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コラム -職場のトラブル・職場のお悩み解決します-

叱れない上司   (20180427)



褒めることができない上司、叱ることができない上司。

人間関係がなんとなくうまくいっていない職場、活気がなく沈滞ムードな職場は、
上記のようなことが少なからず当てはまるのではないでしょうか?


むかしむかし、私が勤めていた職場でのことです。
先輩の女子社員数人がルーズで、朝の始業時間や午後の始業時間になっても席につかず、
給湯室でペチャクチャしゃべっていました。
また、就業中も、お茶を入れるかたわら、給湯室でペチャクチャ・・・。

残る我々数人が、電話の対応に追われる・・・。
でも、誰もこの女子社員達に注意をしないのです。直属の上司でさえも!

私はその時はパートで、しかも新人。
子育て後の最初の職場だったので、
「いつのまに、世の中の常識が変わったんだ??」と驚きでした。

他にもいろいろなことがあり、
「私はこの職場ではやっていけない。こんなことが続くなら辞めよう・・」
と思っていた矢先、その営業所の所長が、例の女子社員達の行動を見つけ、
即座に呼び出し、彼女たちに厳重注意をしたようです。

その直後から、彼女達の態度は一変! 
「なんだ、ちゃんと言えばわかるんじゃないか・・・」。

あとで聞いたら、その中の1人は、本当に反省して泣いていたとのこと。



ではなぜ、彼女たちの直属の上司Aさんは、
何一つ注意をしなかったのでしょう? 

もっと早くに注意していたら、彼女たちもあんなふうに
所長に怒られることもなかったでしょうし、
私たちも嫌な思いをしなくて済んだのに・・。


で、あるとき、その所長に聞きました。
「なぜ上司Aさんは、何も注意しないんですか?」と。

所長の答えは、「上司Aさんは、部下を育てる気がないんだろうね」でした。

彼女たちを見放していたのか、嫌われたくなかったのか。
結局、上司Aさんは別件で不祥事を起こし、解雇されました。


秩序を乱すような問題行動を放置しておくことは、
その問題社員に立ち直るきっかけを与えないばかりか、
周りの従業員にも不信感を抱かせ、やる気をそぐという
悪影響を及ぼすだけなんですよね。

お互いに不幸なことです。


上司の「叱る」という行為が、どれだけ職場で必要な行為か。

もちろん、その叱り方にもルールはありますし、
また、叱るのとセットで「褒める」ということもやらなければなりません。


感情をもつ「人」が絡む問題なのでとても難しいのですが、
でも、組織である以上、やらなければならないことです。


イラスト:おちゃも



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