたワインは、プラムやジャム、奈良漬やアミノ酸といった旨味のあるブーケが漂います。甘味を含む果実は力を残し、収まりのよいフィニッシュ。強さのあるヴィンテージは、ブルジョワ級のシャトーにも40年近くも熟成する力を与えることが理解できました。
 ちなみにこのワインは近年のヴィンテージでしたら2000円〜3000円で買えます。昔のエチケットはシャトーが描かれていましたが、今は少し違う様子。1990辺りが飲んでみたいなあ。
(ブルジョワ級)


Ch. Citran
シャトー・シトラン

オー・メドック 赤 (CS58,M42)
('94 \2,450)
 ムーリスの南、アヴァンサン村にある90haのブドウ園。1987年に日本企業が買収し、その品質はめざましく向上したと言われます。
 実際にこの価格で売られているブルジョワ級の中では、文句なく美味しい。ほのかなトースト香、果実味もたっぷりで、タンニンがしっかり。素直に美味しいと感じられるワイン。ブルジョワ級らしい優等生です。
(ブルジョワ級)



Ch. de Lamarque
シャトー・ド・ラマルク
オー・メドック 赤 (CS50,M25,CF20,PV5)
('93 \3,000)
 いいワインを見つけました。93年のシャトー・ド・ラマルク。十分に開いていて、飲み頃です。ラマルク村の大変歴史のあるシャトーで、1960年代からペイノー教授の指導のもと、確かなワイン造りが行われているようです。
 舌ざわりがよく、あまり重過ぎず。この価格なら、また飲みたいと思わせます。おすすめワインです。
(ブルジョワ級)


Ch. Tour du Haut-Moulin
シャトー・トゥール・デュ・オー・ムーラン

オー・メドック 赤 (CS50,M45,PV5) 
('88 \5,400 1500ml)('95 \3,500)
 このシャトーは、class30好みのシャトー・ラマルクの北側に位置し、パーカー氏も秀逸と評するブルジョワ級。1988年、1995年ともに疑いなく素晴らしいヴィンテージ。
 88年:88年のマグナムは、このワインの飲み頃でしょうか。柔和になった果実と渋みを残す余韻が美味しい。
 95年:確かにカシスやオークの風味を持つ凝縮されたワイン。ブルジョワ級にも格付けに匹敵するワインが存在するということを証明するシャトーですね。このコスト・パフォーマンスは素晴らしいと思います。
(ブルジョワ級)

Ch. Reysson
シャトー・レイソン

オー・メドック 赤 (CS60,M40) 
('95 \2,800)
 1988年に日本企業のメルシャンが買収したシャトー。よく、雑誌の広告にも出ていますので、知ってる方も多いはず。日本の技術陣が品質向上に努力しているとの事。畑はサンテステフ村の東隣(内陸)にあるヴェルトゥイユ村にあります。
 ずっしりとした飲み口。どこかソシアンド・マレに似たようなスタイル。だけど、何かが足りない。全体的にまとまっているのに。がんばれ、ニッポン。

Ch. Beaumont
シャトー・ボーモン

オー・メドック 赤 (CS62,M30,CF5,PV3)
('94 \2,400)
 キュサック村にある評判の良いブルジョワ級。105haの広い畑から安定した質のワインを産出します。コスト・パフォーマンスが良いので、レストランでよく見かけますね。
 そういうclass30もたまに行くフレンチレストランでこれをよく飲んでました。バランスの良いミディアムボディで安心して飲めます。
(ブルジョワ級)

Ch. du Taillan
シャトー・デュ・タイヤン

オー・メドック 赤 (CS,M,CF)
('95 \3,500)
 95年物なので、当分置いておくつもりだったのですが思わず飲んでしまいました。口当たりのいいブルジョワ級。メドックの特徴が出た、良いワインだと思います。
(ブルジョワ級)

Cuvee de la Commanderie du Bontemps
キュヴェ・ドゥ・ラ・コマンドリー・デュ・ボンタン

オー・メドック 赤 (CS,M) 
('95 \2,500)
 コマンドリー・デュ・ボンタンとは、「ボンタン騎士団」という意味。ボンタン騎士団のメンバーである格付けシャトーやブルジョワ級のシャトーなどが、毎年行われるお祭りの時、自分の所で仕込んだワインを寄付し、出来上がるのがこのワイン。そして醸造しているのは、元シャトー・ラトゥールの支配人を勤めたジャン・ポール・ガルデール氏。本当の意味での、メドック・ワインですね。
 心地よい上品な樽の香り。しっかりした酸味が特徴の、スムースな味わいです。あまり渋味を感じさせず、すっきりしているので、赤ワインが苦手な方でも美味しく頂けると思います。



MOULIS ムーリス


Ch. Maucaillou
シャトー・モーカイユー

ムーリス 赤 (CS56,M35,PV7,CF2) 
('90 \2,980 375ml)
 オー・メドック内でAOC表示できる6つの村のうち、ムーリスとリストラックは格付けシャトーがないため、あまり知られていませんが、優良なブルジョワ級の宝庫。ムーリス村は、マルゴーとサンジュリアンの間、やや内陸よりにある生産地。
 ボルドーでも有名なドゥルト家の情熱が注がれるこのモーカイユはブルジョワ級でも傑出したシャトーの一つ。あの1982年をも超えると噂される偉大な1990年ヴィンテージ。
 ハーフボトルながらその期待を裏切ることなく、カシスの風味に、熟成によるミルク、白いキノコ、スパイスの風味が交じり合い、肉付きの良いなめらかなワイン。まさにお買い得の一本かもしれません。
(ブルジョワ級)


Ch. Chasse-Spleen
シャトー・シャス・スプリーン

ムーリス 赤 (CS60,M35,PV3)
( '90 \7,620)
 ムーリス村の傑出したワイン、シャス・スプリーン。名前の意味は「憂いを払う」ワイン。
(ブルジョワ級)

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L'Ermitage de Chasse-Spleen
レルミタージュ・ド・シャス・スプリーン

オー・メドック 赤 (CS,M,PV)
('94 \3,000)('96 \3,200)
 上記のシャス・スプリーンのセカンド・ラベル。シャス・スプリーンのセカンドには、珍しく2種類あって、これは、シャス・スプリーンには適さないと判断された区画のブドウから造られたもの。もう一つは、アッサンブラージュの際に格下げしたもので、ロラトワール・ド・シャス・スプリーン (L'Oratoire de Chasse-Spleen) となるようです。
 バランスの良いミディアム・ボディのワインは、ボルドーを知るには良いお手本です。



LISTRAC リストラック


Domaine du Haut Brugas
ドメーヌ・デュ・オー・ブルガ

リストラック 赤 (M50,CS+CF45,PV5)
('89 \4,000位)
 リストラックは、ムーリスよりややサン・ジュリアン寄りに位置する産地。ここでもう70歳に近い当主ジャン・ピエール・ビスパイユさんが、1ha当りの収量を35hlと絞り、「化学肥料、除草剤、酸化防止剤など、今のテクノロジーをすべて否定して、昔のままで作っている」というワイン。ボルドーにしては珍しく「ビオディナミ」を実践。その平均樹齢は50年、天然酵母の使用、小樽(新樽は使わない)での熟成など、伝統的手法を頑ななまでに守っているそうです。
 「フランスワインの12ヶ月」の中でも登場する、89年のこのワイン。89、90、91の中では一番熟成が進んでいるということ。「スパイシーな香りの中に、赤い果実の風味もあって...」「きれいな酸と余韻の長さ、それでいて舌の上に雑味が残らない。」「まるでおいしい水を飲んでいるような独特の酔い心地」という表現をされています。大谷氏がコメントされた時点から2年以上が経過した今でも、十分にそのニュアンスが伝わってきます。
 「重い、しっかりしたワイン」が意図的に造られている現在、一段と柔らかく、しなやかになったワインからは、ビスパイユさんが「自然に素直に造ったワインは、こうなんだよ」と語っているように思えました。



MEDOC メドックAC



Cave Saint-Jean Le Grand Art
カーブ・サン・ジャン・ル・グランダール
メドック 赤 (CS,M,CF)
( '90 \1,980)('94 \2,200)
 いいワインです。サン・ジャン農家150軒のいいぶどうのみを仕込んだこのワイン。90年ヴィンテージで、この価格は少し安すぎるのではと、思わせるほどです。なめらかな口当たり、渋味、酸味ともに調和のとれた味、飲めば飲むほど満足する熟成感。一緒に飲んだわけではないのですが、ワイン好きの友人と「90年のカーブ・サン・ジャン、美味しかったねー」って盛り上がったこともあります。思い出深い一本。(ブドウの房を頭に付けた少女のラベルも素敵です。左のラベルボタンをクリックして下さい。)

Ch. Haut Peyrillat
シャトー・オー・ペイリヤ

メドック 赤 (CS,M)
('93 \1,580 500ml)
 ブルジョワ級のオー・ペイリヤ。メドックらしいいいワインですが、少し青臭さが残ります。2年後位が楽しみなワイン。ただ、何がいいかと言えば、500mlというサイズ。一人で飲んでもいいし、レストランでもこのサイズが増えれば色々なワインが楽しめるのですが。
(ブルジョワ級)


Medoc (Baron de Rothschild)
メドック(バロン・ド・ロートシルト)

メドック 赤 (CS,M,CF) 
('95 \2,500位)
 ボルドー地方メドック地区第1級筆頭銘柄、シャトー・ラフィット・ロートシルトが造る、お手頃価格のメドックAOCワイン。とても口当たりのよい、その味わいのバランスに優れたワインです。人数の多い集まりには、万人受けするこんなワインが重宝します。お薦めです。 
(ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト)
「ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト」
 ロスチャイルド男爵家が経営するグループで、シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・リューセック、シャトー・デュアール・ミロン・ロートシルト、シャトー・レヴァンジルという、素晴らしいシャトーを所有しています。

|St-Estephe|Pauillac|St-Julien|Margaux|Haut-Medoc|

class30 "The Wine"