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オーディオ自作アンプの伝説・迷信・常識・ステマ (^^;)ゞ

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ネット社会になって氾濫する伝説.迷信.ステマに振り回され、電気知識を持ってないと正しい判断ができない時代になりました、その代表例が『電源コードで音が変わる』でしょうか、巷には数十万円もする製品まで現れ、1万円の電源コードが安く感じられ比較宣伝のトリックに洗脳されそうになりました、くれぐれも惑わされませんように・ ・ ・ (^^)ニコ

Diy アンプ自作の工程   Top
  1. 用途から回路構成を検討して回路図を描きます
  2. 回路図から大まかなパネルデザイン.シャーシレイアウトを行い、使用部品を選定して部品表を作成します
  3. 部品表を元に必要な全部品を調達します
  4. 調達した部品の実寸法を参考にパネルデザイン.シャーシレイアウトを繰り返して最終的なパネル.シャーシの寸法図とトランス.スイッチ.真空管ソケット.ラグなどの機構部品を配置した実体図を描き、部品配置.配線などで混みあう場合は配線用と半田実装部品用に2枚用意します
  5. ダイオード.抵抗.コンデンサーなどの半田実装部品と各種配線を回路図から読み解いて、最適な配置を実体図に描き込み、実体配線図とします
  6. 寸法図を参考にパネルの穴加工(素人加工では精度が出難いので、最終的には現物合わせ).バリ取り.表面研磨後に溶剤で脱脂し、プライマー塗料で下地処理してから、気に入った色で塗装し、充分乾燥させます
  7. インスタントレタリングで文字入れを行い透明クリアの塗膜をかけ、充分乾燥させます
  8. 真空管ソケットなどの機構部品とトランスをシャーシへ取付け、製作中に傷が付きそうな部品は布切.新聞紙.プチプチ等で保護します
  9. まずトランス1次側の配線をしますが、磁界の発生を抑える為に出来るだけ両極を離さずシャーシに密着させます
  10. 次にヒーター電源回路及び真空管ヒータへの配線をしますが、磁界の発生を抑える為に出来るだけ両極を撚って離さずシャーシに密着させます
  11. 1点アース式.多点アース式.アース母線式のセオリーに従ってアースラインの配線をします
  12. B電源回路の配線をしますが、小信号配線と平行になるのを避けて配線します(9.10.11 12項目の配線を回路別にまとめてビニール結束線で絡げます)
  13. ダイオード.抵抗.コンデンサーを電源回路.増幅回路の初段から終段へと取り付け半田付けします、半田付けした配線.部品は実体配線図上でもマーカーペンで消し込みます
  14. 最初の点検では回路図と見比べながら電源1次側.2次側.増幅部のショート及び結線の有無などをテスターで確認します、確認した配線は回路図上でもマーカーペンで消し込みます
  15. 真空管を差し込まずに、プレート.ヒーター.バイアスなどの電圧を計測して異常な電圧が出ていないか確かめますが、回路が真空管未装着で分断されている為に動作例より高い電圧が計測されたり、真空管整流.カソードバイアス電圧など、真空管装着してからでないと計測できない電圧もあります
  16. 真空管を差し込み電源を入れ(固定バイアスの場合は最初は深くしておく)、五感を集中して、異音.異臭.真空管のプレート赤熱が無いか観察しながら素早く各電圧.電流を計測して調整します(一般的な家庭の電源は100〜105vぐらいの範囲で変動していて、100v時プレート電圧が300vとして105v時は315vになります)
  17. スピーカー音出し点検で異常なハムと発振音が無いか確認します(ボイスコイル焼損のリスクもあるので高価なスピーカーは避ける)
  18. 容量性負荷の安定度と、雑音(SN).入出力.歪率.周波数.DF特性計測と試聴でチューニングして完成させます
Circuit 回路構成   Top
  • フォノイコライザーのRIAA補正回路の特徴
    CR型はメリハリの有る音が好まれ近年は自作派の製作例も多い、採用メーカーはCounterpoint SA-3 SA-5ぐらいで少ない、ノイズが多くなり易いので初段管の選別とローノイズ抵抗で対応したい
    NF型はメリハリ感は少ないがノイズも少なくMarantz7.McIntosh C22などの名機の回路であるが、特にMarantz7が高騰して神格化された(=・ω・=)ニャロメ  3段構成イコライザーに独自の補正が入った微妙なバランスの音は現代でも人気が高くコピー製作例も多い
    CR/NF型は名機Quad 22の回路で真空管を挟んで入力に高域補正のCR型、出力に低域補正のNF型1段で構成されて経済的メリットと繊細な音質に定評はあるが、高増幅五極管使用でノイズが多くなりがち、選別球とローノイズ抵抗を使いたい
    LCR型は信号経路に高抵抗が直列に入らず理想とされているが、コイルと、低インピーダンス負荷で出力電圧を確保する回路に御金がかかる、トーキーシステムで有名なWestern Electricが起源のようである
    各方式は最短配線はもちろんですが、プレートとグリットの非干渉、パスコン.デカップリングの理想アース位置、ヒーター直流点火、増幅段と電源トランスの配置などポイントを抑えて製作すれば大きく音質の違いは無いと言われていますので、製作テクニックが重要になります
  • SRPP回路のプリは元気はいいがノイズが多い、真空管の選別、リップル、トランスのリケージフラックスに留意したい、MJ誌での安斉勝太郎氏製作例が最初だったように思う、低インピーダンス出力が特徴で配線等の浮遊容量の影響を受けにくく、後にLUXが盛んにプリアンプに採用した
  • 近年はレコードの衰退と共にプリアンプをRIAAイコライザーとバッファーに分ける傾向にあるが、最短のシャーシレイアウト、無駄に通電して貴重な真空管を劣化させないなどメリットもある
  • フォノイコライザーはボリュームを搭載せず、バッファーアンプ(フラット.プリ.コントロールアンプ)に入力セレクター.バランスボリューム.出力ボリュームを搭載して、パワーアンプには入力ボリュームを搭載しない仕様で適度な入力感度配分をして、無駄に接点を増やさない事が肝要である
  • しつこいがイコライザー.バッファーアンプなどの微小信号を扱う入力系はシンプル.最短.最低限の接点を心掛ける、小信号を数百倍に増幅するがゆえにその差は大きい
  • 正位相に拘ると偶数段になるが、その為に段数を増やすのも考えものだが、世の殆んどのアンプは偶数段のアンプだ、ちなみにカソードフォロワーでは反転しない
  • ロフチンホワイト回路は良質なカップリングコンデンサーが高価だった時代に考えられた直結回路で、結果的にクリアーな音を得たが傍熱型ドライバー管と直熱出力管の組合せには、+B電源の遅延回路などで出力管保護を考慮したい
  • 超三結回路は、故上條信一氏が開発した五極管のパワーと三極管の高音質を両立させた回路として1991年にMJ誌に発表され自作派に人気がある....感謝
  • 全段差動増幅回路は昔からあったようであるが、木村哲氏がWebの発達と共に盛んに提唱した入力から出力まで差動回路で構成された回路、A級動作でパワー対コストパフォーマンスが劣り決してメーカーは作りたがらないが、OPT一次側電磁結合から解放され、低価格OPT使用でも高音質の評価で製作例も多い、ヘッドホン.高能率スピーカーとの相性が良さそうである
  • CSPP回路は理想のプッシュプル回路とされているが、古くはマッキントッシュ/MC275 LUXKIT/A-3000などで採用され音質で定評があった、自作では特殊巻線出力トランスが殆んど入手出来ず、また複数のB電源が必要で製作例が殆んど無かった、しかし近年 日本のトランスメーカーが研究開発した出力トランスを販売している
  • 真空管OTL回路は低インピーダンス、高出力、特性の揃った出力管、安全安定な回路構成に苦労するがクリアーな音質に定評がある、優秀なアウトプットトランスが高価になってしまった現代では選択種のひとつに加えてもよいのでは....
  • 直熱管は吊るされた熱電子が放射されるフィラメントが大きいほど、回路の段数が増えるほど付帯音が増えるような気がする、臨場感と錯覚するようだがステレオ装置黎明期に組み込まれた、スプリング式リバーブユニットを思い出した(^^)ニコ
  • 25kg以上のアンプは製作しない方がよい、そのうちジジィになって来ると移動が困難になる (^▽^)/
    どうしても重たくなる場合はモノラルアンプにする
  • モノラルパワーアンプだと、異常が出た場合スペアチューブを持たなくても入れ替えテストが正確にでき、各段の電圧などを比べて故障個所を特定するのが容易にできる
  • 雑誌のアンプ回路図は製作記事執筆者のミス、出版社の編集ミスなどで100%近い確率で誤記.誤植が有る、更に制作者自身の誤解釈と誤配線が加わると迷路に入り込み、回路読解力が無ければ製作は困難を極め、記事データ並みの物理特性に迫ることはできない、また特性が全てでは無いが、波形観測用の測定器などが無いと問題の原因の追求が疎かになり完成度に影響する場合がある、 具体的には配線図の線引きミス、アースの記入漏れ、KΩとΩの単位誤記などで際限が無い
    これは自作を否定するものではない、音が出なかったり、発振したり、煙が出たりしたとしても、何故だろう精神で原因を追求していく過程で電気回路の原理を学習する貴重な体験を得ることができる、でも分かる限りの安全対策をして望んで下さいね (^_^;)
Parts 回路部品   Top
  • カット.トロイダル.Rコアトランスを使うとハムで悩まなくなる、しかし特注仕様で制限があったりする
  • 上記のトランスは突入電流が半端ないので高電流容量のスイッチ.スパークキラー.スローブローヒューズ等の対応を迫られる
  • 電磁波対策にトランスを鋼板で囲むのは良いが放熱も考慮すべきである
  • カット.トロイダル.Rコアトランスといえども、容量近くで使うと磁気飽和点に近くなり、電磁波の放出量も多くなる
  • 平滑回路にチョークコイルを使うとリップル.レギュレーション対策に効果覿面、ひいては音に良い影響を与える
  • SiC-SBDは逆回復時間が少なく音の良い電源整流ダイオードとされている、Si-SBD(200v以下)より大幅に高電圧使用が可能になり真空管回路のB電源使用が可能になった
  • 音声信号増幅回路の電源として3端子レギュレーターICを推奨回路で使用すると、パルス性ノイズが残るためか、ざらついた音になる、保護ダイオードと出力側への高容量ケミコン使用で改善するがデカップリング効果か
  • 電源コード直出しを止めACインレットを使うと接点が増えて音が悪くなる、しかし付けると高級感が出る (^^)ニコ
  • 電源スイッチの火花防止にスパークキラーを使用すると、接点保護に効果的であるが、AC100Vトランス一次側に並列入れる事を推奨している(OFF時に微小電流が流れて誤動作の原因になる場合がある)
  • 電源スイッチにスイッチ付きサーキットプロテクタを使うとヒューズが省略できるので音が良いと言われている、サーキットプロテクタのみでは商品名オーバーカレントプロテクタで復帰ボタンの付いた安価な部品でヒューズと置き換えて使いますが最近、店頭では見かけなくなりつつあります。。(/_;)残念
  • 雷サージ対策に電源1次側にサージアブソーバーを入れると安心だけど、サージ電流耐量が大きい程大きく値段も高くなるが、バリスタ電圧値は220か240vの製品が適当
  • ボリュームの炭素被膜A型2連ではギャングエラー(連動誤差)が問題になる事が多いが、LR別々に設けるとバランスボリュームが省略でき、音質改善効果が期待できる
  • ボリューム.アッテネータには炭素被膜<金属皮膜<コンダクティブプラスチック<巻線<トランス型があるが減衰過程で音質に多大の影響与えるので慎重に選びたい、上記は右ほど高評価であるが巻線型の高抵抗化、定抵抗化は製造困難である、またロータリースイッチと固定抵抗を組み合わせたL.T型アッテネータも高評価である
  • 基板用の半固定抵抗は数十回転ぐらいの強度しかなく、あまり回すと接触不良になりやすい、頻繁に調整するような箇所には使用しないのが賢明である
  • トグルスイッチの接点材質では合金.銀メッキは電源及びパワーアンプ出力回路向きで、金メッキは微小信号回路に向いている
  • ロータリースイッチは微小信号回路用途が多いが、殆んど接点露出型なのでホコリが溜まり易く接触不良が発生しやすい、定期的に洗浄すべきである
  • 真空管のエージングとは、回路として成立するようにプレート.グリッド.カソード.ヒーターを接続し、必要とする時間通電を行うことであるが、ヒーターだけ長時間通電すると不良原因になったり寿命が短くなる、エージングの為に別回路を組んでも良いが、製作したアンプ上で測定及び良否判定すれば充分である
  • 真空管は増幅度など定格値の最大7割ぐらいは誤差の範囲として出荷されているので、双三極菅のユニット間誤差、ステレオ使用時の左右増幅度、歪、S/N比特性の違いは頭に入れておく必要がある、極端に言うと選別して使うものと考えておく必要がある
  • 電圧増幅管は電力増幅管.整流管と比べると、動作状態にもよるが5倍から10倍ぐらい寿命が長い言われているが、経験から言うと意外と短命で、エミッション(真空管の電子放出)は有るがブーンとかピシパシ音が出てきて寿命を迎える(簡単に言うとヒーター.グリットは極細線が吊るされたり、巻かれてたりしてる構造で、使用していると、ある日それが緩んだり伸びたりして、ヒーター.カソード.グリッド.プレートの間隔が変化したりしてノイズが突然多くなったりする例もあるようだ)
  • 電源フィルタコンデンサに並列に付いているブリーダー抵抗は、負荷抵抗としての電圧安定と感電防止の放電も担っている
  • 酸化金属被膜抵抗.金属被膜は音が硬く、炭素被膜抵抗は音が柔らかく、ソリッド抵抗はノイズは多いが癖が少なく、無誘導巻線抵抗が最も癖が少ないとされているが...(^^)ニコ
Capacitor 回路部品(コンデンサー)   Top
  • 直流成分をカットして交流(音声信号)成分を通したり、ローカットしたり、充放電を繰り返してリップルを減らしたり大活躍
  • 耐電圧稼ぎの2階建ケミコン使用時は、リーク事故を想定してケミコン外皮ケースをビニールテープ等で二重に絶縁し、分圧用のブリーダ抵抗を両方に入れて安全対策する
  • 整流管保護の為に整流直後1段目のケミコン容量は動作例以上に大きくしない、ラッシュカレントで大きな電流が流れて整流管が破損したり寿命が縮まる
  • 電源整流ダイオードにフィルムコンデンサをパラに抱かせると、ピークが取れスパイクノイズを減らせて音がよくなる
  • 電源フィルター.デカップリングケミコンにフィルムコンをパラに抱かせると、ESR値改善につながり音が良くなると言われている
  • フィルムコン等はDCV耐圧表記の約6割がACV耐圧の場合が多いが、交流ではピーク電圧以上を選びたい
  • 時を経たアンプを測定してみると歪率が高いことが多いが、 電解コンデンサを新品に交換すると改善することが多い、製品の多くは85℃1000時間仕様で、温度とリップルなどの環境で寿命を左右されるが、ドライアップなどで容量低下.直流漏れをおこして寿命を向かえる
  • オイルペーパーコンデンサにも寿命はある、昔なので寿命が明記されていなかったが、その名の通り 紙とオイルが変質したり、オイル漏れで乾燥したりして漏れ電流が多くなり、如いては回路がアンバランスになり高価な部品が故障に到る、交換はお早めに、殆んどがカップリング用であるが寿命の長いフィルムコンデンサに交換する、オイルコンデンサはオイル漏れが少なく寿命の長いハーメチックタイプが良いが価格が高い
    寿命だけに焦点を当てるとフィルムコンデンサは優秀である
  • 同じコンデンサシリーズでは耐圧の高いほうが良い音がする傾向がある
  • コンデンサ.抵抗.真空管にはエージングが必要であるが、耳にもエージングが必要である (^^)ニコ
  • ケミコン>タンタル>マイカ>ポリエステル>セラミッック>ポリカーボネート>ポリスチレン>ポリプロピレン
    上記は右ほど誘電体吸収率が少なく音が良いとされている
  • フィルムコンデンサーは固く巻き、変形せずにエポキシなどで充分固めて電極間振動が少ない構造が音がよいとされている
  • 積層フィルムコンデンサの積層部両面をプラ板で挟み糸で巻いてエポキシ接着剤で固めたり、酸化金属抵抗外皮の塗装を剥いだりと、自己責任だが部品改造に枚挙の暇がない
  • カソードパスコン等にタンタルコンを使うと音はよいが、何らかの原因で壊れると、ショート状態で壊れる為、瞬間的でも耐圧オーバー.逆電圧になる場所は避ける、解からない場合はケミコンを付けて、マルチメータで安全確認してからタンタルへ置き換えてもよい、漏れ電流が少なく小型電解コンデンサの替わりに使いたいところだが、デリケートな部品なので、メーカーは積極的には使いたがらない
  • 段間のカップリングには、フィルムコンデンサは長寿命で音も無難だけど、オイルペーパーの艶のある音も捨てがたい
  • 段間のカップリングには、パワーアンプは力強く聞えるオイルコンを、プリアンプは色付けの少ないフィルムコンを選ぶ傾向にある
  • 巻き構造のカップリングコンデンサで、外側と内側の電極をどちらに接続するかで諸説がある
    説1 信号の流れにそって電極が外側から内側向きに配線する、これが元祖か?
    説2 高圧側に外側、低圧側に内側の電極になるように配線する、古来からの伝説?
    説3 静電気でホコリが吸い寄せられるので、高圧側が内側の電極になるように配線する?、上の真逆 (^_^;)
    説4 高インピーダンス側を外側、低インピーダンス側を内側の電極になるように配線する?
    説5 ノイズに弱い高インピーダンス側を内側、ノイズに強い低インピーダンス側を外側の電極になるように配線する説もある、これが正解か?
  • 抵抗によるB電源ドロップは、スイッチオン直後の超低電流時は高電圧が出力されるが気にしない、ケミコン耐電圧は定格表示ですが、短時間であれば10%程度上回った電圧が掛っても耐えるぐらいの性能があります (^^;)ゞ
  • リップルフィルター及びデカップリング用の無極性コンデンサは外側の電極がアース側になるように配線する
  • カップリング.デカップリング.カソードパスコンはオーディオ信号が通過するので音質に影響を与える、難しいが選ぶ楽しみもある
Panel 部品位置(パネル)   Top
  • パネルレイアウトは回路との相性などで悩むところ、過去の代表的なモデルで比較してみた
    Marantz 7は対称配置と銀一色で清潔と安心感を
    McIntosh C22は対称配置とガラス、イルミネーションでゴージャス感を
    Mark Levinson JC-2は19インチ1U仕様対称配置とブラックフェイスでプロ機器感を
    QUAD 33は絶妙な非対称配置と配色でレトロ感を演出してユーザの心を掴んだ
  • 日本人は絶妙な非対称配置に、欧米人は対象配置に美を感じる場合が多い
  • ボリュームは中央右側が多く、電源スイッチは左側が多い
  • バランスは縦配置の場合ボリューム真下が多く、横配置の場合は左バランス、右ボリュームが多い
  • 入力セレクタースイッチは右端が多い
  • BASS、TREBLEは左側でBASSは左、TREBLEは右が多い
  • 電源のトグルスイッチは押し下げてOFF、上げてONが多い
  • Low cut Filter.Monitorのトグルスイッチは押し下げてON、上げてOFFが多い
  • スピーカー.RCA入出力端子はフロントパネルから見て右がR端子が多い
  • スピーカー端子の極性が上下の場合は上+極が多い
  • スピーカー端子の極性が左右の場合は千差万別、左右は入力端子に順じて−極は中央が好み
  • RCA入力端子が上下の場合、下側がR入力が多い
  • 電源入力端子のIECインレットは中央端子下向きが多い
  • パネル素材は加工の楽なアルミが殆んどで、稀に真鍮.木材.アクリル.人工大理石が使われる
  • レイアウトは対称.非対称.配色.表面処理.イルミネーション.ツマミサイズ.パネル縦横比が重要なファクター
  • パネルの文字入れ予算はシルク>機械刻印>レーザー>クロマテック>インレタ>ラベルシート>テプラの順だけどアマチュアとプロ製作の違いがでるところだ
  • サイドウッド.ケースの面取りをやり過ぎるとだらしなく見える場合が多いが、建具業界には五厘面と言う言葉があり、シャープな日本美を表現する
Location 部品位置(シャーシ.内部)   Top
  • 勘に頼ったシャーシレイアウトは必ず失敗する、部品を集めてから三次元的に実測、詳細な図面を引く事を怠らない
  • 一部のランプ交換型ブラケット.筒型ヒューズホルダーなど、ランプ.ヒューズを実装すると端子が可動する仕様の部品もあるので実測を怠らない
  • 部品実装の位置によってはボルトナットよりタップの方が脱着が容易な場合がある
  • 部品実装の位置は操作性と美観(バランス.余白)の微調整が肝要であるが、これが中々難しい
  • アースループのセオリーからも入出力端子のLRを離さず、また電源入力.ヒューズホルダーも同一面にまとめると使い勝手が良くなりデザイン的にも好ましい
  • 電源トランス.チョーク.出力トランスは、ハム対策に電磁波の方向に注意して配置する、EIトランスは巻線コイル中心方向が最も大きい、EIトランス同士の場合は90度ずらすか平行の場合は離すのが配置の基本
  • 出力トランスを隙間なくLR並べるとクロストロークが悪化するので配慮して配置する
  • LRの真空管同士が近いと熱電子が飛んでクロストロークに影響する事がある、例としてR-ch電力増幅管とL-ch電圧増幅管が隣接するような配置は要注意
  • 上記の事を考慮すると電源を挟んで左右対称が良いのではないかという話になるが、アースループを構成しない様にしないとハムに悩む事になる
  • シャーシの対流穴は熱対策には良いが、むやみに穴を開け過ぎて埃を呼び込んだり、高電圧部の裸リードや裸端子をカバーして埃が滞積してもリークしないようにしたい
  • 真空管と熱に弱いケミコンを近くで対峙させる配置は避ける、上部に適当な場所が無い場合はシャーシ内部の配置を検討する
  • 発熱する抵抗の上にコンデンサを配置しない、輻射熱と上への対流熱にさらされない配置が重要
  • シャーシ素材は加工の楽なアルミが殆んどで、稀に鉄.ステンレス.真鍮.木材が使われる
Soldering 配線(半田、配線方法)   Top
  • 配線は電線及びリード線と端子の密着が基本、そして半田で接続する、半田で強度を保つような配線はしない
  • プリント基板への部品の半田付けはリード線を曲げて銅箔との密着性を良くして半田付けし、余分なリード線を切り落とす
  • 部品.リード線.配線への予備半田メッキは確実な半田付けに重要であるが、部品内部、配線のビニール部分への半田浸食は接触不良、半田付け部分の美観が損なわれる
  • 半田付けは、チョン付け<引っ掛け<巻き付けの順序で良いとされているがメンテナンス性も重要である
  • 非熱収縮耐熱チューブにはイラックスチューブ.各種エンパイアチューブがあり、熱収縮耐熱チューブにはスミチューブがある、使い分けると美しい配線ができるかも(^^)ニコ
  • ダイオード.抵抗.コンデンサは半田付けで微妙な向きが決まるので、半田付け前にラジオペンチなどで入念にリードを微調整して絡げると美しく仕上がる(摘む面がギザギザの無い平らなラジオペンチを使うとリードに傷が付き難い)
  • 電線のビニール被膜をラジオペンチで摘んで半田付けするとペンチ痕が残るので汚くなる、事前に充分絡めて半田付けする、絡められない端子などはソフトに摘めるような自作冶具で押さえながら半田付けする
  • 高温.高電圧.大電流になる箇所は引っ掛けか巻き付け半田、もしくは圧着が適当である
  • 半田付けのイメージは半田ゴテを部品.リード線にあて熱くなり、そこに触れた半田が溶け出し富士山の裾野の様に広がりだしたら半田ゴテを外す、端子の大きさ、電線の太さによって時間は微妙に変化するので経験をつむ事が肝要である
  • 半田付けで玉状になったら、失敗と認めてやり直す手間を惜しまないことが、トラブル回避のポイント
  • ヒューズボックスなど端子の大きな部品への半田付けは、半田に含まれるフラックス量では不足が予想されるのでフラックスを塗ってから半田付けをする
  • 無鉛半田は高融点で適正温度も狭くアマチュアには難易度が高いので、共昌.H60A等の有鉛半田を使ったほうが無難である(温調半田ごての場合はH60A/350℃.鉛フリー380℃適温が多いがコテ先形状にもよる)
  • 部品及び電線の接続には半田付けよりも圧着が音が良いとされているが、根拠は密着度にあるようです
  • 適正でない圧着圧力によっては断線することがある、特に細い電線の圧着は慎重にする
  • 工具で規定通り巻かれたラッピング配線の信頼度は、昔の業務コンピューターを見るとおり極めて高い
  • 内部配線は柔かい撚線よりも硬い単線の方がきれいに配線出来るが、硬めの撚り線もある
  • 撚線は可動が多い箇所に最適ですが、実際にはAC電源コードぐらいで、真空管ソケットへの配線も頻繁に抜き差ししなければ容量に見合ったサイズの単線で充分である
  • 太い電線に拘りすぎると汚い配線になりがちである、半田付けが疎かになったら本末転倒である
  • 2次元的なプリント基板.平ラグ.タレットボードを使用すると部品同士が隣り合い浮遊容量が増える傾向にあり、立てラグ.スタンドオフを使用した最短3次元的な配線の方が無駄が無く音が良いとされているが、合理的にデザインされたプリント基板.平ラグ.タレットボードを見ると無関係にも思える
  • タレットボードによる配線は、プリント基板に喩えるとベタアース無し両面スルーホール基板、部品を両面配置して高密度実装が実現でき、組替えも容易で基板の疲労度も少ないが配線ミスに注意したい
  • 対称.直角.直線.垂直.平行に拘った配線を見ると人は安心するが、回路的に配線同士の干渉が予想される配線の結束、長い配線で特性の悪化が心配だ、過ぎたるは猶及ばざるが如しである
  • 配線と結束に要する時間を掛けるほどに美しく仕上がるが、人間とは楽して結果を早く見たい生き物、大抵は醜く仕上がる(T_T)
  • 近年ヒューズを省略したり、部品との整合性を無視して太い配線ケーブルに固執したり、必要以上にコネクターを排除したりする風潮があるが、メンテナンス性・利便性・安全性を無視してまで行う事か、冷静になって考えてみることが大切である
Wiring 回路配線方法   Top
  • 回路及びアースは回路図の流れ沿って配線するのが基本ですが、実際の配線を考慮していない回路図が多い
  • 管内シールドはグリットリーク抵抗のアースへ、シールドケースがシャーシから浮いている場合も同じ
  • カソード抵抗.グリッド抵抗.プレート抵抗はソケットのピンに直付けする
  • 初段のカソードパスコンアースを基準に入力のシールド線、グリッドリーク抵抗アース、デカップリングコンデンサアースをまとめるのが無難
  • 各段のデカップリングコンデンサアース、カソードパスコンアース、グリッドリーク抵抗アースを集中させ次段へ、また同じ構成でアースし、また次段へと送っていくアース結線が無難
  • 1点アースの場合は信号入力部近くのシャーシに接続するのが昔から言われているセオリー
  • ステレオで電源を挟んで対称配置の場合は、アースループの原則から外れるが電源部と左右入力部の3点アースで良い結果になる場合がある
  • 両波整流電源部アースはトランス中点と初段のフィルターケミコンネガティブ端子を最短で結び、次段以降のフィルターケミコンへと接続するが増幅回路のデカップリングもはたしている場合が有るのでシャーシアースには留意する
  • アース電位安定にはアース端子とシャーシ、シャーシとサブシャーシのビスナット固定に菊ワッシャーを使用すると安心だが、食い込む特性上必要ないが、なぜか塗装及びメッキを剥してしまう(^^)ニコ
  • アルミに腐食防止と美観上アルマイトメッキしてある場合が有るが導電性は無い
  • プレート配線は高電圧で、配線容量の変化に敏感になり易く、シャーシから離したほうがよい場合がある
  • 高電圧電界からのノイズ混入防止に、信号ラインはシャーシに這わせたほうがよい場合がある
  • 入力信号などの小信号配線はAC電源ラインに近づけない
  • 入力内部シールド線は浮遊容量の為、ボリュームとCRローパスフィルターを構成して音に悪影響を与える
  • RCA入出力端子は金属シャーシの場合、アース絶縁型を使用して、アースループにならないように配慮する
  • AC配線両極を撚るとノイズレベルを下げれるかも、両極を広げた配線、迂回はできるだけ避ける
  • ループハム防止にトランス1次側配線はできるだけ迂回せず、両極を極力離さずに配線する
  • ヒーター配線両極を撚るとノイズレベルを下げれるかも、両極を広げた配線、迂回はできるだけ避ける
  • ヒーターアースを忘れてハムで大騒ぎする事が多いが、出力トランス2次側のアースも忘れず実行
  • SRPP回路などでカソード電位がヒーターカソード間耐電圧に近い場合は電位差解消にヒーターバイアスを忘れずに掛ける、ヒーターバイアス電源回路でアースしているはずなので、ヒーター回路で二重にアースをしてはいけません
    カソード電位-バイアス電位=HK間耐圧以下が必要(HK間耐電圧12AT7-90v/12AX7:U7:BH7-200v)
  • ステレオ構成の半導体アンプでは、電源のリップルフィルタコンデンサから増幅回路へのアースは直近であってもLR単独に配線する、スピーカーアースも同様にLR単独に配線する
  • 半導体アンプなどの電源のリップルフィルタコンデンサ配線は、トランスは充電側へ、アースは放電側へとコンデンサ端子から明確に分けるべきである
  • 半導体アンプ電源などの充放電分離は±2電源の場合に特に重要で、端子間配線の長さも対称的にすべきである
Cable 外部接続ケーブル etc   Top
  • 音質でケーブル云々言う前に、先ず接点を磨く事である、歯ブラシ.歯間ブラシ.クレジットカード.タコ糸.布.綿棒に無水エタノールまたはイソプロピルアルコールを含まして輝きが出るまで磨くと良い、決して研磨剤.紙やすり.金物を使わないこと(タコ糸はコマ回しの如くRCAピンジャック等に巻き付けて擦るように使う)
    洗浄箇所はレコードプレーヤーのヘッドシェル4点端子とトーンアーム内側の4点端子、RCAピンプラグの芯と外アースの内側、アンプ背面のRCAピンジャックの芯穴と外アース、しかしロータリースイッチの露出した接点.リレー.ボリューム.レバースイッチはスキルが必要だから避けた方が無難です
  • MT真空管は洗浄後にピン矯正器で矯正したいが、スムーズに奥まで入らない場合は諦める、無理するとボタンステムのガラス部分にクラックが入ってお釈迦になる
  • 長年使用していると各種接点に酸化被膜が形成されますが、これには先人の研究があって ショットキーバリアダイオードと似た層を形成するそうで、当然ながら酸化層は不安定でノイズ.歪の原因になるそうです
  • フロントパネルなどのアルミ(アルマイト加工含)の清掃にはマジックリン、アルカリ電解水は厳禁、無水エタノールもしつこく擦ると変色、シルク印刷文字が剥がれることになる、水か食器用中性洗剤を含ませた布で拭くのがベスト
  • RCAピンケーブルは信号を通す方向によって音が変わるような気がする(^_^;)プラシボー
  • スピーカーケーブルを長くするよりパワーアンプをスピーカー近くに設置して質の良いラインケーブル(低インピーダンス出力プリが条件)を長くした方が音がよいが、両方共に最短配線になるような機器のセッティングが望ましい
    これはスピーカー配線を伸ばすと抵抗が増加する、するとダンピングファクターが低下する、ライン出力を伸ばすとノイズが増える可能性があるが、いずれもこれは程度問題だ
  • 電源コンセントの極性によって音質が変化する事がある、長い方(W白色ケーブル)が柱上トランスの地中アース側であるが、稀に電気工事施工ミスで反転しているコンセントがあるので鵜呑みにせず極性を調べると吉
  • むやみにオーディオ機器同士のグランド端子を接続するとアースループを構成してハムが出ることがある
  • 地中アース(接地)は安全対策上のアースであり、オーディオで利用するとノイズを引き込むこともある
  • 周りに高い建物が無い、田んぼの中の一軒家で雷が鳴ったら、コンセントからプラグを抜くことが一番である
  • CDプレーヤー等に搭載された電子ボリューム(リモコン)を使用すると、なぜか音が痩せる傾向にある
  • トーンアームからの出力ケーブル.MCトランスの出力ケーブル、いずれも大抵1m以上ある、足すと2m以上にもなる、ここでの情報損失は微小信号だけにバカにならない、良質のケーブルで最短ケーブルに作り直すと音質改善する(静電容量で影響を受けやすいMM型は、ケーブルが短くなると静電容量が小さくなるので、メーカー指定の最適な静電容量値に調整しないと特性にピークが生じる)
  • パワーアンプに音量ボリュームが付いていた場合は最大にして、コントロールアンプ側で音量調整しないと、高域が落ちたり歪む場合がある(ローパスフィルタ効果と低インピーダンス化による弊害)
  • 出てくる音のキャラクターの9割は出口であるスピーカーとルームアコーステックで決まり、音情報量と質は音源元である、CDプレーヤー.レコードプレヤー.カートリッジ等の入り口で決まる、じゃ アンプって何?
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