黄昏

戦国も終わりを告げようとしていた頃、

二つの勢力の狭間で苦悩する男がいた。

その男は父より剣術を教えこまれていたが、

狭い世界を嫌い、出奔した

そして、時が進み、

主君を殺された男は娘婿という立場から、

軍と人望を引き継いで苦悩に満ちた世界に入り込む

男の名は護間政兼。

父は一条刀斎と言い、

遣う流派は幾天神段流である…。


☆ 目次 ☆

序章 隠居と側室

弐章 謀反

参章 死に場所

四章 暗殺者

伍章 鉄砲を好む男

六章 遠州金子藩
(注 無迷の剣と内容が一部重複します)

☆ 登場人物 ☆

護間政兼(ごま まさかね)

護間家前当主
小牧・長久手の戦いの後に
若くして嫡子政種に家督を譲り、
自分は側室と共に城下の屋敷に移った。

護間里(ごま さと)

政兼の側室
かつては敵対していた家の娘であったが
政兼に敗れて側室となる。
後に政兼より剣術を教わる。

森原郷(もりはら ごう)

森原弥平次の娘
許婚が殺されて仇討ちを誓う。
後に政兼の屋敷で女中となる。


☆ 関連人物 ☆

護間政種(ごま まさたね)

護間家当主
父より家督を譲られて当主となる。
徳川家に忠誠を誓い、
関ヶ原の戦い後に丹波に護間藩を立てる。

大河内政房(おおこうち まさふさ)

護間藩国家老
政兼の代から護間家に仕える古老。
隠居した政兼の命により政種を補佐する。

慶生院龍斎(けいしょういん りゅうさい)

護間藩旗本頭
政兼の側近として各地を転戦する剣豪。
金子幕心流慶生院派当主だが、
実は金子宗康の甥に当たる。


☆ 敵対人物 ☆

護間政泰(ごま まさやす)

護間藩留守居役
政兼の次子で、政種の弟。
母に唆されて父を殺すべく謀反を起こす。

河津喜久(かわづ きく)

政兼の正室
三人の子を産むが政泰を最も寵愛した。
政兼の隠居に伴い離縁されたのを恨み、
政泰に謀反を起こすよう唆した。

一条刀斎(いちじょう とうさい)

幾天神段流創始
公家の傍系ということもあり、
早くに家を出て剣術修行に出る。
後に幾天神段流を確立し、
現在は金子藩剣術指南役を務める。

葛原大斬(くずはら たいざん)

雇い忍びの長
かつて一団を率いて信長や秀吉に仕える。
政兼の主君やお里の父を殺した張本人。

森原弥平次(もりはら やへいじ)

護間藩鉄砲頭
鉄砲に魅せられて世間から「鉄砲狂い」と言われ、
配下で娘の許婚の大崎鉄之助と対立。
鉄之助の殺害に関与した。

江戸柳生からの刺客

金子藩に潜入する柳生但馬守の配下
柳生新陰流の使い手でもある。

(以降、更新予定…)


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