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コラム -職場のトラブル・職場のお悩み解決します-

メンタル不調者が出た場合の対応  (20170915)



心を病む人は多い。自分もいつそうなるかわからない。
それがきっかけで引きこもり、長いこと社会復帰出来なくなることだってあります。

10年ぐらい前は、従業員が100人いれば、最低一人はメンタル不調による休職者がいる、と言われていましたが、今は30人いれば1人は・・・という感じになっている気がします。

それなのに、メンタル不調者が出た場合の会社の対応や、職場復帰への対策が何も考えられていない会社さんがほとんどだなと感じます。

基本的に、「そういう人には早く辞めてもらいたい」という短期的解決思考があるからだと思います。

でも、長期的視点で解決していけば、会社が良くなることにつながるかもしれません。

なぜなら、心を病んだ原因が会社内にあることが発見できれば、それを解決することで、みんなが生き生きと働ける職場に生まれ変わり、それに伴い効率も良くなり、売上・利益がアップする可能性が出てくるからです。

自分が同じように心を病んでも会社が支援してくれることを知り、安心して働ける。それにより、会社を好きになる従業員が増え、忠誠心も生まれる。そうすれば、会社一丸となって利益を上げ続けて行くことができる。

つまり、あえて面倒だと思うことに取り組むことで、さらに大きなものを得られるチャンスでもあるということです。
ただし、時間はかかりますし、目に見えて・・・ということもないので、あとは経営者の考え方一つになりますが。



話をもとに戻します。

私が考える現状での一番の問題点は、
そもそも、従業員の、欠勤や遅刻が増えた、ミスが多くなった、太りだした、元気がない、、、といった日頃の様子にさえ気づかない。気づいていても、それがメンタル不調の初期症状だと考え及ばない、個人の問題だろうと放置してしまうことです。

また、そういった従業員との面談をどのように進めていけばいいか、どのように接すればいいのか、なども考えられていない。

ギリギリの人数でやっている中小企業にとっては、ある意味致し方ないのかなとは思います。

しかし、このような初期対応を知らないばかりに、さらに従業員の病気を悪化させてしまうと、「これは業務災害だ!」と新たな争いへと発展してしまうかもしれません。

逆に、この初期対応をきちんとすれば、従業員にも感謝され、職場復帰が早くスムーズになることが多いのではないでしょうか。

要は、初期に、どれだけその従業員の辛い気持ち、不安な気持ちを受けとめてあげられるか、安心して療養できるための支援ができるか、どれだけ信頼関係が築けるか、にかかっています。

そのためにも、メンタル不調について今のうちに勉強して、「ここぞ」というときの準備をしておく必要がどこの会社にもあると思います。

イラスト:おちゃも

 

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