急須づくりをしていて思うこと

急須はお茶をいれる「道具」です。 私は、道具としてだけの急須ではなく、「作品」ともなる急須をつくりたいと願っています。
急須は実際に使うものですので、造るときは実用性を考えなければなりません。
よくお茶が切れ 伝い漏れがしないこと、蓋がガタつかないこと、持ち手の角度など様々な点(条件)を考えます。
それでも、それらの点に加えて、見た目のことも考えます。
急須は本来、両手で使用したそうです。片手で持ち手を持ち、もう片方の手で蓋を押さえて注ぎます。
ですから、古い急須には手と口が短いものも多くありました。急須を両手で使うとするなら、持ち手を長くする必要はないかもしれません。
相手を大切にしている時は、多くの場合両手で物事を行います。両手でお茶を注ぐと所作も美しく見えます。
急須はお茶をいれる道具であるために使い勝手をよく考えます。
それと同時に、見た目にも面白い作品としての急須づくりをするよう常に心がけております。


お茶と工芸品を楽しむ

今は100円ショップでも急須やその他の器が売られている時代です。
ペットボトルや粉末のお茶もあり、ますます手軽にお茶を飲むことができています。 しかし、急須自体を知らない若い人がいることも事実です。
忙しい生活の中だからこそ、お茶を飲むことだけでなく、ほんの少しの手間をかけてお茶をいれ、 その「時間」を楽しみ、お茶を「味わう」ことにも魅力を感じます。 急須でいれたお茶は一味違っています。味も、色も、香りもすべて魅力的です。
急須でお茶をいれるには、湯の温度を適度に冷まし、茶をゆっくり抽出したりなど、ほんの少しの手間と時間がかかります。
それでも、その手間と時間を大切にし「気持ちを落ち着けて、ゆとりをもち、おもてなしをする」
ということは、とても大切なことではないかと思っております。
現在はとてもお手頃な品が多くなっているように感じます。そして時には粗末に扱われてしまいます。
一方、工芸品だと、ちょっとした緊張感を持って大切に扱います。
そのお気に入りの道具を使って、お客さん(時には自分自身)をおもてなしします。


急須の持ち方

いくつかの急須の持ち方をご紹介します。様々な持ち方があります。
いれるお茶の種類や使用する急須に合わせて、持ち方を変えることができます。
ここでは、「右利き」の場合をご紹介します。

 





 


両手でお茶を注ぐ方法です。

右手で持ち手を握り、左手で蓋をおさえます。

両手で丁寧に行うので、所作も美しく感じられます。

もてなしを受ける側も嬉しくなるような持ち方だと思われます。

この方法だと持ち手が短くても、十分持つことが出来ます。







 





 

片手でお茶を注ぐ方法です。

中指と人差し指の間で持ち手を挟み、そのまま持ち手を包むように

軽く握り、親指で蓋をおさえる注ぎ方です。

この方法も持ち手が短くても十分に持つことが出来ます。

とても安定した持ち方で、安心してお茶を注げます。







 





 

片手でお茶を注ぐ方法です。

中指と親指で持ち手を挟み、人差し指で蓋をおさえます。

安定や手のひねりの面で、少し慣れが必要な持ち方かもしれません。







 





 

片手でお茶を注ぐ方法です。

手全体で持ち手を握り、親指で蓋をおさえる、よく知られた持ち方です。

ただし、持ち手が十分に長い急須では全く問題ありませんが、

持ち手が短い急須の場合は多少握りづらく感じられるかもしれません







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