
極太モンブラン
山元志津香/著
発行年月: 2009年 4月
出 版 社 : 本阿弥書店
定 価 : 2700円
「ピアノの塵」から6年目の第2句集。「八千草」50号を記念して2003年から2008年までの秀句を掲載。
<収録作品より>
夜桜へおとなの課外授業かな
抱瓶のほうと吸ひ込む春北斗
からだぢゆう蛍の宇宙にして睡る
<オビより>
科峭や いまも極太 モンブラン
「科峭」は-漸覚東風科峭寒-の、早春の風が肌に鋭く冷たい感じの漢語。暦の上の春とは名ばかりの寒い日、太い万年筆を滑らせる寧らぎ…これもいいか…と機器に弱い私の負け惜しみです。硬質な漢語と、ソフトなヨコ文字の雑居の一句。これが、イコールわが家の姿なのかも知れません。
(あとがきより)
木綿の女
山元志津香/著
発行年月: 2015年 3月
出 版 社 : 文學の森 ミューズ選書
定 価 : 2667円 +税
初句集から11年目の第3句集。2008年から2014年まで年ごとに6章に分け計302句を掲載。
<収録作品より>
地のホック其処ここ外し地虫出づ
萩・尾花パラフィンに透く相聞詩
遠い戦争煮つめて壊す栗かぼちゃ
<オビより>
白南風や木綿の女になってゆく
自然界からいただいた力を取り入れ、感謝の息をふっと吐くとき、嘘と違った虚の私の内奥の美学が、体温のある十七音に結晶してくると思いました。そこへ、ふと漏らされた姜琪東氏のひとこと「木綿は何回でも洗いが利くからね…」思わず迷っていた句集名が決定したという次第です。(あとがきより)
