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支部主催「無料相談会」開催日程
埼玉県における新型コロナ感染症対策
中国にて炭素繊維の流出事案が発生
改正「建設業法」が施行されました
高度な日本語能力を有する外国人留学生の就労範囲が拡大
民法(相続法)が変わります

支部主催「無料相談会」開催日程

 埼玉県行政書士会東入間支部では、支部主催の無料相談会を各地で実施しております。これまでは事前の予約等は不要という形にて実施させて頂いておりましたが、新型コロナ感染症対策の観点から、当面の間、事前予約にて相談受付という形にて実施させて頂きます。予約の空きがある場合は当日の受付も行いますが、相談をご希望の方はお早めのご予約をお願い致します。予約に付きましては、三芳町開催分は三芳町総務課まで、富士見市開催分は東入間支部長まで、それぞれお問い合わせ下さい。
 皆様のご来訪を、一同、お待ちしております。

[開催日程]

  • 令和3年
    ・1月20日(水) 10時~14時(予定) 三芳町  三芳町役場(※事前予約制
  • ・2月21日(日) 10時~16時(予定) 富士見市 ピアザふじみ(※事前予約制
  • ・3月24日(水) 10時~14時(予定) 三芳町  三芳町役場(※事前予約制

※新型コロナ感染症の拡大状況により、中止となる可能性がありますので、その際は、何卒、ご了承下さい。

埼玉県における新型コロナ感染症対策

 新型コロナウィルス感染症の全国的な感染の急拡大を受け、埼玉県を含む一都三県に、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態宣言が発令されました。それを受け、従来からの要請が、法律に基づく要請に改められる等の変動がありましたので、現在、埼玉県から求められている要請の概要をご紹介させて頂きます。
 ここでご紹介する内容は概要に止まりますので、詳細につきましては埼玉県のホームページを、是非ご確認下さい。感染の終息に向け、皆様のご理解とご協力を、当事務所からもお願い申し上げます。

ユキマサ君B-3

埼玉県における緊急事態措置(令和3年1月8日発表)

【対象区域】

埼玉県全域

【実施期間】

令和3年1月8日(金)から令和3年2月7日(日)まで

【内容】

◎外出自粛の要請(特措法第45条第1項)

不要不急の外出、県境をまたぐ移動の自粛(特に、午後8時以降の不要不急の夜間外出の自粛)
(※通院、買物、出勤、通学、運動や散歩など生活や健康の維持のために必要な場合を除く)

◎施設の使用停止等の要請(特措法第24条第9項)

・店舗営業時間の短縮要請
  • ●期間
    ・令和3年1月8日(金)午前0時から令和3年1月11日(月)午後12時まで
  • ●対象事業者
    ・さいたま市大宮区、川口市、越谷市内の「酒類の提供を行う飲食店」及び「カラオケ店」
  • ●要請の内容
    ・営業時間の、午前5時から午後10時までの間への短縮
    ・酒類提供時間を、午前11時から午後7時までの間に限定
    (※宅配、テイクアウトサービスを除く)
  • ●期間
    ・令和3年1月12日(火)午前0時から令和3年2月7日(日)午後12時まで
  • ●対象事業者
    ・埼玉県内の「飲食店」、「遊興施設等」
    「飲食店」…飲食店(居酒屋を含む)、喫茶店等(※宅配、テイクアウトサービスを除く)
    「遊興施設等」… バー、カラオケボックス等で、食品衛生法の飲食店営業許可を受けている店舗
    (※ネットカフェ、漫画喫茶は対象外。但し、感染防止対策の徹底を要請。)
  • ●要請の内容
    ・営業時間を、午前5時から午後8時までの間に短縮
    ・酒類提供時間を、午前11時から午後7時までの間に限定

◎イベント等の開催制限の要請(特措法第24条第9項)

  • ●期間
    ・令和3年1月12日(火)以降
  • ●要請の内容
    ・収容人数10,000人以下の施設でのイベント…収容率50%を上限とする
    ・収容人数10,000人を超える施設でのイベント…5,000人を上限とする

◎その他の事業者に対する要請(特措法第24条第9項)

  • ・テレワークの徹底(※出勤者数7割削減を目標)
  • ・在宅勤務、時差出勤の徹底
  • ・職場、寮における感染防止策の徹底
  • ・従業員に対する基本的な感染防止策の徹底、会食自粛等の呼びかけ
  • ・全てのイルミネーションの早めの消灯

やめよう コロナ差別

新型コロナウイルス感染者やその家族などに対する不当な差別、偏見、いじめがあってはなりません。新型コロナウイルス感染症に関わる偏見や差別が受診をためらわせ、感染を再拡大させてしまうという負のスパイラルが懸念されます。

  • ●一人ひとりが思いやりのある気持ちを持つことが大切です
  • ●公的な機関の提供する正確な情報に基づき、冷静な行動をしよう
  • ●ワンチームとなって負のスパイラルを断ち切りましょう

中国にて炭素繊維の流出事案が発生

 経済産業省が令和2年12月22日付で公表した報道資料によりますと、東レインターナショナル(株)が外国為替及び外国貿易法に基づく輸出許可を取得して中国に輸出した炭素繊維の一部が、許可を取得した輸出先以外の事業者に流出した事案が発生し、それに対する経済産業省の処分が行われたとの事です。
 炭素繊維は、その性質上、近年、軍事分野での利用が急速に広まっている素材の為、諸外国からも狙われ易い分野でもありますので、関連事業者の皆様はくれぐれもご注意下さい。詳細につきましては経済産業のホームページなどもご参照下さい。

●事案の概要

 東レインターナショナル(株)は、外為法上の輸出許可を取得し、東レ社製の炭素繊維を中国に輸出していたが、今般、同社より、当該炭素繊維の一部が、許可を取得した輸出先以外の事業者に流出した旨の報告があった。

●経済産業省の対応

  1. 東レインターナショナル(株)に対して立入検査等を実施し、一部の炭素繊維が、許可を取得した輸出先以外の事業者に流出している事実を確認した。
  2. こうした事態を招いた背景として、①契約当事者として外為法の輸出許可を要する貨物に関して顧客や用途を確認する取引審査を厳格に行うべき立場であったにも関わらず、中国の現地子会社及び現地社員に取引審査を一任していたこと、②輸出先等の取引審査を適切に実施していなかったこと等、内部管理体制の不備があったものと判断し、再発防止策の策定を求めた。
  3. これを受け、本日(※注 12月22日)、東レインターナショナル(株)より再発防止策の提出があり、貿易経済協力局長より当該再発防止策と厳正な輸出管理の徹底を求める警告書を発出した。
  4. 外為法上の規制対象貨物等の輸出等を行う国内事業者に対して、本件も踏まえた厳正な輸出管理の徹底を広く注意喚起する観点から、公表する。

改正「建設業法」が施行されました

 令和2年10月1日に、改正「建設業法」が施行されました。今回の改正では新たに許可の承継制度が設けられる等、かなり大規模な改正となっておりますので、改正ポイントの概要をこちらにてご紹介させて頂きます。詳細につきましては埼玉県のホームページなども是非ご確認下さい。

改正法のポイント

・経営業務の管理責任者要件の見直し

従来は個人に着目して経営管理能力の確認が行われていましたが、改正により各事業者において経営管理を適正に行う体制が整えられているか、という観点からの確認に改められました。詳細につきましては、当事務所HPの業務紹介ページをご参照下さい。

・社会保険加入の許可要件化

社会保険加入については従来より確認、指導等の対応が行われていましたが、今回の改正で明確に要件として位置付けられました。

・役員、技術者等の常勤確認資料の見直し

社会保険加入の要件化に伴い、年齢や制度に応じて、必要書類が詳細に定められています。

・許可の承継制度の創設

相続や法人化の際、従来は一旦廃業の後、新規に許可を取得する必要がありましたが、今後は承継制度を利用して許可を引継ぐ事も可能となりました。

・主任技術者、監理技術者の配置基準の見直し

一定の技能を有する「補助者」を現場に専任で設置する事で、監理責任者が現場を2つまで兼任する事が可能となりました。

高度な日本語能力を有する外国人留学生の就労範囲が拡大

 我が国の大学を卒業、又は大学院を修了した留学生の更なる就職支援を目的に、令和元年5月30日付で在留資格「特定活動」に関する法務省告示が改正されました。これにより我が国の大学卒業者・大学院修了者の内、高度な日本語能力を有していると認められる方を対象に、その能力を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することを希望する場合、在留資格「特定活動」に基づく入国・在留が可能となりました。
 通常、留学生が就職の際に取得する事が多い在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、一般的なサービス業務や製造業務等に従事する事は認められていませんが、本制度においては、一定の要件を満たす事を条件に、これらの活動に従事する事も可能とされています。但し、別に法的な資格を必要とする業務や風俗関係業務に従事する事まで可能とされている訳ではありませんのでご注意下さい。


・対象となる外国人

以下の(1)~(3)の要件を全て満たしている方が対象となります。

(1)日本の4年制大学を卒業及び大学院を修了している事(学歴要件)

日本の4年制大学の卒業及び大学院の修了に限定されています。その為、短期大学及び専修学校の卒業の場合や、外国の大学の卒業及び大学院の修了の場合は同要件の対象外となります。

(2)高度な日本語能力を有していると認められる事(日本語能力要件)

具体的には以下の要件のいずれかを満たしている事が必要となります。

ア)日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を取得している事
イ)大学又は大学院において「日本語」を専攻して卒業・修了している事(※)

※上記イにつきましては外国の大学・大学院にて日本語を専攻した場合も対象となります。但し、この場合には、更に「学歴要件」として日本の大学・大学院の卒業・修了が必要となります。

(3)その他、在留資格変更及び期間更新申請に必要な要件を満たしている事

具体的には以下の要件を満たしている事が必要となります。

ア)素行が不良ではない事

その為、素行が善良ではないとの判断に結び付く事情は消極的要素として評価される形になりますので、例えば在学中、資格外活動許可の条件に反して恒常的にアルバイトに従事していた様な場合、同要件は満たしていないと判断される可能性が極めて高い事になります。

イ)入管法に定める届出等の義務を履行している事

例えば、在留カードに関する届出等、入管法が定めている各種義務を履行していることが必要です。


・活動内容

本邦の公私の機関における活動で、以下の要件を満たしているものである事が必要です。

(1)日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務である事

当局の説明によりますと、具体的には「翻訳・通訳」的な要素のある業務や、自ら第三者へ働きかける際に必要とされる水準の日本語能力を活かした他者との双方向コミュニケーションを要する業務である事が必要、とされています。従いまして、単に雇用主等からの作業指示を理解し、それに従って自らの作業を行うだけの受動的な業務では要件を満たさない事になります。

(2)本邦の大学又は大学院で修得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められる事

具体的には、従事する業務の内容に、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれているか、或いは、今後、その様な業務に従事することが見込まれる事が必要とされます。

(3)予め指定された機関との契約に基づき、当該機関の常勤の職員としての業務に従事する活動である事

その為、雇用形態は、当該機関の常勤職員としてフルタイム勤務に従事する形のものに限られ、短時間のパートタイムやアルバイト形態は認められません。又、指定された活動場所で業務に従事する必要がある事から、派遣社員として派遣先において就労活動を行う事も出来ません。

(4)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受ける事

具体的には活動先となる地域や個々の企業の賃金体系を基礎に、同種の業務に従事する日本人と同等額以上であるか、又、他の企業の同種の業務に従事する者の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断するものとされています。尚、本制度は大卒・院卒者が対象である事から、昇給面を含めて、日本人大卒者・院卒者の賃金が参考とされる他、本国等において実務経験を積んでいる様な場合、それらも踏まえた報酬が支払われる形態とされているかについても確認する事とされています。

尚、この制度に基づき在留が認められた外国人の扶養を受ける配偶者又は子につきましては、「特定活動(本邦大学卒業者の配偶者等)」の在留資格により、日常的な活動が認められる事になります。

民法(相続法)が変わります

 平成30年7月に成立した民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行が、2019年より段階的に開始されます。内容につきましては、改正法の成立以来、既に報道等でも繰り返し紹介がなされていますが、今回の改正は、残された配偶者の生活配慮の観点や、遺言の利用を促進、相続をめぐる紛争防止等の様々な観点を踏まえている為、改正項目も多岐に渡っていますので、周知の意味も込めまして改正の概要を御紹介させて頂きたいと思います。


1.配偶者の住居保護

 例えば、夫が死亡した場合、夫名義の住居も夫の遺産として扱われる事となる為、遺産処理の過程で、場合によっては配偶者が住居を失う結果となる等の弊害が生じていました。そこで、今回の改正では残された配偶者の居住に関する権利を保護すべく、新たに「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」に関する制度が整備されました。

(1)「配偶者短期居住権」

 相続開始の時、被相続人所有の建物に無償で居住していた配偶者が、相続開始後も暫定的に当該住居にそのまま無償で住み続ける事を、法律上も正当化する目的で設けられました。但し、あくまでも一時的な権利として位置付けられている為、その存続期間については次の様な制限が設けられています。

ア 居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産分割が行われる場合

「遺産分割によりその建物の帰属が確定するまでの間」又は「相続開始の時から6か月を経過する日」の内のいずれか遅い日までの間。

イ 上記ア以外の場合

居住建物の所有権を取得した者から配偶者が居住権の消滅の申入れを受けた後、申入れを受けた日から6か月を経過するまでの間

(2)「配偶者居住権」

 配偶者が残された住居に安定して住み続ける為には、配偶者が当該住居の所有権を取得する事が最も確実な方法となりますが、その結果、遺産分割ではその余の財産の配分が受け辛くなる等の不利益も生じる形となっていました。そこで、住居の所有権とは別に、住居を無償で使用又収益する事を内容とする「配偶者居住権」の制度が創設され、遺贈や遺産分割において当該権利を利用する事で、より柔軟な遺産処理が可能となりました。
 権利の性格上、要件として、①「配偶者」が、対象となる②「被相続人の所有建物」に、③「相続開始時に居住している事」が必要となりますが、居住権を登記する事も可能の他、特段の取り決めがなされなければ存続期間は配偶者の終身とされる等、権利を取得した配偶者が安定して居住を続けられる様、取り計られています。

 尚、配偶者の居住を強く保護する権利の為、審判等で家庭裁判所が権利を付与出来るのは以下の場合に限定されています。
①共同相続人間に配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき
②配偶者が権利の取得を希望する場合で、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持する為に特に必要があると裁判所が認めるとき


2.遺産分割の効力に関する見直し

(1)持戻し免除の意思表示の推定

 相続に先立ち、夫名義の住居の所有権を妻に移転した場合、夫の特段の意思表示が無い限り、遺産分割では妻への住居の名義移転も例外なく「特別受益」として扱われる事になる為、生前贈与を受けた分、遺産分割における妻の取り分が減少する事になる等の不都合な結果が生じていました。
 そこで、「婚姻期間が20年以上である夫婦」における一方配偶者から他方配偶者に対する住居の遺贈又は贈与については、従来の原則と例外を逆転させ、特段の意思表示(持戻し免除の意思表示)があったものと推定する事で、遺産分割における特別受益としての扱いも原則不要となりました。

(2)仮払い制度等の創設・要件明確化

 従来、預貯金の様な債権は相続開始と共に分割され、遺産分割を経る事無く各相続人に権利が帰属すると考えられていましたが、平成28年に示された最高裁判所の判断により、他の遺産同様、原則、遺産分割が必要になるとの考え方に改められました。その結果、葬儀費用の支払いや相続債務の弁済等の資金需要がある場合でも、遺産分割が終了するまでは相続した預貯金を利用する事がより困難となる結果にもなっていた為、今回の改正では現実的な要請に対処するべく、被相続人の預貯金を利用する為の方策が整備されました。

ア 家事事件手続法に基づく保全処分の利用

 従来より家事裁判所の手続を通じて預貯金の引出しを行う事自体は可能とされていましたが、要件が厳格の為、実際に利用する事はかなり困難な状況にありました。そこで今回の改正に合わせて家事事件手続法の要件を緩和する事で、制度をより利用し易い形へと改められました。

イ 裁判手続によらない簡易な払戻し方法の創設

 家庭裁判所の手続を利用する方法は、裁判手続という性格上、早急な資金需要に応える事までは難しいという欠点がある為、今回の改正では、裁判手続を経ない、より簡易な払戻し方法も認められる事となり、各相続人は、遺産に属する預貯金債権の内、各口座毎に以下の計算式で求められる額までについては、単独で払戻をする事が可能となりました。

【計算式】
・(払戻請求可能額)
=(相続開始時の当該口座の預貯金額)×(1/3)×(払戻しを求める相続人の法定相続分)
※但し、同一の金融機関に対する権利行使は、法務省令で定める額(150万円)が上限となります。

(3)遺産分割前に行われた財産処分の扱い

 一部の相続人が遺産分割前に遺産を処分した場合、従来の考え方では、処分された財産は、事後、遺産から切り離して扱われる事になると考えられていた為、場合によっては抜け駆け的な財産処分をした相続人が得をするという、極めて不合理な結果が生じる形になっていました。そこで今回の改正では、新たに共同相続人全員の同意(※遺産の処分をした相続人の同意は不要)により、一部の相続人が勝手に処分した財産も遺産分割の対象に含める事が出来る形に法律で定める事で、遺産分割手続を通じた不合理の是正が可能となりました。


3.相続の効力等に関する見直し

 かねてより、遺言で「農地は長男に相続させる」等の表記による、いわゆる「相続させる遺言」がなされた場合、その効力は遺産分割方法の指定であるとの理解の元、その有効性も広く認められる所となっていますが、その一方で、遺言に基づき遺贈がなされた場合、権利の取得を第三者に主張する為には登記等の対抗要件の具備が必要となるのに対し、「相続させる遺言」によって権利を取得した場合には不要とされる等、事案によって法的な効果が分かれる形にもなっていました。
 そこで、今回の改正では、「相続させる遺言」の形式で特定の財産の承継が定められた場合を「特定財産承継遺言」として法律で定義する事で、その法的な位置付けを明確にすると共に、この「特定財産承継遺言」に基づく権利取得の場合も含め、法定相続分を超える財産の承継については、一律に登記等の対抗要件を備えなければ第三者に権利の取得を主張できない事とされました。


4.遺言制度に関する見直し

(1)自筆証書遺言の方式緩和

 従来、被相続人が自ら作成する「自筆証書遺言」については、法律で自書による全文の作成が要求されていた為、その有効性を巡り、紛争が生じる事も少なくありませんでした。そこで、今回の改正では厳格な自書性を要求していた現行の方式を緩和し、遺言に添付する財産目録については自書によらない場合でも有効とする扱いがなされる事となりました。
 但し、遺言書本体については従来の様式が維持されている他、本体との関連性を明確にする為、財産目録各頁への署名押印が必要とされますのでご注意下さい。

(2)遺言執行者の権限の明確化等

 遺言書の内容を確実に実現する為の方策として、遺言執行者の指定がなされる場合が少なくありませんが、遺言執行者の権限については、解釈上、不明瞭な部分が存在してた事から、その行為の有効性を巡る紛争が生じる事も少なくありませんでした。そこで今回、遺言執行者の一般的な権限として、遺言執行者がその権限内において遺言執行者である事を示して為した行為については、相続人に対し直接にその効力を生ずる事が法律に明記された他、遺贈やいわゆる「相続させる遺言(特定財産承継遺言)」がなされた場合における遺言執行者の権限等も明確化されました。

※自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言書保管法)(※制度開始:令和2年7月10日)

 公証人の手による公正証書遺言に比べ、遺言を残す本人が作成する自筆証書遺言は、その作成のみならず、保管・管理も専ら本人の手による形になる事から、その存在を秘匿する余り、実際、相続が発生してもその存在が相続人に知られる事無く、結果的に本人の意に反する処理が行われる事になる等の弊害の発生が、従来から指摘されていました。
 そこで、今回の改正を機に、新たに法務局による自筆証書遺言の保管制度が整備されましたので、制度が開始される施行日まで時間がありますが、併せて概要を御紹介させて頂きます。
(制度の概要)
・対象は、民法968条所定の「自筆証書遺言」のみで、更に法務省令で定める様式に従って作成されている必要があります。
・保管場所は「遺言者の住所地か本籍地」又は「遺言者が所有する不動産の所在地」を管轄する、保管所として指定を受けた法務局です。
・申請は、本人自らが、法務局に出頭して行う必要があります。代理人等を通じた申請は認められていません。
・遺言者は、保管されている遺言書の閲覧を請求することができる他、撤回も可能ですが、遺言者の生存中は、遺言者以外の者による遺言書の閲覧等は禁じられます。
・遺言者の死亡後、遺言者の相続人・受遺者等は、遺言書に関する証明書(遺言書情報証明書)の交付や原本の閲覧請求が可能となります。又、請求を受けた場合、法務局の担当官は、遺言書が保管されている旨を速やかに他の相続人や受遺者及び遺言執行者に通知する事とされれています。
・遺言の存在を覚知していない場合の対策として、特定の死者につき、自己(請求者)が相続人・受遺者等となっている遺言書(関係遺言書)の存否につき、証明した書面(遺言書保管事実証明書)の交付を請求することが可能です。
・保管されている遺言書については、本来、自筆証書遺言で必要とされる、裁判所による「検認」の手続は不要となります。
・制度の利用には、所定の手数料の納付が必要です。


5.遺留分制度の見直し

 特定の相続人については、法律により「遺留分」の権利が認められていますが、遺留分の権利が主張された場合の法律上の効果は、「遺留分減殺請権」の行使に基づく物権的な効果と位置付けられていた為、権利が行使された結果、却って権利関係が複雑化する場合がある等の問題が指摘されていました。
 そこで、今回の改正で従来の規律を改め、遺留分に関する権利の行使の結果、遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずる形とする事で、問題の解決の簡便化を図る事とし、更に遺留分権利者に対する支払が直ちには困難な場合、裁判所に対して債務の全部又は一部の支払につき期限の許与を求める事も可能とする事で、問題の柔軟な処理が可能となりました。


6.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 従来より、相続人以外の者が遺産を取得する場合として、特別縁故者への分与制度が存在していましたが、同制度は相続人が存在していない場合に利用が限られる等、制約も多かった事から積極的な利用が難しい状況にあった為、現行の制度では、特に夫の死亡後も療養看護に努めた妻等は、身近な親族であるにも関わらず、苦労が報われない形にならざるを得ない等の不合理の存在が指摘されていました。
 そこで今回、被相続人の親族の内、無償で被相続人の療養看護等を行う等、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者を「特別寄与者」と位置付け、その寄与の程度に応じた「特別寄与料」の支払を相続人に対して請求する事が出来る形に改められました。