Sample HomeSample Home

建設業許可
貨物自動車運送業許可
風俗営業許可
住宅宿泊事業(民泊事業)許可

建設業許可

 建設業は、国民の資産や我が国の社会資本の形成に重大な利害関係を有している事業とされています。その為、建設工事の適正な施工の確保及び発注者保護の観点から、「政令で定める軽微な工事」を行う場合を除き、「建設業法」に基づく業種(※現在29業種)毎に許可を受ける必要があります。

●許可が不要とされている「政令で定める軽微な工事」は、次の通りです。
(1)「建築一式工事」以外の建設工事で、1件の請負代金が500万円未満(※消費税込)の工事
(2)「建築一式工事」で次のいずれかに該当するもの
 ①1件の請負代金が1,500万円(※消費税込)未満の工事
 ②主要構造が木造で、延面積150㎡未満且つ延面積1/2以上を居住の用に供する木造住宅の工事
※「建築一式工事」とは、原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下、複数の下請業者によって建築物を建設する工事で、具体的には建築確認を必要とする新築及び増改築工事が該当します。

建設業許可の区分

 建設業許可は、次の基準により「一般建設業」と「特定建設業」に大別されており、同一業種で同時に双方の許可を取得する事はできません。
 更に、指定建設業とされている7業種(土木工事・建築工事・電気工事・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業)について「特定建設業」にて許可を受ける為には、以下の表に関わらず、専任技術者は「一級の国家資格者、技術士の資格者」又は「国土交通大臣が認定した者」である事が必要です。

一般建設業 特定建設業
下請契約額
(※消費税込)
①4,500万円未満(※建築一式工事は7,000万円未満)
②工事のすべてを自前で施工
4,500万円以上(※建築一式工事は7,000万円以上)
専任技術者 ①専修学校専門課程及び高等学校(旧実業学校を含む)にて指定学科を修了して卒業後若しくは中等学校卒業後、5年以上の実務経験を有する者、又は、大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者、若しくは専門学校専門課程卒業者で専門士又は高度専門士を称する者で3年以上の実務経験を有する者
②10年以上の実務経験を有する者(※学歴・資格は問いません)
③許可を受けようとする建設業に関し、必要とされる資格を有する者
④旧実業学校卒業程度検定に合格後、5年以上実務の経験を有する、又は旧専門学校卒業程度検定に合格後、3年以上実務の経験を有する者
⑤許可を受けようとする建設業に関する登録基幹技能者講習を修了した者
⑥個別の申請に基づき国土交通大臣が認定した者
①国土交通大臣が定める技術検定・試験に合格した者、又は国土交通大臣が定める免許を有する者
②一般建設業の専任技術者要件に該当し、かつ元請として「4,500万円以上(消費税込)※」の工事について2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
[※平成6年12月28日以前分は3,000万円以上(消費税込)、昭和59年10月1日以前分は1,500万円以上]
③国土交通大臣が①又は②の者と同等以上の能力を有すると認定した者
財産的基礎 次のいずれかに該当すること。
①自己資本が500万円以上であること。
②500万円以上の資金調達能力のあること。
③直前5年間許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在許可を有していること。
次の全ての要件に該当すること。
①欠損の額が資本金の20%を超えないこと。
②流動比率が75%以上であること。
③資本金が2,000万円以上、かつ 自己資本が4,000万円以上であること。

●建設業許可は、建設業を営む為の「営業所」の所在場所に応じて、許可権者が以下のように区分されています。

  • ・「営業所」が一つの都道府県のみに所在する場合…営業所所在地の都道府県知事許可
  • ・「営業所」が二つ以上の都道府県に所在する場合…国土交通大臣許可

尚、ここでいう「営業所」とは、「建設業の請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所の事」と定義されており、具体的には、①契約締結に関する権限を委任された者が所在している事②営業を行うべき場所を有する事③電話、机等什器備品を備えている事、以上、3つの要件を満たしている必要があるとされています。

建設業許可の要件

建設業許可を取得する為には、以下の要件を全て満たしている事が必要となります。

(1)請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用があること

(※上表の「財産的基礎」欄参照)

(2)専任の技術者がいること

(※上表の「専任技術者」欄参照)

(3)事業者が経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして、次のいずれかの要件を満たしていること

【A】常勤役員等に一定の経営業務の管理経験等があること
法人の場合には常勤役員のうち1人、個人の場合には本人又は支配人のうち1人が、以下の要件に該当していること。尚、業務経験は、許可を受けようとする業種に限定されません

  • ①建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  • ②建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(※経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として経営業務を管理した経験を有する者
  • ③建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者

【B】常勤役員等に一定の経験があり、かつ、一定の要件を満たす補佐者が置かれていること
【A】の要件を満たす役員が存在しない場合、常勤役員等のうち 1 人が次の①又は②に該当する者であり、かつ、次の③、④及び⑤の経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者として置いていること。尚、③~⑤については一人で複数の要件を兼ねる事も可能。

  • ①建設業に関し2年以上の役員等(※1 業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有する者と認められる者をいう)の経験を含む、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(※財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当する者に限る)としての経験を有する者
  • ②建設業に関し2年以上の役員等としての経験(※1)を含む、5年以上の役員等の経験を有する者
  • ③許可申請等を行う建設業者等において財務管理の業務経験(※2 当該事業者における5年以上の建設業の業務経験に限る)を有する者
  • ④許可申請等を行う建設業者等において労務管理の業務経験(※2)を有する者
  • ⑤許可申請等を行う建設業者等において業務運営の業務経験(※2)を有する者

(4)請負契約に関して誠実性があること

 具体的には法人の場合は当該法人、支店又は営業所の代表者が、個人の場合は本人又は支配人等が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。
 尚、ここで言う「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行に際して詐欺・脅迫・横領等法律に違反する行為を、又、「不誠実な行為」とは、工事内容・工期等について請負契約に違反する行為をいいます。

(5)社会保険の適用事業所に該当する全ての営業所に関し、届書を提出していること

(6)建設業法8条に規定されている欠格要件等に該当していない事

事業許可取得後に必要となる手続

●許可更新

 建設業許可の有効期限は、都道府県知事許可、国土交通大臣許可の何れも5年とされており、期間満了の時点で従前の許可は当然に失効する事とされています。
 その為、許可の更新が無いまま許可が失効した場合、既に着工済みの工事であったとしても、建設業許可が不要とされている「軽微な工事」以外の工事は行う事ができなくなります。

●各種届出

 建設業許可の申請事項に変更があった場合には変更届を提出する必要があります。変更事項に応じて届出期間が異なっており、届出を怠たると罰則が適用される場合もありますので注意が必要です。
 又、毎年、各事業年度についての「決算報告書」の提出も必要とされています。同報告書の提出が適切になされていないと、更新申請等の申請が出来なくなり、その結果、建設業の許可も失う事になる場合がありますのでご注意下さい。
(※「決算報告書」は、埼玉県では「事業年度終了報告書」と呼ばれているものになります。)

●経営事項審査

 公共工事(※国又は地方公共団体等が発注する建設工事)の競争入札に際し、発注者は入札に参加する建設業者について資格審査を行う事になりますが、その際に利用されるのがこの「経営事項審査」になります。その為、公共工事の入札への参加を希望する建設業者の方は、この審査を受ける必要があります。

 その他、工事に際して必要となる事の多い道路の使用・占用許可等、様々な手続が必要となる場合があります。何かございましたらお気軽にお問い合わせ・ご相談下さい。

貨物自動車運送業許可

 トラック等の貨物用自動車による貨物輸送は、身近な宅配便サービスから、工場の原材料・製品輸送まで、実に幅広い分野における輸送事業を担う事で、我が国の経済活動の根幹を支える役割を果たしています。その為、事業の適正な運営を確保する公益上の要請が強い事業であるとして、「貨物運送事業法」に基づく規制が行われています。

貨物自動車運送業の種類

 貨物運送事業は「他人の荷物を有償で運送する」という点では共通していますが、法律上は幾つかの分類が存在しており、この内、輸送する荷物が誰の荷物かに応じて、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」の分類が存在しています。
 「特定貨物自動車運送事業」は、文字通り、特定の顧客の荷物のみを運送するのに対し、「一般貨物自動車運送事業」にはその様な限定が存在せず、広く一般からの依頼に応じる事が可能な為、今日では殆どの事業者が「一般貨物自動車運送事業」の事業者として運送業を営んでいるのが実情です。

一般貨物運送事業許可要件

 一般貨物自動車運送事業の許可を得る為には、申請書に記載する「事業計画」が、国土交通省令で定める基準を満たしている必要があります。国土交通省の省令が定める各基準項目は次の通りです。

①営業所 ・運送事業に関する営業活動、輸送の安全を確保するための運行管理の拠点であって、営業所としての適切な規模を有していること。
※一般的な事務所としての機能を有しているだけではここでの「営業所」には該当しない事になります。
②車両数 ・営業所毎に配置する事業用自動車の数が5両以上であること。
※トレーラー車両は「けん引車+被けん引車」一組を1両して算定します。尚、霊柩運送、一般廃棄物運送、需要の少ない島嶼地域においては、最低両数に関する規定の適用から除外されています。
③事業用自動車 ・事業に用いる自動車の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なものであること。
※車両をリース契約等により自己所有以外の方法で確保する事も可能です
④車庫 ・原則、営業所に併設する事。併設ができない場合には、営業所から一定の距離の範囲内に位置していること。
・車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50㎝以上確保され、全ての車両の収容が可能であること。
・他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
・車庫が面する道路が車両制限令で定める基準に適合していること。
⑤休憩・睡眠施設 ・乗務員が有効に利用することができる適切な施設であること。
・原則、営業所又は車庫に併設するものであること。
・乗務員に睡眠を与える必要がある場合、乗務員1人当たり2.5㎡以上の広さ確保されていること。
⑥運行管理体制 ・事業の適正な運営を確保するための運行管理体制を整えること。
・事業計画を適切に遂行するため必要とする員数の運転者を、常に確保できること。
・選任を義務づけられる員数の常勤の運行管理者及び整備管理者を確保する管理計画があること。
・乗務員の勤務割及び乗務割が国土交通省の定める基準に適合するものであること。
・運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
・車庫が営業所に併設できない場合には、車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備し、点呼等が確実に実施される体制が確立していること。
・事故防止ついての教育及び指導体制を整え、かつ、事故処理及び事故報告の体制が整備されていること。
※危険品の運送を行う場合には、更に消防法等関係法令が定める取扱資格者を確保する事も必要です。
⑦資金計画 ・資金調達について十分な裏付けがあること。
・所要資金の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。
・所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。
⑧法令遵守 ・申請者又はその法人の役員は、運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、かつ、その法令を遵守すること。
・社会保険等加入義務者が社会保険等に加入すること。
・申請者又は法人で業務執行を担当する常勤役員が欠格要件に該当せず、その他法令遵守状況に著しい問題があると認められる者でないこと。
※必要な法令知識の有無は、具体的には国土交通省が実施する法令試験の結果によって判断されます。又、保険については、実際には事業を開始するまでに加入するべき旨の「条件」が事業許可に付されますので、申請時点で加入している必要まではありません。
⑨損害賠償能力 ・自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(いわゆる「任意保険」)の締結等十分な損害保障能力を有するものであること。
・石油類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、別に当該輸送に対応する適切な保険に加入する計画など十分な損害賠償能力を有するものであること。

 場所的施設については、上記の他、①使用権原の裏付けがあること、②農地法、都市計画法、建築基準法等による土地利用の規制等の関係法令に抵触しないことが前提要件となります。
 又、営業所と車庫間の距離基準は、公表されている資料によりますと、概ね下記の通りとされていますが、各数値は元となる資料が公表された時点でのものに止まりますので、実際の申請の際には最新の資料にて改めてご確認下さい。

北海道運輸局管内 ・札幌市に営業所を設置する場合は10㎞以内
・札幌市以外の地域に営業所を設置する場合は5㎞以内
東北運輸局管内 ・営業所から概ね5㎞以内
関東運輸局管内 ・営業所を東京都特別区、横浜市及び川崎市に設置する場合は20km以内
・営業所をその他の地域に設置する場合は10km以内
北陸信越運輸局管内 ・新潟・長野県内は営業所から5㎞以内
・富山・石川県内は営業所から10㎞以内
中部運輸局管内 ・営業所から直線で10㎞以内
近畿運輸局管内 ・滋賀県大津市、草津市
・京都府京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、乙訓郡大山崎町
・兵庫県神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、高砂市、川西市、加古郡
・奈良県奈良市、大和郡山市、天理市、橿原市、生駒市、磯城郡田原本町
・和歌山県和歌山市、海南市
・大阪府貝塚市、泉佐野市、泉南市、豊能郡、泉南郡以外の地域、及び南河内郡の内、太子町、河南町、千早赤阪村を除く地域
以上の地域は営業所から10㎞以内
・上記以外の地域は営業所から5㎞以内
中国運輸局管内 ・営業所から5㎞以内
四国運輸局管内 ・営業所から5㎞以内
九州運輸局管内 ・営業所から5㎞以内

許可取得後の手続

 事業許可後は申請書に記載した事業計画に従い、輸送用車両に安全点検・運行管理等の業務を行う事になります。事業計画の遵守状況は、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関(全日本トラック協会)が実施する「巡回指導」により定期的に検査されますので、日頃から帳票類などの記録書類を確実に作成・保管しておく必要があります。
 法令遵守・安全確保に積極的な事業者については、現在、「優良事業所認定(Gマーク)」が行われており、同認定を取得した事業所については各種優遇措置が講じられる一方、改善が見込めない事業者については、運行停止・業務停止等の行政処分が課せられる事となり、結果、廃業へと追い込まれる場合もありますので注意が必要です。

事業計画変更

 運送事業の事業許可は、申請書に記載された「事業計画」の内容を基に行われていますので、事業用車両の増減車、車庫の拡張等により申請書に記載した「事業計画」の内容に変動が生じた場合には、変動が生じた項目に応じ、変更許可の申請又は届出を行う必要があります。

各種報告書類提出

 事業報告規則に基づき、毎事業年度の経過後100日以内に「事業報告書」の、毎年7月10日までに、前年4月1日から3月31日までの期間に係る「事業実績報告書」の提出が義務付けられています。
 又、輸送車両が不幸にして事故を起こしてしまった場合、事故の内容が死傷事故・多重衝突事故などの「自動車事故報告規則」に規定されている一定の重大事故に該当する場合には、同規則に基づき「自動車事故報告書」を国土交通大臣に提出する事になります。

旅客運送事業との「かけもち」

 従来、自動車運送事業においては旅客自動車運送事業者は旅客の運送に、貨物自動車運送事業者は貨物の運送にそれぞれ特化させる方針が採られてきましたが、その方針が改められ、平成29年9月1日より、乗合バス事業者は全国で、貸切バス、タクシー、トラックの各事業者は一定の地域内において、両事業のかけもちを行うことが可能とされていますので、「かけもち」を行う際の要件等につきましても、併せて概略を御紹介させて頂きます。

Ⅰ.制度の概要

1.乗合バス事業者が一般貨物自動車運送事業を営む場合

①最低車両台数
・貨物自動車運送事業の用に供する車両を含め、乗合事業の許可に係る最低車両台数を満たすこと。
②損害賠償能力
・乗合自動車(営業用)のものに加入していれば足りるが、任意保険又は共済については、当該事業者が管理する事業用自動車が100両以下の場合、乗合事業者として加入すべき任意保険又は共済とは別に、原則として、限度額が無制限且つ貨物自動車運送事業にも適用される保険に加入していること。
③運送区域
・貨物運送を行う区域は、路線を定めて行う乗合事業にあっては定められた路線、区域を定めて行う乗合事業にあっては当該営業区域内とする。但し、貨物運送のみを行う場合は、この限りではない。
④積載できる貨物の重量
・旅客が乗車する場所に積載できる貨物の重量は、原則として次の数式で算定される「貨物の基本積載量」(単位「㎏」)以内とする。
「貨物の基本積載量」=(「車両乗車定員数」-「乗車人数」)×55 …(※)
◎バス等の車両の性質を失わない範囲で車両を改造して積載する場合
「貨物の基本積載量」=「上記(※)式で算定した数字」+「改造により減少させた座席数」×55
◎旅客の手荷物を積載する場所に貨物を積載する場合
「貨物の基本積載量」=「上記(※)式で算定した数字」+「乗車定員数」×20-「旅客の手荷物の重量」
⑤貨物運送に用いることができる車両
・乗合事業の用に供する車両であって、届出のあったものに限る。
⑥許可の有効期間
・許可を取得した日から起算して2年間。

2.貸切バス事業者が貨物自動車運送事業を営む場合

①最低車両台数
・貨物自動車運送事業の用に供する貸切バス車両を含めて、貸切バス事業の許可に係る最低車両台数を満たすこと。
②損害賠償能力
・乗合自動車(営業用)のものに加入していれば足りるが、任意保険又は共済については、当該事業者が管理する事業用自動車が100両以下の場合、貸切バス事業者として加入すべき任意保険又は共済とは別に、原則として、限度額が無制限、且つ貨物自動車運送事業にも適用される保険に加入していること。
③運送区域
・貨物運送を行う区域は、発地又は着地が「過疎地域自立促進特別措置法」第2条第1項に規定する地域の内、郡に属する町若しくは村又は人口が3万人に満たない市(※以下「過疎地域」と表記)とする。(※埼玉県の場合、具体的には「小鹿野町」「東秩父村」が該当。)但し、同時に旅客運送を行う場合は、発地又は着地が貸切バス事業に係る営業区域内で、且つ「過疎地域」内であること。
④積載できる貨物の重量
・上記1.④に同じ。
⑤貨物運送に用いることができる車両
・貸切バス事業の用に供する車両であって、届出のあったものに限る。
⑥許可の有効期間
・許可を取得した日から起算して2年間。

3.タクシー事業者が貨物自動車運送事業を営む場合

①最低車両台数
・貨物自動車運送事業の用に供するタクシー車両を含めて、タクシー事業の許可に係る最低車両台数を満たせば足りる。
②損害賠償能力
・営業用乗用自動車のものに加入していれば足りるが、任意保険又は共済については、当該事業者が管理する事業用自動車が100両以下の場合、タクシー事業者として加入すべき任意保険又は共済とは別に、原則として、限度額が無制限、且つ貨物自動車運送事業に適用される保険に加入していること。
③運送区域
・貨物運送を行う区域は、発地又は着地が「過疎地域」とする。但し、貨物運送と同時に旅客運送を行う場合は、発地又は着地がタクシー事業に係る営業区域内で、且つ「過疎地域」であること。
④積載できる貨物の重量
・上記1④に同じ。
④貨物運送に用いることができる車両
・タクシー事業の用に供する車両であって、届出のあったものに限る。
⑥許可の有効期間
・許可を取得した日から起算して2年間。

4.貨物自動車運送事業者が乗合事業を営む場合

①許可の対象
・乗合事業を行おうとする路線の一部又は営業区域の中に「過疎地域」が含まれている事。
②最低車両台数
・乗合事業の用に供する貨物車両も含めて、貨物運送事業の許可に係る最低車両台数を満たせば足りる。
③損害賠償能力
・貨物車両の大きさ等に応じて、普通貨物自動車(営業用)又は小型貨物自動車(営業用)に加入していれば足りるが、任意保険又は共済については、旅客自動車運送事業賠償基準告示で定める基準に適合する任意保険又は共済に計画車両全てについて加入する計画があること。
④運送区域
・旅客運送(貨物運送を同時に行う場合を含む。)を行う区域は、路線を定めて行う乗合事業にあっては路線の一部が「過疎地域」であること、区域を定めて行う乗合事業にあっては発地又は着地が営業区域内で、且つ「過疎地域」であること。
⑤旅客運送に用いることができる車両
・貨物車両であって、届出のあったものに限る。
⑥協議会等への参加
・「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」第6条に規定する協議会又は「道路運送法施行規則」第9条の2に規定する地域公共交通会議に対する参加要請があった場合には、これに応じること。
⑦許可の有効期間
・許可を取得した日から起算して2年間。

5.貨物事業者が貸切バス事業を営む場合

①許可の対象
・貸切バス事業を行おうとする営業区域の中に「過疎地域」が含まれていること。
②最低車両台数
・貸切バス事業の用に供する貨物車両も含めて、貨物事業の許可に係る最低車両台数を満たせば足りる。
③損害賠償能力
・上記4.③に同じ。
④運送区域
・旅客運送(貨物運送を同時に行う場合を含む。)を行う区域は、発地又は着地が貸切バス事業に係る営業区域内、且つ「過疎地域」とする。
⑤旅客運送に用いることができる車両
・上記4.⑤に同じ。

6.貨物事業者がタクシー事業を営む場合

①許可の対象
・タクシー事業を行おうとする営業区域の中に「過疎地域」が含まれていること。
※尚、当該事業者の旅客運送は、営業所に対して運送の申込みがあった旅客運送の引受けに限る
②最低車両台数
・タクシー事業の用に供する貨物車両も含めて、貨物事業の許可に係る最低車両台数を満たせば足りる。
③損害賠償能力
・上記4.③に同じ。
④運送区域
・旅客運送(貨物運送を同時に行う場合を含む。)を行う区域は、発地又は着地がタクシー事業に係る営業区域内で、且つ「過疎地域」とする。
⑤旅客運送に用いることができる車両
・上記4.③に同じ。
⑥協議会等への参加
・上記4.⑥に同じ。
⑦許可の有効期間
・許可を取得した日から起算して2年間。

Ⅱ.兼業事業者における運行管理者等の扱い

 従来、運行管理者が複数の営業所の運行管理者・補助者を兼務する事は禁止されていましたが、同一敷地内の同一事業者の営業所であれば、当該事業者が兼業する旅客運送事業と貨物運送事業の運行管理者・補助者を兼務する事が可能とされています。但し、この場合、当該事業所の事業用自動車の総数に応じて、より多くの数の運行管理者を必要とする事業種類の定めに応じた人数の運行管理者を選任する事が必要です。
 補助者については、従来から同一事業者の他の営業所における補助者の兼務が可能でしたが、兼業事業者においては、更に旅客運送事業と貨物運送事業の間での兼務も可能となります。
 尚、兼務する運行管理者・補助者については、旅客運送事業及び貨物運送事業におけるそれぞれの資格や要件を満たしている必要がありますのでご注意下さい。

風俗営業許可

「風俗営業」の種類

 従来、風俗営業として規制されていた「ダンス」営業に関連する規定が削除された事に伴い、現在、「風俗営業」として扱われる営業形態は、以下の5業種に整理されています。
1号営業
・キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
2号営業
・喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの
3号営業
・喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難で、かつ、広さが5㎡以下の客席を設けて営むもの
4号営業
・麻雀、パチンコ遊戯具その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
5号営業
・スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗、その他これに類する区画された施設において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業

「特定遊興飲食店営業」とは?

 「特定遊興飲食店営業」は、従来の「風俗営業」とは異なる新たな営業類型として先の法改正により新設されましたが、規制の面では従来の「風俗営業」と同等の扱いを受ける形とされています。
 法律では、「設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒を提供して営むものに限る。)で午前6時後翌日の午前0時前において営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)」という具合に定義されていますが、具体的には「深夜帯」に「酒類を提供」して「客に遊興させる」形態の営業が該当する事となります。

風俗営業の規制

「深夜」時間帯営業の規制

 風俗営業の「深夜」時間帯の営業は、法律上は原則は禁止、但し、各都道府県が条例を定める事で例外的に許容、という形で規制が行われています。営業が規制される事となる「深夜」の時間帯につき、従来は「午前0時から日出時までの時間」とされていましたが、先般の改正に伴い、「深夜(午前0時から午前6時までの時間)」と改められました。
 尚、「深夜」時間帯につきましては、先の改正の際、条例でより弾力的な規制を行う事が認められたのに伴い、「深夜営業」を行う営業者には、来店客の発する大声や騒音、酩酊に伴う迷惑行為等につき適切な措置を講じる事が義務付けられた他、周辺住民から寄せられた苦情の処理に関する事項を記録する為の名簿の備え付け、及び苦情を適切に処理すべく努力する事が求めらています。

年少者の立入制限

 風俗営業を営む店舗に18歳未満の年少者が立ち入る事は原則禁止とされており、年少者の入店防止の為、営業者は店舗の入口に年少者の立入りを禁じる旨の表示を行う事が義務付けられています。又、その関係で、18歳未満の者が接客業務に従事する事も一律に禁じられています。
 尚、ゲームセンターなどの「5号営業」につきましては、午後10時以後午前6時までの時間帯は年少者の入店が法律により一律に禁じられていますが、それ以外の時間帯では保護者同伴等の条件を付する事で、各都道府県の条例により緩和する余地も認められています。

その他の順守事項

 営業者は、許可後の営業に際しても、防音や照明等の設備に関する基準や料金表の掲示義務等の様々な順守事項を守りながら営業に当たる必要がありますので、それらの順守事項が適切に守られているかを監督する立場の者として、「管理者」の選任・設置が義務付けられています。
 又、店舗周辺の良好な環境を維持する為、広告や宣伝方法についても制約が課せられる他、良好な環境を保全し、周辺への悪影響を排除する為の必要な対策を協議する場として、各都道府県が条例にて定める地域毎に、当該地域を管轄する警察署長、風俗営業者等に加え、地域住民その他の関係者による「風俗環境保全協議会」を設置する事とされています。
 同協議会の設置は、法律上は努力義務とされていますが、各自治体及び営業者には積極的な協力が求められていると言えます。

住宅宿泊事業(民泊事業)許可

 自宅等を利用して旅行者に宿泊サービスを提供する、いわゆる「民泊」が、近年、急増している外国人旅行者の多様な宿泊ニーズに応える手段として注目を集める一方、一般住宅を利用する事から、地域住民とのトラブルが少なからず懸念されると共に、必要な手続を経ずに営まれる、いわゆる「ヤミ民泊」が横行する等の問題が生じていました。
 そこで、これらの問題に対応すると共に、健全な民泊サービスの普及を促進する為、新たに「住宅宿泊事業法」(民泊新法)が制定され、平成30年6月15日より施行されています。
 従来、「民泊」サービスを提供する為には、特区制度を利用するか、或いは「旅館業法」が定める「簡易宿泊所」の手続を経る必要がありましたが、「住宅宿泊事業法」の成立を受け、新たに同法に基づく届出を行う事で、より簡易に民泊事業が行える形となりました。そこで、今後「民泊」サービスの主流となる事が予想される民泊新法の概要につき、ここでも簡単にご紹介させて頂きたいと思います。

   

「住宅宿泊事業」とは

 「住宅宿泊事業」とは、具体的には、旅館業法に基づく事業者以外の者が宿泊料を徴収して自らの住宅に宿泊させる事業とされ、宿泊させる日数は年間「180」日を超えない事が条件とされています。この期間は省令の定める方法により、「1日= 正午から翌日の正午まで」を単位として届出住宅毎に算定されます。(※条例により更に短縮されている場合があります。)

民泊に用いる「住宅」要件

 住宅宿泊事業に用いる「住宅」は、次に掲げる「設備要件」と「居住要件」を満たしている必要があります。

1.設備要件

 民泊に用いる「住宅」は、宿泊者の衛生環境保持の為、各居室の床面積が宿泊者一人当たり3.3㎡(大体2畳分)以上の面積が確保されている必要がある他、①「台所」②「浴室」③「便所」④「洗面設備」を備えている必要があります。これらの設備は、必ずしも全て独立している必要はなく、ユニットバス等の形でも良い事とされています。機能面も一般的なものが備わっていれば良い事とされていますので、例えば「浴室」についてはシャワー設備だけでも良く、「便所」については和式・洋式は問いません。
 又、全ての設備が必ずしも一棟の建物内に備わっている必要も無く、同一敷地内の複数の建物に設備が分散している場合でも、これらの複数棟の建物を一体の「住宅」として届出を行う事で要件を充足させる事も可能とされています。但し、あくまでも届出住宅に設置されている必要がある為、「住宅」の範囲に含まれない公衆浴場等の施設で代替する事は出来ません。
 更に、災害時における宿泊者の安全確保の為、消防法令の規制により非常用照明器具等の安全設備が必要となる場合があり、例えば一般的な戸建て住宅で民泊事業を行う際、宿泊室の床面積が50㎡以上であれば、消火器等の設置が必要となります。

2.居住要件

 届出を行う住宅は、次のいずれかに該当する家屋である必要があります。

(1)「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」

 現に特定の者の生活が継続して営まれている状況にある家屋の事で、具体的にはいわゆる自宅等が該当する事になります。その為、別荘の様に短期的に使用する程度に止まる家屋については同要件には該当しない事とされています。

(2)「入居者の募集が行われている家屋」

 具体的には分譲マンションや賃貸アパート等の空部屋を、入居者の募集を行う傍ら民泊事業にも用いる事を想定した類型です。その為、表向きには入居者の募集が行われていても、不利な取引条件を提示する等の方法で、実際には入居希望者が現れる事を阻止している等、真実、募集の意図が無い事が明らかな場合は同要件には該当しない事になります。

(3)「随時その所有者、賃借人又は転貸人の居住の用に供されている家屋」

 現時点では生活の本拠として使用していないが、所有者等により随時居住利用されている家屋とされ、具体例として以下の様な事例が挙げられています。
 ・別荘として年数回程度利用している家屋や、休日のみ利用しているセカンドハウス
 ・転勤で一時的に生活の本拠を移しているが、将来、再び居住するために所有している空家
 ・常時居住はしていないものの、相続等により所有し、将来的な居住を予定している空家
 ・生活の本拠ではないが、別宅として使用している家屋

 「住宅」に該当するか否かは家屋の使用実態から判断されますので、社宅、寮、保養所等の用途に用いられている家屋でも、所定の要件を満たしている限り、民泊事業に用いる事は可能です。又、「住宅」は必ずしも一棟の独立した建物である必要も無いとされていますので、建物の一部分にて「住宅」の要件を満たしていれば、当該部分のみを事業に用いる形とする事も可能とされています。
 一方、「住宅」である事の前提として、当該家屋が「人の居住の用に供されていると認められるもの」である事が必要となりますので、当該家屋の使用権限を有している事の他、少なくとも年1回以上は利用している実態が必要とされます。その為、単に投資目的で所有している物件の様に、「居住」と言い得る使用実態が無い家屋や、宿泊事業に用いない間は他の事業の用に供されている家屋は、「住宅」には該当しないものとされています。

民泊新法の事業者

 民泊新法では、民泊事業に関わる事業者として次の3種類の事業者を定めており、それぞれの役割・責務は次の通りとされています。

(1)住宅宿泊事業者

 民泊事業の届出を行い、実際に住宅宿泊事業を営む事業者です。事業の適正な遂行の為、宿泊者名簿の作成・備付け、標識の掲示等の義務を負う他、事業に用いる「住宅」の管理者として、当該住宅の衛生環境確保、近隣への騒音防止の為の措置、苦情への対応等の責務を果たす責任も課せられています。
 但し、①「届出住宅の居室の数が5を超える場合」、又は②「届出住宅に人を宿泊させる間、不在となる場合」の何れかに該当する場合には、管理業務を次の「住宅宿泊管理業者」に委託する必要があります。

(2)住宅宿泊管理業者

 上記①②いずれかの場合において「住宅」の管理業務を担う事業者になります。管理事業者としての事業を行う為には、予め国土交通省の登録手続を履行している事が必要です。登録は5年毎の更新制とされています。
 住宅宿泊事業者に代って「住宅」の維持管理に関する責務を負う他、自らの事業に関しても誇大広告や不当勧誘等の行為を行わない責務を負います。

(3)住宅宿泊仲介業者

 住宅宿泊事業者は、ホームページ等の媒体を利用して自ら宿泊者を募集する事も可能ですが、宿泊者の募集業務を外部に委託する場合には、旅行業の登録を受けている既存の「旅行業者」か、或いは新法に基づき観光庁の登録を受けた「住宅宿泊仲介業者」に委託する必要があります。仲介業者の登録も5年毎の更新制です。
 違法民泊を排除する為、民泊事業者から宿泊者募集等の業務を請負う際、委託者が適法な事業者である事の確認が求められる他、観光庁より違法業者に関する情報の削除等の要請を受けた場合には、速やかに情報を削除する等の必要な措置を講じる義務を負います。

 ここで紹介している内容は制度の概要に止まりますので、より詳細につきましては、観光庁提供の民泊制度ポータルサイト「minpaku」等もご確認下さい。又、民泊新法は、各地域の実情に応じて、自治体が条例により更なる制約を行う事を容認していますので、併せて各自治体が公表している情報にもご注意下さい。

「minpaku」はこちらです。

<< 前のページに戻る