| 私は1994年、谷津干潟に白鷺を撮影に行ったのがきっかけで、自分の撮影のテーマを |
| 「谷津干潟の水鳥」として5年間通いました。初めはサギの動きの美しさに魅せられて |
| レンズを向けていましたが、そのうち、季節ごとに飛来する多種の水鳥にも関心を持つように |
| なりました。私が出会った鳥は約60種ですが、できるだけ躍動感や鳥の生活を狙ってシャッターを |
| 切りました。写真の被写体としては動きの美しいサギに1番魅力を感じ、撮影したフィルムの |
| 枚数はサギの仲間が8割以上を占めています。 |
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| 谷津干潟は千葉県習志野市の南西部に位置していて、広さ約40ha(東京ドームの約9倍)です。 |
| 東側と西側にある約1キロメートルの2本の水路で東京湾と結ばれ、1日に2回の干満があります。 |
| 満潮時には水深1m位まで海水に覆われますが、 干潮時には全域で干潟面が露出します。 |
| 干潟の周辺は市街地になっていて、高層住宅や高速道路に囲まれています。 |
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| 四季を通じてシギ類・チドリ類・カモ類など多くの渡り鳥の飛来地となっているため、1993年には、 |
| 水鳥や生物など湿地で生息する生き物を国際的に保護する「ラムサール条約登録湿地」と |
| なりました。 |
| 干潟の周りは1周3、5kmの遊歩道が設けられ、自然観察センターや観察デッキなどがあって |
| 気軽に野鳥を観察できます。 |
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| 時間が許す限り干潟に足を運んで撮影に熱中した5年間でした。 |
| 始発電車で行って暗くなるまで干潟で過ごした日もありました。暑い日も寒い日も重い機材を |
| 担いで健康な身体だけが頼りの撮影でしたが、充実した日々でした。 |
| その後、野鳥の撮影から離れて谷津干潟を思い出す時、あの5年間が私の青春だったんだと |
| 感じるようになりました。一期一会の感動を与えてくれた水鳥たちに感謝の気持ちをこめて、 |
| このページをつくりました。 |
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| 20年近く前に初めて出合った谷津干潟の風景と水鳥たち。今回、更新するために写真の1枚 |
| 1枚を見ていたら出合った時の感動が蘇り、懐かしさが胸にこみ上げてきました。 |
| そして何も知らない私に鳥たちの名前を教えてくださったり、珍しい鳥が飛来した時には離れた |
| 場所から走って知らせに来てくださったり、干潟で顔馴染みになった探鳥家の皆様には本当に |
| お世話になりました。そして観察センターのスタッフの皆様、ありがとうございました。 |